初戦は9−3の6点リードの場面の9回に登場し、ダヤン・ビシエドを力でライトフライに抑え込むと、続く渡辺勝、高橋周平を連続して空振り三振に切って取る圧巻のピッチングを披露。9日は2−1でリードの9回、終盤戦ということもありマウンドに伊勢大夢が送られるが、同点にされワンアウトも取れずに降板し、砂田毅樹に継投したが2点を許し、なお1アウト一、二塁で三嶋が登場。前の打席でホームランを放っているアリエル・マルティネスをファーストファールフライ、伊藤康祐をピッチャーゴロに打ち取り、勢いのついたドラゴンズ打線相手をしっかりと抑えた。
10日には1−1の同点の9回に登板。先頭の高橋にヒットを打たれ、桂依央利の送りバント後、福留孝介をサードゴロに打ち取りツーアウトまでこぎ着ける。しかし堂上直倫にレフト前ヒットを浴び2アウト一、三塁の大ピンチを迎えたが、京田陽太には全球魂のストレートを投げ込み、力のないサードフライに打ち取った。その裏柴田竜拓のサヨナラ犠牲フライで勝ったため、三嶋は3勝目を手にした。
三浦監督も試合後「先頭を出しながらも集中してましたし、あそこでホームを踏ませなかったのは大きな収穫だと思います」と納得の表情。プロ入り2年目の開幕投手から長期の不調。敗戦処理からクローザーまで上り詰めたが、またもや壁にぶつかっている感がある三嶋。しかし厳しいプロの世界で、酸いも甘いも経験している剛腕は、ポジションに関係なく、常に全力で腕を振る姿勢と負けん気を武器に、来年以降もチームに貴重な働きをしてくれるはずだ。
取材・文・写真 / 萩原孝弘