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阪神ドラ1・佐藤が“21世紀最高記録”を塗り替える? 実戦打率4割超の逸材、村田・高山らを上回るためのカギは

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高山俊

 2月1日に始まった春季キャンプも終盤に差し掛かり、対外試合も本格化している球界。各球団が3月26日に予定されるセ・パ同時開幕に向け着々と準備を進める中、期待の声が高まっているのが阪神ドラ1・21歳の佐藤輝明だ。

 4日の紅白戦で実戦デビューした佐藤は初戦こそ「3打数無安打」と快音は聞かれなかったものの、その後は出場した紅白戦・対外試合で7試合連続安打をマーク。23日DeNA戦で「2打数無安打」に終わり連続安打はストップしたが、ここまでは「9試合・.424・2本・8打点・14安打」と打率4割超えの成績をマークしている。

 打率に加え、本塁打、打点でも出色の数字を残しているため、シーズンでの活躍を期待する声も高まっている。もちろん、シーズンの数字がどうなるかは開幕してみないと分からないが、21世紀以降の大卒1年目選手がマークした各部門の最高記録を塗り替える可能性も決してゼロではない。

 >>阪神ドラ1・佐藤、スゴいのはパワーだけじゃない? 折れたバットで“フェンスオーバー”は意味深練習の成果か<<

 21世紀以降の大卒1年目ルーキーの最高打率は、2016年に楽天・茂木栄五郎がマークした「.278」。2015年ドラフトで3位指名を受け入団した茂木は、オープン戦で2打席連続本塁打をマークするなど結果を残し、同年3月25日の開幕戦・ソフトバンク戦では「6番・遊撃」で開幕スタメン入り。「4打数無安打」に終わったが、翌26日のソフトバンク戦でプロ初安打となる三塁打をマークした。

 その後の茂木は接触プレーによる右手裂傷で同年6月27日に一軍登録を抹消されるアクシデントがあったものの、同年8月4日の一軍復帰後は遊撃レギュラーとしてプレー。新人王には選ばれなかったが、「117試合・.278・7本・40打点・118安打」といった好成績をマークした。なお、茂木は2017年以降も楽天で主力としてプレーしているが、2020年は「73試合・.301・7本・33打点・83安打」とプロ入り後初めて出場試合数が100試合を割り込んでいる。

 本塁打部門で21世紀最高記録をマークした大卒ルーキーは、2002年ドラフトで自由獲得枠で横浜(現DeNA)に入団した村田修一。大学通算20本塁打の長距離打者で、OP戦では1本にとどまったものの開幕一軍入りし、同年3月28日の開幕戦・阪神戦9回表に三塁の守備固めとしてプロ初出場。4月1日の巨人戦で「7番・二塁」としてプロ初先発しプロ初安打をマークすると、同月2日・巨人戦でプロ初本塁打をマークした。

 シーズン序盤は二塁、中盤以降は三塁で出場機会を得ていた村田だが、9月28日・ヤクルト戦で死球を受け右手を骨折。これによりプロ1年目のシーズンは終了したが、それでも「104試合・.224・25本・56打点・74安打」と大いに長打力を見せつけた。村田はその後NPBで通算360本塁打をマークした後、BC・栃木でプレーし2018年限りで引退。2019年からは現在まで巨人で一・二軍コーチを歴任している。

 2015年ドラフト1位で阪神に入団し現在もプレーする高山俊は、21世紀の大卒ルーキーでは最多の打点をマークしている。高山はプロ入り前の故障の影響で2016年春季キャンプは二軍スタートだったが、同月下旬の一軍昇格後は金本知憲監督(当時)が積極的に実戦で起用。OP戦で3割超えの打率を記録したこともあり、3月25日の開幕戦の中日戦で「1番・左翼」として開幕スタメンに抜擢された。

 この試合でプロ初安打、翌日の試合でプロ初打点を記録した高山は、その後のシーズンでも主に上位を担い「134試合・.275・8本・65打点・136安打」をマーク。この活躍でセ新人王にも選ばれたが、翌2017年以降は2016年を上回る成績は残せておらず、昨季は「42試合・.152・0本・3打点・7安打」と打率が2割にも満たなかった。

 それぞれの部門の記録保持者はいずれも開幕一軍を果たした上、開幕戦に出場しプロ1年目をスタートさせている。現在首脳陣へ猛アピールを続ける佐藤も、まずは開幕一軍、開幕戦出場を果たすことが記録挑戦への最低条件だといえるだろう。

 また、以上の3名は全員100試合以上に出場した結果の記録樹立となっている。出場機会が得られなければ当然記録を伸ばすこともできないため、佐藤はまず序盤に結果を出し、中盤・終盤で多少の不振に陥っても首脳陣が我慢してくれるよう信頼を得ておく必要がありそうだ。

 佐藤はここまでの実戦で広島・森下暢仁、DeNA・大貫晋一ら他球団のローテ投手からもそれぞれ安打を放っている。レギュラーに定着できれば3部門の記録はいずれも十分射程圏内だといえるが、果たして今後も好調を維持してシーズンに臨むことはできるだろうか。

文 / 柴田雅人

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