>>元大関・高安、1月場所全休決定も「逆にラッキー」の声 所属部屋がクラスター危機もデメリットばかりではない?<<
前日まで「0勝1敗」の宇良はこの日、同「1勝0敗」の大関・正代と対戦。立ち合いから左を差され圧力をかけられた宇良は、右に動いて揺さぶりを狙う。しかし、冷静に足を運び対応した正代には通用せず、そのまま一気に土俵外へ押し出された。
問題となっているのはこの直後の宇良の様子。宇良は押し出された勢いで土俵下に背中から落下したが、この際に後頭部・背中を強打した影響からか20秒ほどその場から動けず。さらに、そこから土俵上に戻る時も足元を大きくふらつかせていたため、土俵下の藤島審判長(元大関・武双山)は行司・呼び出しらに宇良の状態を確認するよう指差しで指示を出した。
その後呼び出しに付き添われ土俵を降りた宇良は、礼を合わせられる状態ではないと判断されたのかそのまま花道を引き揚げる。最初は呼び出しの肩を借りながら自力で歩いていたが、途中からは車いすに乗せられ下がっていった。
アクシデントに見舞われた宇良の様子を受け、ネット上には「まともに歩けずに車いすに乗せられたのを見ると、脳震とう起こしたのではと思うが大丈夫なのか」、「背中から思いっきり落ちてたから相当なダメージを受けたんじゃないか」と心配する声が続出。一方「下手に粘らなきゃこういう結果は避けられたのでは」、「諦めない気持ちは分かるけどちょっと取り口が危なすぎたな」との指摘も数多く挙がった。
「この日の宇良は立ち合いから右に動くも正代に対応され土俵下に押し出されたという相撲内容でしたが、俵を割る直前に正代の左腕を抱え込むようにたぐっており、最後まで離さないまま土俵下に落下。これにより、正代も左腕を引っ張られたまま土俵下に落下し、宇良に上からのしかかる形となってしまいました。宇良は土俵際での粘り強さに定評のある力士なのですが、今回の一番については勝ちへの執念が裏目に出たとみているファンも少なからずいるようです」(相撲ライター)
取組後には相撲協会・八角理事長(元横綱・北勝海)が「しがみついて危ない。自分だけでなく、相手のけがにもつながる」と苦言を呈したことも伝えられている宇良。なお、取組後は脳震とうを起こしていたのかどうかを含め詳しい状態は伝えられていなかったが、本日3日目も休場はせず出場し、大関・貴景勝相手に今場所初白星を収めている。
文 / 柴田雅人