昨年いっぱいでアイスリボンを退団した雪妃は、今年1月からDDTにフリー参戦。その中で、雪妃は2013年にDDTへの入団を希望したものの、高木三四郎社長に断られた経緯があることを吐露。その後にDDTでデビューした赤井に対して、メラメラと“嫉妬心”を燃やしていた。これまでのタッグ戦での直接の対戦成績は1勝1敗で、この日の一騎打ちが正真正銘の決着戦の舞台となった。
試合は、赤井がダイビング・ボディアタック、ミドルキック連打、雪崩式ブレーンバスターで攻め立てれば、雪妃は変型腕固め、スノウトーンボムで応戦。赤井が新人賞を叩き込むも、カウントは2。その後、強烈な張り合いから、赤井がハイキック、ビッグブーツを見舞い、ケツァル・コアトルが決まり、カウント3。赤井が大舞台での決着戦を制している。
試合後、敗れた雪妃から手を差し出し、両者はガッチリ握手を交わして抱擁。闘いを通して、2人の中で感じるものが芽生えたのだろう。これまでのわだかまりは無くなったようだ。
赤井は「雪妃選手には雪妃選手の歴史があって。私には私の歴史があって。そこが重なった時にプロレスって試合になるから。2人とも背負ってるものは違うけど、見てる方向は大きく言えば同じだと思うので。体は痛かったんですけど、私と雪妃にしかできない試合になったと感じています」とコメント。
雪妃は「自分のプライドと価値観を押しつけて今日まで来たんですけど、勝利した赤井選手が素敵なファイターだと思わずにはいられなかった。自分の価値観を持って女子プロレスの世界でやってきて、いらないプライドもあるなって今日感じて。新しい価値観を持ってやっていかなきゃいけないと思った。1人で乗り込むにはプライドと意地が絶対必要だと思うので。新しいプライドを培いながらやっていきたいと思います」と話した。赤井とのタッグ結成の可能性については、「沙希ちゃんがいいよって言ってくれれば。快く受けたいと思います」と前向きな姿勢を示したことから、今後はタッグパートナーとして、対角線ではなく、横に並ぶ2人の姿が見られるかもしれない。
雪妃はDDTのレギュラーを狙っていただけに、敗れはしたものの赤井と大会場でも響く試合をしたことにより、今後の継続参戦は濃厚と言っていいだろう。
(どら増田)