男は10日午前11時50分頃、福岡市西区の区役所で、大声で叫びながらカウンターを叩く、止めに入った男性職員の手を叩くなどした。男は容疑を認めているという。60代後半の男性がこのような行為に出るとは驚きである。
なぜこのような態度を取ったのか。その理由は、新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態宣言下に決定した、1人10万円を支給する特別定額給付金だ。男は5月27日に申請書を郵送したそうで、迅速に振り込まれないことに激昂。10日に市のコールセンターに連絡したが繋がらないため、区役所を訪れたのだという。
ここで男は職員に対し、「お前らが電話しろ」などとコールセンターに電話が繋がらないことを咎める。区側がこの要求を拒否したため、テーブルを叩く、職員の手を叩こうとする、「区役所の職員はクズ」と叫ぶなどの行動に出たとのことだ。
このような事件は昨今相次いでおり、5月27日には神奈川県横浜市で69歳無職の男が「戸籍筆頭者ではない自分の手元には給付金が届かない」などと質問を重ね、突然、対応した市の職員の顔面を殴る事件が発生。
また、5月28日には茨城県古河市で特別定額給付金の申請をしながら支給されないことに憤った47歳無職の男が自宅に市の職員を呼びつけ、早急に給付するようナイフを持ち脅迫する事件も起きている。さらには、詐欺事件なども横行しており、10万円を巡り、日本国民が踊らされている。
新型コロナウイルス感染拡大によって、生活が困窮する人を救済する意味で実施が決まった特別定額給付金。国民にとってはありがたい話だろうが、未だに申請書すら届いていないケースや、申請後具体的な給付時期が通知されず、憤る国民は多い。
申請から給付までの期間を明確化出来ない現状では、同じような事件が起こってしまうだろう。