北海道では札幌市を中心に新型コロナウイルス感染者が急増し、人口密度の低い地方の町村でも感染者が出ている。今後、北海道全域への緊急事態宣言の発出も検討されている。
これまで、鈴木知事主導で独自に進められてきた、北海道のコロナ対策は一定の効果を出したのだった。札幌市では感染者が拡がったものの、当初は死者ゼロの状態が続き、そこには的確な患者の振り分けのほか、独自の健康状態管理アプリの導入などがあると言われてきた。飲食店の時短営業要請なども行ってきた。
鈴木知事と言えば、東京都職員、夕張市長などを経て2019年の北海道知事選で当選。当選時38歳の全国最年少知事として話題になった。若いイケメン系の知事という点で、大阪府の吉村洋文知事と比べる声も多く聞かれた。両者ともに独自のモデルでコロナに対抗し、当初は高い評価を受けるも、最終的には感染者が急増してしまった。
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鈴木知事の失策と言えるのが、5月5日に行われた東京オリンピックのマラソン競技のテストイベントとして行われた「北海道・札幌マラソンフェスティバル」だろう。沿道には「五輪中止」のプラカードを掲げる人物も見られた。鈴木知事は与党の自民党と公明党の推薦を受けて当選している。そのため、「自民党や菅総理にベッタリなんだろうな」「道民の気持ちをまったくわかっていない」といった声がネット上では聞かれる。さらに、秋元克広札幌市長は野党の推薦を受けて当選しているため、与党系の北海道知事と野党系の札幌市長の間で「歩調が合っていない?」といった指摘もある。
さまざまな側面があるとは言え、鈴木知事のコロナ対策に対して批判の声が止むことはなさそうだ。