>>巨人・阿部二軍監督がドラフトで試される?「1位は外野手」上層部の意向に秘められた課題とは<<
今回の動画で大久保氏は、現役時代巨人(2001-2019)一筋で活躍した41歳の阿部をテーマにトーク。その中で、緊張や不安などの理由により自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害“イップス”を巡る、阿部との知られざるエピソードを語った。
現役通算で「2282試合・.284・406本・1285打点・2132安打」といった数字を残し、2012年には首位打者(.340)、打点王(104打点)を獲得するなど強打の捕手として鳴らした阿部。だが、プロ1年目の2001年にはファン・マスコミからの批判が原因でイップスを発症しており、当時同僚だった元巨人・上原浩治氏から精神面の助言を受けるなどして克服したことを過去に明かしている。
動画内で具体的な詳細は明かされていないが、楽天一軍監督を務めていた2015年のチームにイップスに苦しむ若手選手がいたという大久保氏。何とかしてやりたいという思いでイップスの経験がある阿部に電話し、「(イップス克服の)やり方、方法はあるの?ちょっと(若手選手に電話)代わるから教えてやってくれ」と頼んだという。
大久保氏の頼みを快諾した阿部は、その若手選手にイップス克服の方法を伝授。具体的には、「ボールを地面に思い切りたたき付けて、手からボールが離れる状態を思い出させる」、「指を(ボールに)かけて投げる(感覚を養うため)スライダーの練習をする」という2つの方法を若手に教えてくれたという。
阿部から教わった方法を取り入れた結果、その若手選手はイップスを克服することができたという。今回明かした一件も含め、大久保氏は「慎之助には(こういった)優しさもある」と語っていた。
大久保氏はこの他にもプロ入り前の阿部のプレーを見て持った印象や、今シーズンから転身している指導者生活で気をつけるべきことなどについて動画内で語っている。
今回の動画を受け、ネット上には「リーグは違うけど、ライバルチームの選手に手を差し伸べる姿勢は凄いな」、「スライダー投げろって方法は興味深い、確かに指先の感覚を鍛えるためには理に適ってそう」、「当時の阿部はもう球界のスターだったから、『あの阿部さんが教えてくれたんだから間違いない』って感じでメンタルへの好影響もあったのかな」、「イップスの選手って誰なんだろう、デーブ時代だと銀次とか福田(将儀/2017年限りで退団・引退)にイップスの噂が立ってたけど」といった反応が多数寄せられている。
親身なアドバイスで楽天の若手の選手生命を救った阿部。敵チームの選手とはいえ、同じ境遇の選手を放っておけなかったのかもしれない。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
大久保博元氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCKa1VlSq1WwdSQWv4JFdgxg