問題となっているのは、「5-1」と阪神4点リードで迎えた7回裏1死一、二塁での発言。この回、阪神は巨人3番手・堀岡隼人から1点を奪いなおも1死一、二塁のチャンスを作ったが、ここで一塁走者・高山俊、二塁走者・荒木郁也がダブルスチールを敢行。巨人捕手・大城卓三はどちらの塁にも投げることができず、1死二、三塁とチャンスはさらに拡大した。
しかし、この重盗について岡田氏は「あんまりいらんことせん方がいいですね」、「この点差で7回で走るのはちょっとね、僕はあんまり好きじゃないですね」とコメント。球界には大差でリードしているチームは試合後半のバントや盗塁を慎むべきという不文律があるが、この重盗はこれに反するのではないかと阪神首脳陣に苦言を呈した。
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岡田氏は続けて、「メジャーではこれ危ないですよ。(打席の)坂本(誠志郎)はね」と、メジャーでは報復行為を受けても仕方ない采配だと指摘。実際に坂本が報復行為を受けるようなことはなかったが、終始重盗に不快感をあらわにしていた。
岡田氏の発言を受け、ネット上には「どこがいらんことなんだよ、勝つために1点でも多く取りに行くのは当然だろ」、「首位巨人相手の5点差は別にセーフティーリードじゃないぞ」、「今シーズンは巨人相手に1番点取られてる(91失点)から念には念を入れるのは普通では?」といった批判が多数寄せられている。
一方、「監督時代から一貫して不文律破りに厳しいよなこの人」、「10年前と全く同じ考えだな、ある意味筋が通ってると言えるのかもしれない」といったコメントも複数見受けられた。
「今回“不文律破り”への苦言が物議を醸している岡田氏ですが、実はオリックス監督時代の2010年6月4日阪神戦の後にも同様に苦言を呈した過去があります。同戦では阪神が5点リードの7回裏1死一、三塁の場面で二盗を仕掛け成功させましたが、この采配に岡田氏は『(阪神は)やってしまいましたなあ』、『こっちは負け認めたってんのになあ。なんで走るんやろなあ』と怒り。実際に行うことはありませんでしたが、『明日も試合あんのになあ』と報復行為を示唆するほどでした」(野球ライター)
今回重盗を仕掛けた理由について、試合後矢野燿大監督からのコメントは特に伝えられてはいない。ただ、どのような理由があるにせよ、岡田氏にとっては理解できない采配だったのかもしれない。
文 / 柴田雅人