ダブルメインイベント1、スペシャルシングルマッチとして、タイガー・クイーン(一般社団法人初代タイガーマスク後援会)が、マーベラスのエース彩羽匠と注目の一戦を行う。
初代タイガーマスク佐山サトルが生み出した女性版タイガーマスクのタイガー・クイーン。7.29後楽園大会でいきなりメインに抜擢され、山下りなに劇的勝利。クイーンの評判から急きょ開催された9.5新木場1stRING大会では、こちらもメインでディアナの佐藤綾子を破り、ここでもポテンシャルの高さを見せつけた。初代タイガーの空中殺法を全面的に再現させたデビュー戦と、場外へのムーンサルトアタックで初代もやらなかった大技を繰り出しオリジナルへの道も歩み始めたのである。さらに、協力関係のある10.10ディアナ後楽園では、大ベテランに囲まれ初めてのタッグマッチ、しかも男女混合マッチ(ジャガー横田&越中詩郎組vsタイガー・クイーン&西村修組)を経験した。そして迎える第4戦は、ダブルメインイベントとして早くも超ド級の豪華カードが実現することとなった。
佐山&ジャガーの遺伝子と長与千種の遺伝子が一騎打ちで激突するのである。そのカードとは…“タイガー・クイーンvs彩羽匠”。彩羽はリアルタイムではないものの、クラッシュ・ギャルズの映像を見て長与にあこがれ、長与の起こした新団体マーベラスに戦場を求めた。現在は女子プロ界のトップとも言える存在で、スターダム10.9大阪城ホール大会では、同所で行われる26年ぶりの女子プロでメインを務めた。しかも彩羽は、ストロングスタイルプロレスの女子部門を継続させた立役者とも言っていい。昨年3月19日に後楽園で行われた朱里&安納サオリ組vs松本都&彩羽匠組。この試合の成功がなければ、現在の女子路線は継続しておらず、クイーンの誕生もなかったはずだ。それだけに、佐山と長与の遺伝子を継ぐ両者の対戦は刺激的かつ、時代の流れを考えれば運命的でもある。
佐山、長与とも男女の差こそあれ、80年代の国民的スーパースターで、タイガー・ブームの頃、ジャガーはすでに全日本女子プロレスのトップに君臨していた。そして、初代タイガーデビューから40年ちょうど、クラッシュブームから約35年。両者の動きや技を直伝された2人が男女の垣根と時空を超えて激突する。こんなに夢のあるマッチメークもないだろう。と同時に、これはクイーンにとってデビュー以来最大のピンチ到来でもある。4戦目にして初めてピンフォールを奪われるのか? 初代タイガーのシングルでの敗戦は、ダイナマイト・キッドからの反則(フェンスアウト)負けただ一つだったが…。クイーンにとって最大の難関が訪れたと言っていいだろう。
(どら増田)