本動画で斉藤氏は、自身が現役時代に苦手としていた打者を1~3位までランキング形式で紹介。そのランキングの1位にNPBで「.286・464本塁打・1269打点・1792安打」といった数字を残し、“史上最強助っ人”との呼び声も高いローズの名を挙げた。
ローズの印象について、斉藤氏は「(対戦するのが)もう嫌だった。(体格が)大きな打者なのにバットコントロールがうまいし選球眼もいい」と投球に対するミート力、対応力が優れていたと発言。
続けて、「カウントの状況によって、球種・コースを自分の中で決めて打ってくるような(打者だった)。読みが外れたら全然違う(球種・コースの球に)大きな空振りをしてしまうくらい、狙っている球種・コースをはっきり決めてスイングをしてくる怖さもあった」と、バッテリーの配球を読んでスイングするいわゆる“読み打ち”にも苦しめられたと語った。
また、当時自身とバッテリーを組んだ捕手・城島健司(現ソフトバンク球団会長付特別アドバイザー)からは、ローズに球種・コースを読まれないように「はじめから(本当の)コースには構えない。一度別のコースに構えてから、最後に(本当のコースに)構えるから対応してくれ」という指示もあったという。
ただ、斉藤氏としては投球の際に的、目標物となる捕手のミットが、あちこちに動く中で投げるのは難しかったとのこと。また、こうした対策を講じても「チーム(の投手陣)は全体的に打たれてたし、自分も対戦成績は毎年良くなかった」という。
今回の動画を受け、ネット上には「来た球を思い切りスイングしてるかと思ったら、意外と考えながら打ってたのか」、「確かに何でそこ振った?って感じのスイングはよく見た記憶がある」、「城島の対応は凄く苦肉の策って感じがする、ミット動かすから逆に投手のコントロールが乱れたんじゃないの?」、「沢村賞投手の斉藤がここまで言うんだから、他にもローズが一番苦手だったって投手はかなりいそう」といった反応が多数寄せられている。
現役時代にダイエー・ソフトバンク(1996-2013/2011-2013はコーチ扱い)で活躍した42歳の斉藤氏と、NPBでは近鉄(1996-2003)、巨人(2004-2005)、オリックス(2007-2009)でプレーした51歳のローズ。両者は1996~2003年、2007~2009年にかけパ・リーグで、2005年には交流戦でしのぎを削っている。
NPB時代に本塁打王を4回(1999,2001,2003-2004)、打点王を3回(1999,2002,2008)獲得するなど強打者として名をはせたローズ。沢村賞2回(2003,2006)をはじめ数々の投手タイトルを手にした斉藤氏でも、抑え込むことは非常に難しかったようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
斉藤和巳氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCPZTIne5_lbA02WroeXhJtQ