開幕戦ではカープのエース・大瀬良大地からチャンスを広げる今シーズン初ヒットをライト前に運びチーム初得点につなげると、次打席では持ち前の選球眼でフォアボールで出塁と貢献。2戦目は難攻不落の森下暢仁からタイムリーを含むマルチヒットをマークする活躍を見せた。3戦目は4−4の同点で迎えた8回に、復活の兆しを見せる元守護神・中崎翔太のスライダーを一閃。「エスキー(エスコバー)が良いピッチングをしてくれたので思い切っていこうと決めていました。本塁打になるか微妙でしたが、ファンの皆さんの声援がスタンドまで運んでくれたと思います」と振り返る一打は、一時勝ち越しとなる貴重なホームランだった。逆転された9回には、昨年新人王争いを演じたカープの絶対的守護神・栗林良吏からタイムリーを放ち、負けはしたものの4番の意地を見せた。
4番セカンドとしてチームの中心選手として君臨しながら、オープン戦から試合に出ないときでも率先してベンチ前でナインを出迎え、ときにはイニング間のキャッチボールの相手も務めるなど、真摯な姿勢は昨年と同じ。打てば派手なガッツポーズ、味方の好プレーにもベンチ内でひときわ喜びをあらわにしチームを鼓舞し続ける姿は、チームメイトからもファンからも愛される理由の一つだろう。
昨シーズンは打率.314とセ・リーグ3位、ホームランは22本を数え、打点も71。得点圏打率.304とOPS.890は規定打席到達者の中ではチームトップの成績を残した牧秀悟。離脱しているタイラー・オースティンが復帰しても不動の4番として期待されている2年目の怪物は、チームを勝たせるための目標、打点王に向けて邁進していく。
写真・取材・文 / 萩原孝弘