今回の動画で大久保氏は、2013~14年に楽天で務めた二軍監督の役割や指導法をテーマにトーク。その中で、13年のドラフトで2位指名を受け入団した内田を巡り、一軍の星野仙一監督と意見を交わした知られざる育成計画の詳細を明かした。
具体的な日時は不明だが、2014年の開幕前に星野監督と同シーズンの選手運用について話し合ったという大久保氏。星野監督は当時1年目・18歳の内田については「一軍の戦力では100%ない」と即戦力としては考えていなかったというが、大久保氏が「内田(の育成方針)はどうしますか?」と聞くと「お前はどうしたいんや」と聞き返されたという。
逆質問を受けた大久保氏は、「(長距離)バッターとして育てるから、バントはさせないし作戦も出したくないと思ってます」と内田を長距離砲として育てていきたいと回答。すると、星野監督は「それがええ。そうせえ」と全く反対せずに賛同してくれたという。
育成方針について了承を得た大久保氏は、続けて星野氏に内田を二軍戦では2番で使いたいと要望。ただ、当時の球界では2番に強打者を置くという考えはまだ一般的ではなかったためか、星野監督はこの考えについて「2番でええんか?」と疑問を呈してきたという。
そのため、大久保氏は「(1番だと)内田は先頭で出ても走れないから、足が速い子の盗塁の邪魔になる」、「(年間打席数も)1番(や2番)が例えば600打席打つとしたら、9番なんかは400打席ぐらいで(上位に比べて)少なくなってしまう」と理由を具体的に説明。これを聞いた星野監督が「よっしゃ。じゃあそれでいけ」と納得したため、大久保氏は内田を1年間2番で起用し、サインも出さずにフルスイングを徹底させたと語っていた。
大久保氏はこの他にも二軍での指導で最も意識していたことや、一軍に選手を昇格させやすいチーム作りなどについて動画内で語っている。
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今回の動画を受け、ネット上には「一軍、二軍監督同士の話し合いの内容をここまで詳しく聞いたのは初めて」、「綿密に計画を立てて育成している事がよく分かる裏話だ」、「育成方針は一軍監督の意向に二軍監督が従うものだと思ってたけど、逆に二軍監督の意見が反映されているのは珍しくないか?」、「星野さん意外と聞き分け良いな、それだけ大久保さんに信頼を置いてたってことなんだろうか」、「どれだけ話し合って行動しても頭角現すかは分からないから育成は難しいな」といった反応が多数寄せられている。
今回名前が挙がった内田は2018年に12本塁打をマークするもそれ以外に目立った実績はなく、今シーズンも「.172・5本・18打点」と苦戦している。首脳陣の期待が必ずしも結果につながるわけではないということもまたプロの厳しさなのかもしれない。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
大久保博元氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCKa1VlSq1WwdSQWv4JFdgxg