今シーズン最初の対戦は4月9日、開幕投手の濱口遥大を先発に立てたが2−9で惨敗し、このカードは3連敗発進。同月23日からの甲子園では初戦、坂本裕哉の快投で初白星を挙げるがその後は連敗し、5月の横浜でも1勝2敗と負け越した。この時点で2勝7敗と完全にカモにされていたが、交流戦で勢いをつけて形勢逆転。6月25日からの3連戦をスイープすると、7月12日から2勝1敗。敵地甲子園で4つの勝ち越しを決めた。
8月からはベイスターズが東京ドームを、タイガースが京セラドームをホームにして6試合戦ったが2勝4敗で負け越し、9月12日は久々の横浜スタジアムで勝利。3戦を残して10勝12敗となり、まだ勝ち越しのチャンスを残していたが、5日の敗戦で負け越しが決定した。
ベイスターズがタイガースに最後に勝ち越したのは2013年の14勝10敗が最後。この年は藤井秀悟(現BP兼広報)の4勝を筆頭に、三嶋一輝、藤江均氏、大田阿斗里氏がそれぞれ2勝し、8人のピッチャーに勝ち星がついた。横浜スタジアムで勝ち越したのも2015年が最後で、ギジェルモ・モスコーソ氏や長田秀一郎氏など計7投手が1勝ずつ挙げ7勝6敗と勝ち越しに成功した年だった。いずれもいにしえの名前が並ぶことからしても、一昔前と認識できる。
その後は打者ではベテランの福留孝介や糸井嘉男、また大山悠輔や近本光司らに加え、今年はルーキー・佐藤輝明に苦しめられた。投手でもランディ・メッセンジャー、藤浪晋太郎らのパワースターターに、最近ではジョー・ガンケル、青柳晃洋、これまたルーキーの伊藤将司と、特定の選手にやられている印象が強い。ラミレス元監督は毎年のように「阪神に勝ち越さなければいけない」と口にしていたが、指揮した5年間負け続けてしまった。
今シーズンは後半失速してしまったが、3勝を挙げた坂本や、3割以上の打率を誇る桑原将志&タイラー・オースティンのコンビが虎狩りに貢献しただけに、来年の三浦ベイスターズに苦手払拭への足がかりも見えた。6日のゲームでは先発の大貫晋一の好投むなしく、打線が沈黙し零敗を喫してしまったが、来シーズンをいい形で迎えるためにも、今日の最終戦は是が非でも白星で飾りたい。
取材・文 ・写真 / 萩原孝弘