同日、長らく延期が続いていた今シーズンの開幕が6月19日に決定。阪神を含めた各球団の選手たちは、開幕に先立ち6月2~14日に予定されるオープン戦・練習試合(4カード12試合程度)で急ピッチの調整を行い開幕へ臨むことになる。
阪神野手陣の調整について、桧山氏は「野手は何打席か立てば『自分が思っていたものとこんなに感覚が違うんだな』というのはすぐに分かるので、球のスピード、キレに対応するのは早いと思う」と野手は問題ないのではと分析した。
ただ、ボーアやサンズといった新助っ人野手については「初めて対戦する投手が多いので、その研究材料をオープン戦で集めないといけなかった。でも、それが閉ざされてた部分があったので」と懸念。2月16日から3月15日まで行われた今季のオープン戦では、無観客試合の影響でスコアラーの活動が制限された試合もあったとされるが、この点で生じる情報不足に来日1年目の新助っ人は特に苦しむのではと考えているようだ。
また、投手陣については「試合を通じて投げる球数(の不足)があるので、(実戦の)最初の方は完投ではなく少しずつイニングを伸ばしていく形になるかもしれない」と先発投手の不安材料を指摘。先発は野手と違い登板間隔を考慮する必要があり、オープン戦・練習試合では2試合程度しか登板できないとみられるため、「シーズンが始まっても、そんなに急にはイニングを投げられないのでは」と推測した。
以上の理由から、中継ぎが豊富なチームはシーズンを有利に戦えるのではないかとした桧山氏。「先発陣に(中継ぎ)経験者も多いので、阪神は(好成績が)あるんじゃないか」と期待していた。
今回の放送を受け、ネット上には「毎日試合出れる野手と違って投手は登板数が限られるから調整キツイだろうな」、「情報不足は他球団の新助っ人も同じことだからあまり気にしなくてもいいのでは?」、「最初の方は中継ぎ多めに登録して、先発の状態が整うまで継投で乗り切るのがいいのかも」、「中継ぎ勝負なら確かに阪神に分がある、去年は両リーグトップの数字だったし」、「投手はどの球団も登板過多になるだろうから、疲れたところを打線が狙い打てれば優勝争いいけそう」といった反応が多数寄せられている。
昨シーズンの阪神は中継ぎ陣のチーム防御率が「2.70」と12球団で唯一となる2点台となっており、島本浩也(63試合/防御率1.67)、岩崎優(48試合/防御率1.01)、藤川球児(56試合/防御率1.77)といった選手たちが活躍。また、ガルシア、スアレス、中田賢一など中継ぎ経験を持つ先発も複数名抱えている。
開幕がずれ込んだ影響で、通常の143試合ではなく120試合程度になるとされる今シーズン。日程が詰まっているため例年以上に連戦も多くなることが予想されるが、豊富な中継ぎ陣を持つ阪神は戦いを有利に進めることはできるだろうか。
文 / 柴田雅人