>>阪神首脳陣に「いらんことせん方がいい」岡田元監督が苦言も、「1点でも多く取りに行くのは当然だろ」反発相次ぐ<<
「新型コロナの感染者を再び出してしまい、チームの雰囲気も悪かったんです。そういうモヤモヤを一掃するような快勝でした」
阪神OBのプロ野球解説者の評価だ。
そんな阪神に、今オフ激震が走りそうだ。
タイガースの親会社、阪急阪神ホールディングスの角和夫代表取締役会長兼グループCEOが関西系メディアの要請に応じ、「チームの今後」について意見を述べた。
野球のことは“部外者”としながらも、「敗因を明確に」と例年以上に厳しい分析が必要とし、コロナ感染者を出してしまったことにも苦言を呈していた。
「春先、9月の集団感染の両方を指して、会食の人数制限などのルール違反があったことを嘆いていました。さらに、ルール違反が起きてしまう組織の甘さ、管理態勢の見直しも訴えていました」(前出・同)
野球、阪神の報道において、角氏は“初登場”のはず。親会社がタイガースの優勝を願うのは当然だが、念頭に入れておかなければならないのは、角氏の経歴だ。氏は阪神グループではなく、「阪急の出身」なのだ。阪急と阪神が経営統合されてから、すでに14年が経っている。阪急が現オリックスバファローズの前身・阪急ブレーブスを経営していたことは説明するまでもないだろう。
「タイガースのフロントには阪急出身者もいます。でも、オーナー、球団社長などの要職は阪神出身者で固められ、阪急側もそれを容認し、一歩引いた立場でした」(ベテラン記者)
関西系メディアが角氏にタイガースの質問をし、氏もそれに応じたのは、何か目的があってのことではないだろうか。
先の阪神OBのプロ野球解説者がこう続ける。
「目下2位という成績に、賛否両論です。他のセ・リーグ5球団に対し、対戦成績で負け越しているのは、巨人だけ。ヤクルトとは互角、他チームには勝ち越しています。2年目小幡の成長、復調しつつある藤浪。プラス材料も多いですが、巨人対しては9年連続での負け越しで、チームの失策の多さは相変わらず。矢野采配をどう評価すべきか、詳細な分析をしていく必要がある、と」
現時点では憶測の域を出ないが、中日・大野雄大がFA権を行使すれば、「京都府出身、少年時代は阪神ファン」と“トラ優勢”になるという。また、大学屈指のスラッガー・佐藤輝明内野手(近大)も「阪神ファン」と伝えられている。FAでナンバー1左腕を獲得し、ドラフトで意中のスラッガーを引き当てたら…。近年の阪神のオフは大型補強で盛り上がって、ペナントレースの敗因など忘れてしまう、そんな感じだ。角氏はそんな現状を憂いていたのかもしれない。(スポーツライター・飯山満)