>>前編:<実録!不倫カップルの顛末>不倫男を独り占めしようとする女たちの醜い争い<<
「女の名前は、Y美。待ち合わせのカフェに着くと、すでにY美がいて、こっちに向かって手を振りました。席に座ると、“何飲む?”とメニューを差し出され、“就活はどう?”と世間話をされました。こっちは争うつもりで来ていたので、ちょっと拍子抜けでしたね。
そこで、“そんな話をするために呼んだんですか?”と尋ねると、フッと笑ったんです。“実は結婚するの”と思いがけない告白をされました。以前から好意を抱いてくれている男性がいて、今回の私との一件を相談したことで距離が縮まり、交際を決意したと。“K介とはもう会わない”と言いました」
全面対決の呆気ない幕切れ。勝利を手中に収めたものの、紗耶香さんはどこか物足りなさを感じたそうだ。そんな中、新たな火種が見つかる。
「K介とホテルに行った時でした。彼がお風呂に入っていて、テーブルの上に財布が置きっ放しにされていました。何気なく、開いて見てみたんです。すると、電車のチケットが入っていました。それが2枚。行先は、以前に私が連れ行ってもらった温泉地でした。
けど、そんな予定は私に告げられていませんでした。相手は私じゃない。奥さんとも思えない。女だ…と察しました。そこで、自分の中で何かがカッと熱くなる感覚がありました。追いかけて邪魔してやろうと思ったんです。でも、思い出したんです。以前、私が連れて行ってもらった時、Y美が同じことをしていたのを。怖くなりましたよね。それでもしばらくは彼にしがみついていたんですが、長くは持ちませんでした」
結局、紗耶香さんは自分から身を引いたんだそう。当時を振り返り、不倫をした理由について、「就職活動という現実から目を逸らしたかったのかも」と語った。
文/恋愛ライター・塚田牧夫
写真/Image Genie