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「野球人生が終わった」広島・鈴木が絶望! 緒方監督も悲痛、フェンス激突が招いたキャリア最悪の負傷劇

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鈴木誠也

 16日に神宮球場で行われたヤクルト対DeNAの一戦。試合は「3-2」でヤクルトが勝利したが、試合結果以上に話題となったのがヤクルト・上田剛史が見せた気迫の守備だった。

 注目のプレーが飛び出たのは「3-2」とヤクルト1点リードで迎えた9回裏2死。打席に入っていたDeNA・山下幸輝が左翼ボール際へのファールフライを放つが、7回表から途中出場していた上田は右足からフェンスに飛び込み激突しながらこの打球をダイビングキャッチ。激突の衝撃で右足首を痛めたのかしばらく起き上がれなかったが、その後宮出隆自コーチにおんぶされながらベンチに戻りナインと笑顔でハイタッチを交わした。

 捨て身の守備でチームの勝利を決めた上田に、ネット上には「これは凄い、超ファインプレーだ」、「怪我が心配だけどこのダイビングキャッチは感動した」といった反応が多数寄せられた。一方、一部では「鈴木の大怪我を思い出してゾッとした」、「鈴木みたいに長期離脱とかならなければいいが…」といったコメントも見られた。

 名前が挙がっている26歳の鈴木誠也は、2013年のプロ入りから広島でプレー。今シーズン「.300・18本・48打点」といった数字を残しているチームの看板打者だが、過去にフェンス激突でシーズン絶望となる大怪我を負ったことがある。

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 2017年8月23日、横浜スタジアムで行われた広島対DeNAの一戦。当時プロ5年目・23歳の鈴木は、同戦前までに「.299・25本・89打点」といった数字を残すなど4番打者として活躍。「4番・右翼」でスタメン出場した同戦も、初回に26号ソロを放つなど好調だった。

 その鈴木をアクシデントが襲ったのは、「5-0」と広島5点リードの2回裏2死。ここで打席に立ったDeNA・戸柱恭孝が右翼フェンス際に大きな当たりを放つが、鈴木はこの打球をダイビングキャッチ。両足で地面に着地すると同時にフェンスに激突し倒れ込むも、グラブからボールを放すことはなく見事アウトとした。

 ところが、上体を起こした鈴木は右足首を押さえると、再度地面にうずくまり動けなくなってしまう。この様子を見てトレーナーと共に駆け付けた河田雄祐コーチはすぐに担架を要請し、鈴木はそのまま負傷交代となってしまった。

 チームが「6-7」で試合に敗れるが、鈴木は試合中にトレーナー付き添いの下、横浜市内の病院へ直行。移動時に報道陣に対し「大丈夫っしょ。今までありがとうございました」と冗談を口にしたことが伝えられたため、この時点では軽傷にとどまるのではとの見方もされていた。

 ところが、鈴木は病院で検査を受けた結果「右脛骨内果剥離骨折」と診断され、翌24日に一軍登録を抹消。その後29日に手術を受けるも全治3カ月の重傷だったため、同年はその後試合に出場することはできなかった。

 その後チームはセ・リーグ2連覇を果たすも、CSファイナルでDeNAに敗れシーズン終戦。23日の試合後に緒方孝市監督は「うちはこういう時こそもう1回、チーム一丸となってひとつになって戦っていく」と語っていたが、結果的には鈴木の離脱に泣かされる形となった。

 鈴木は後年、負傷当時の状況についてメディアのインタビューなどで明かしている。鈴木によると、着地の瞬間に「ブチッ」という音が聞こえたといい、その後襲ってきた激痛に「野球人生が終わった」とまで思ったとのこと。また、手術を受ける際も「本当に元に戻るのかな」と大きな不安を抱いていたという。

 それでも、鈴木はオフシーズンのリハビリを経て2018年3月30日の開幕戦で219日ぶりに公式戦に復帰すると、同年は「.320・30本・94打点」といった成績を残しリーグ3連覇に貢献。翌2019年はチームが4位に沈む中、「.335・28本・87打点」で自身初の首位打者を獲得するなど活躍を続けている。

 鈴木ばりのプレーを見せた上田は、試合から一夜明けた17日に一軍登録を抹消されている。怪我の程度については不明だが、長期離脱をしいられるレベルでないことを願うばかりだ。

文 / 柴田雅人

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