吉本新喜劇の座長で、「人志松本のすべらない話」(フジテレビ系)出演を機に全国区タレントとなった小籔。188センチの長身を生かして、15年から3年半、女性ファッション誌で芸人で初めて「NYLON JAPAN」(ナイロンジャパン)、「ViVi」(ヴィヴィ)、「VOCE」(ヴォーチェ)の3誌で専属モデルを同時に務めた。
小籔に白羽の矢が立ったのは、スイーツモデルなどと撮った写真を投稿していたインスタグラムがきっかけ。顔の上下・左右を両手で覆う「カズニョロポーズ」が“映えブーム”の追い風となった。
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そもそも、芸人モデルのパイオニアは馬場園梓。今月、隅田美保との漫才コンビ・アジアンの解散を発表したが、11年にファッション誌「steady.」の専属モデルとなっていた。「かわいい服で通勤したい」がコンセプトの同誌に馬場園はそれまで、「着やせ」特集で登場。「ぽっちゃりでモデルとしてもかわいらしい」という編集長の直訴が、芸人史上初の専属モデル誕生につながった。
モデル枠を拡充させたのは、今なお引く手あまたのEXIT(りんたろー。&兼近大樹)。これまでに「ViVi」や「smart」(表紙起用)ほか多くのファッション誌に登場してきたが、昨年2月には「WEGO」からコラボ新ブランド「EXIEEE」(イグジー)を誕生させて、イメージモデルも務めた。同年末には、「ANREALAGE」とコラボレーション。期間限定ブランド「ANREALAGEXIT」を発売した。YouTubeで公開されたコンセプト映像では、カラーリングされた通常のヘアを黒色に戻した2人が、モノトーンの世界をモデルウォークで闊歩している。
今年6月には、「POLICE」からEXITのカプセルコレクションとしてサングラスを発売。これまで俳優やミュージシャン、サッカー選手やモータースポーツ選手など多くのセレブリティとコラボしてきたカプセルコレクションで、日本人は初だ。
小籔、馬場園、EXITらが属する吉本興業には6000人以上のタレントがいる。モデルも多いが、芸人との二足のワラジを成立させている例はまれ。EXITのように荒稼ぎできるコンビは、この先も誕生するに違いない。
(伊藤由華)