新日プロのプロモーター場外バトルが白熱している。
新シリーズ開幕戦となった蝶野正洋プロデュースの「蝶野王国」。2日間でのべ8250人の観衆を集め、新日プロ幹部も「蝶野王国はホクホクですね。今度は規模を大きくしてやりたいですね」と、大成功に満足した様子だった。
だが、同興行の盛況ぶりをひとり眉間にシワを寄せながらみていたのがミスターIWGPだった。永田といえば、来週9日の日曜日に地元である千葉・東金でデビュー15周年記念興行を開催する。そんな状況下とあって是が非でも「自分の記念興行を成功させなければっ!」と気負っていたのだ。
そもそも大会前から永田は「蝶野選手よりオレの方が先に千葉で興行をやる予定を決めていたのに、よりにもよって1週間前に県内で興行を打つことはない」「ケンカを吹っかけられたので、プロモーターとして負けられない」などと嫌悪感を露にしており、プロモーター蝶野と遺恨があった。
そんなこともあってか、この日は蝶野王国の試合開始前に会場の傍らでちゃっかり自主興行のチケット販売。試合でも10・8両国大会でV3戦の挑戦者・棚橋弘至&飯塚高史組と激突し、最後はわざわざ地元の東金をモチーフにした技「東金クラッチ」で飯塚から3カウントを奪うドロ臭さをみせた。
さらに試合後はすかさずマイクを握り「あと1週間後の9月9日、千葉県東金市の東金アリーナで中西学、大谷晋二郎と組んでGBHと闘いまーす」と自主興行をアピールするなど、リングでも躍起になってPRに徹した。
永田が蝶野との仁義なき興行戦争に必死になるのは当然のこと。新人プロモーターとして盛況を集めた蝶野興行と比較されてしまうばかりか、観客動員できなければ、赤字興行で自腹を切ることになる。つまり死活問題なのだ。
「蝶野興行には負けないよ」。そう気勢を張ると、ミスターIWGPはその足で自主興行を開催する千葉・東金方面に車を走らせ、営業活動に向かった。