それだけではなく1を超えれば優秀とされるOPSはセ・リーグで唯一、1を超える1.326。長打率.805と得点圏打率.533もリーグトップ。今シーズン、チームがキャンプからテーマとして掲げている出塁率も.521と、もちろんリーグトップ。どれを取っても文句のない成績を残している。
さらに周囲を驚かせているのが三振の少なさ。元来三振の少ないバッターではあるが、今シーズンは開幕してから4試合で4つの三振を喫し、見る者を困惑させていた。しかしそこから5月6日までわずか2つしか三振せず、トータル数は6。この数字は規定打席到達者の中ではリーグ最少で、似たような三振数の他のバッターはピッチャーだらけという現状を見ても、いかにすごいかが理解できるだろう。
好調の理由については「後ろにつなぐだけです」と語る。三浦大輔監督も常日頃から口にする「みんなが自分で決めようとせず、後ろのバッターにつなぐ意識」を徹底。また「いいものがあればその日、それを実行するというイメージです。日によって身体も違いますし。自分の体と相談しながらその日に合ったものを練習で試していくという感じです」と自らのコンディションを真摯に向き合いながら、長年培った経験を元にバッターボックスに入っていることが好成績を生んでいると自己分析していた。
実際4日のカープ戦ではサヨナラホームラン、6日のスワローズ戦では2ホームランとツーベースを含む4打数3安打3打点と大暴れと、5月に入っても勢いはそのまま。
チーム状況にも「みんなが一つになって打線になり、チームもすごくまとまっている」と手応えも口にした“ハマのプーさん”。死角の見当たらない今シーズン、最後にはとんでもない数字が残っているかもしれない。
取材・文・写真 / 萩原孝弘