男は25日午前中に市役所を訪れると、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の特別定額給付金を早く支払うよう要求。さらに職員に対し、「申請しているのだから早く支給しろ」と話し、午後自宅に来て状況を説明するよう求めた。
古河市の職員はこれに応じ、男の自宅を訪問。その際、迅速に支払われないことに憤りを見せると、右手にナイフ、左手にはさみを持ち、「給付金を早く持ってこい」と恫喝。銃刀法違反と職務強要の疑いで逮捕された。
警察の取り調べに対し、男は「刃物は持っていたけれど、刃物を使って脅してはいない」と容疑を否認しているという。
今回のような、新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の特別定額給付金を「早く支給しろ」と訴えるシーンは今月13日、千葉県松戸市でも発生している。この事件では、39歳の無職男が市役所を訪れ、「3、4日何も食べていない、今すぐ10万円給付してほしい」と要求し、断られると持参した包丁を振り回し、「今すぐ金をもらえないならここで死ぬ」と叫び、銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されたのだ。
いずれの事件も、無職の男性が10万円の給付を求め役所に掛け合い、断られると暴れる事件。「元々生活に困窮していて、コロナをダシに金を要求しているのではないか」「コロナなんか関係ないんじゃないの」と憤る声もあるが、その一方で「10万円がいつ給付されるのか具体的に全然わからない」「当てにしている人もいる。申請したのにいつまで経っても支給されないのでは、不満に感じるのは当然では」と、「政府が支給時期などを明確にしてないことが原因ではないか」と指摘する声は多い。
具体的に「いつ支給されるのか」については、役所の職員も認識していない可能性が高い。政府が明確にしていく必要があるのではないか。