>>阪神、今オフ“阪神ファン”の大野を獲得?ドラフト戦略で好感触も、上層部は長年の「悪癖」を危惧か<<
2019年のドラフトで2位指名を受けチームに入団した19歳の井上は、開幕から二軍で61試合に出場し「.220・8本・32打点・49安打」といった数字をマーク。13日終了時点で本塁打・打点で2冠と結果を残したこともあり、14日に自身初の一軍昇格を果たした。
そして、井上は同日の中日戦に「7番・右翼」で起用され、球団の高卒新人野手では川藤幸三(1968年)以来52年ぶりとなるデビュー戦での先発入り。中日の左腕エース・大野雄大の前に3打数無安打に終わったが、プロとして大きな一歩を踏み出した。
井上の一軍デビューについて、複数の球団OBが出演するTV番組やメディア上でコメントしている。同日放送の『プロ野球ニュース 2020』(フジテレビONE)に生出演した元阪神・池田親興氏は、番組内で「将来的には4番を打てる力のある選手なので、一番最初にすごい投手から入ったのはいいと思う」とコメント。同戦で完封勝利を挙げ防御率リーグトップに躍り出た大野がデビュー戦の相手だったことは、トップ選手との実力差や今後の課題を把握する上で活きるのではと指摘した。
元近鉄・金村義明氏は、15日の『スポーツ報知』(報知新聞社/電子版)の記事内で「球界NO1左腕・大野雄と初対決で一番速い直球にタイミングを合わせて振り切っていた。それはなかなかできることじゃない」、「井上は今後も安打をほしがらず、きょうのようなスイングを貫くべきだ」とコメント。目先の結果を求めヒットを狙うのではなく、今後もフルスイングを貫いてほしいと期待を寄せた。
同戦の井上については、ネット上にも「ヒットは打てなかったけど思い切り良くスイングしてて良かった」、「負けはしたけど、ここ最近の試合では一番ワクワクした」、「大野相手じゃ打てないのも仕方ない、首脳陣はこれで見限らず明日以降も井上を使ってほしい」といった反応が多数寄せられている。
試合後、「同じような空振りをしているので、そこはもっと練習して対応できるようにしていかないといけない」と反省したことが伝えられている井上。デビュー戦で味わった悔しさを今後の糧にできるだろうか。
文 / 柴田雅人