今回の動画で小松氏は、自身の現役時代に中日を率いていた星野さんの思い出についてトーク。その中で、バッテリーを組んだ同僚捕手・中村武志氏(元中日他/現中日一軍バッテリーコーチ)が星野さんの鉄拳制裁を恐れるあまり、試合中にサインが出せなくなったという話を語った。
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中日一筋(1978-1994)で現役生活を送った61歳の小松氏と、中日(1987-1991,1996-2001)、阪神(2002-2003)、楽天(2011-2014)で監督を務めた星野さん。両者は1987年から1994年にかけ、選手と監督という間柄で共に中日で戦っている。
就任直前の1986年は5位だったチームに不甲斐なさを感じていたのか、星野さんは同年オフの就任直後のあいさつで選手たちに「覚悟しとけぇ!」と言い放ったという。その言葉通り、星野さんは就任以降厳しい態度でチームを指揮したが、その中で星野さんから鉄拳制裁を受ける選手も少なくなかったという。
特に星野監督から手を上げられていたのは、山本昌氏(元中日/現野球解説者)と中村氏の2名だったという。山本氏についてはあまりにも星野さんに殴られすぎて途中からトレーナーが回数を数えるようになったという。中村氏は試合のイニング間に星野さんに顔面を殴られないよう、キャッチャーマスクを装着したままベンチに帰ってきていたことがそれぞれ印象に残っていると語った。
また、小松氏は中村氏とバッテリーを組んだある試合中、中村氏が配球のサインを出せなくなったこともあると告白。サインを出す指先がこわばっている様子を見た小松氏が不審に思いマウンド上に呼ぶと、中村氏が「指が折れません…」と言ってきたため、それ以降は小松氏がサインを出す形で配球を組み立てたという。
星野さんは投手が打たれた場合でも、捕手の中村氏を怒ることがほとんどだったという小松氏。「イップス(のよう)になってる。何(の球種のサインを)出しても打たれると思ったんだろうね」と、星野さんに怒られたくないという恐怖心が原因だったのだろうと推測していた。
小松氏は動画で巨人戦での完封後に星野さんからもらったプレゼントや、春季キャンプ中に星野さんから罰金をとられた話についても語っている。
今回の動画を受け、ネット上には「プレーに支障が出るほどの暴力はヤバい、指導や体罰の域を超えているとしか思えない」」、「イップスというよりはPTSD(心的外傷後ストレス障害)みたいな症状だな」、「山本の話も中村の話も、今なら完全に一発アウトだろう」、「常に監督のパワハラにおびえながらプレーしなきゃいけないって地獄過ぎる」、「星野監督はあまりに選手に手を出し過ぎて、助っ人から直接文句言われたって話もあったような気がする」といった反応が多数寄せられている。
「星野さんは中日を率いた計11年間で優勝2回、Aクラス8回という実績を残した監督。ただ、この間は小松氏も名を挙げた山本氏、中村氏をはじめ多くの選手に手を上げており、殴られなかったのは立浪和義氏(元中日/現野球解説者)だけだったともいわれています。また、1997年には当時チームに所属していた助っ人・パウエルが『自分がそんなに強いと思うなら、私を殴ったらどうだ』と身を挺して暴力行為を止めるよう進言したという話も広く知られています」(野球ライター)
監督生活の中では、中日監督時代が最も血気盛んな時期だったともいわれている星野さん。現球界ではまず考えられない暴君ぶりに驚いたファンも多かったようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
大久保博元氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCKa1VlSq1WwdSQWv4JFdgxg