「3-0」とソフトバンク3点リードの6回表。この回先頭の周東は與座がカウント「1-2」から投じた4球目のシンカーをスイングし、打球は與座から見て左方向に大きく跳ねる投ゴロに。落ちてきた打球を捕球した與座はそのまま一塁ベースに走るが、周東もほぼ同じスピードでベースに向かってきていたため、このままだとお互い全速力のまま交錯してしまう状況だった。
ただ、周東、與座はどちらも交錯のリスク大と判断したのか、一塁ベースの手前でほぼ同時にスライディングを敢行。判定は一塁アウトとなったが、このプレーにより與座はベースに足がついて勢いが止まり、周東も與座から遠ざかるように体が右方向に流れたことで交錯は免れた。
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両者の同時スライディングを受け、ネット上には「ヤバいぶつかる!ってところからお互い滑り込みで回避するとは思わなかった」、「際どいクロスプレーの中でお互い上手く怪我を防いだ、これはある意味大ファインプレーだ」、「周東も與座も重要な一軍戦力だから、もしぶつかってたらって考えるとゾッとする」といった驚きの声が多数寄せられた。
「ファンの間で話題となっている周東と與座ですが、周東は内外野のレギュラー格として『25試合・.375・3本・9打点』(3日終了時点)、與座もローテの一角として『10登板・5勝3敗・防御率2.43』(同)といった好成績を残している選手。両名共に現チームには欠かせない戦力ですので、仮に交錯・故障が発生していればチーム順位にも大きく響く事態になっていたことは想像に難くありません。特に周東は新型コロナにより一軍選手・スタッフが20名近くチームを離れている現状において、複数ポジションを守れる好打者という代えがきかない存在となっているので、故障離脱なら藤本博史監督もいよいよ首が回らなくなっていたところでした」(野球ライター)
同戦の試合展開自体にはほとんど影響していない周東、與座の同時スライディング。ただ、お互いや両チームの今後を考えると、この日一番の好プレーだったともいえるだろう。
文 / 柴田雅人