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「ここで死ぬ」刃物を出してわめく、勝手に委任状を作る…給付金を巡る犯罪

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画像はイメージです

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が発令された4月、政府は日本国民全員に特別定額給付金として10万円を給付することを表明。一部野党からは「意味がない」などと批判も上がったが、なんだかんだ恩恵に預かった人は多かったと言える。
 降って湧いた10万円を欲しさに、犯罪を重ねる人物が続出。そんな事例を振り返ってみよう。

 ​>>48歳男、給付金10万円を受け取ったのに「対応が遅い!」「火を点ける」と脅して逮捕 不可解な行動に違和感<<​​​

・市役所に刃物を持って押し入る
 5月13日、千葉県松戸市の市役所で、39歳無職の男が特別定額給付金の担当室を訪れ、「3、4日食べてない。今すぐ10万円くれ」と要求。職員が「今すぐには渡せない」と答えると、包丁を出し、「今すぐ金をもらえないならここで死ぬ」と叫んだ。
 別の職員が警察に通報し、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕される。後に男は鬱病を発症し生活保護を受けており、10万円を当てにして金を使いすぎてしまい、4日間コーヒーのみで空腹をしのいでいたことが判明している。この事件については、男に対する批判がある一方で、職員側も「男の事情を聞くべきだったのでは」と批判が上がった。

・勝手に委任状を作って独り占め
 5月、京都府京都市右京区に住む38歳無職の男と、交際相手である無職の45歳女が、親族の給付金を独り占めしようと勝手に委任状を作成。そして、「個々に振り込むように」と女の口座番号を書き入れ、国に振り込ませようとした。
 この姑息な行動は親族にバレており、警察に相談が入り、2人は6月1日に詐欺未遂などの疑いで逮捕された。

・10万円を振り込むためにカードを変更する必要がある
 6月29日、広島県で、市職員や銀行員を装った2人の男が、77歳の女性に対し、電話で「カード番号を教えてほしい。カードを変更する必要がある」などと話し、同日女性宅を訪れカードを詐取した。
 その後、女性は近隣住民に事態を話し、詐欺の可能性を指摘される。直ちに金融機関を通じて通報したが、50万7000円が引き出されていた。2人の男は同様の手口で7月1日に詐欺の疑いで逮捕されており、余罪が発覚した形。このように特別定額給付金に便乗した詐欺被害は各所で起きているものと見られている。

 一部から無意味などと揶揄された特別定額給付金だが、「欲しい」と感じた人はかなり多く、関連した犯罪も多数発生した。金には人間を変えてしまう魔力がある。

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