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阪神・藤浪に「いよいよ復活」の声も、矢野監督は助っ人に期待? 今シーズンは投手より野手がカギか

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藤浪晋太郎

 試合数が減る以上、開幕ダッシュに成功したチームが優位になる。先発投手よりもセットアッパー、投手よりも野手。そんな異例のペナントレースになりそうだ。

 去る5月24日、甲子園球場で阪神タイガースの全体練習が行われ、藤浪晋太郎がシート打撃に登板した。打者5人に対し、4奪三振。ようやく、復活か? 矢野燿大監督は「躍動感があった」と称賛していたが、懐疑的な声も聞かれた。

 「ストレート中心。変化球でストライク・カウントが取れていたら、先発ローテーション入りも見えてくるんですが」(球界関係者)

 矢野監督を“藤浪の好投”以上に喜ばせたのは、左肩の故障などで出遅れていたオネルキ・ガルシア投手が復活の兆しを見せたことだった。

 「強めのキャッチボールをしていました。そのガルシアは『中継ぎをやってもいい』と球団を介してコメントしていました」(在阪記者)

 この「中継ぎ」発言は、意味が深い。矢野監督の構想はすでに固まっている。わずかの望みに賭け、先発ローテーション入りを狙うよりも「チームに貢献する方法」を口にしたわけだが、

 「6月19日の開幕戦決定は、正式発表を待つばかりです(同時点)。遠征を極力無くす、そのため同一カードが続くなど、ペナントレース開催に向け、ウイルスの感染防止策も確認されています。どうも、そういう条件を聞きながら、各球団とも『試合日程表』を作っています。阪神は関東地区で序盤戦を戦いますが、2週間で12試合強を消化することになりそう。8月も9連戦が2回続くかも」(前出・関係者)

 なんて情報も聞かれた。

 ガルシアはこうしたハードな日程を聞かされていたのだろう。連戦となれば、カギを握るのは先発投手よりも中継ぎ陣だ。

 「阪神の日程だけが連戦になるわけではありません。NPBでは一軍登録の選手数を増やす案も出ていますが、投手を大量に登録することはできません。タフな中継ぎがいるチームが有利です」(前出・同)

 一軍登録は29人(ベンチ入りは25人)。うち投手は11~12人だ。仮に今年は1人増えて30人となっても、中継ぎタイプの投手を1人足すだけで、あまり効果はない。一軍登録される投手の11~12人のうち、6人は先発投手なので、登板しない5人は使えない。1人の先発投手と5~6人の中継ぎ投手で試合を回していかなければならない。だから、中継ぎ投手の存在が重要であり、ガルシアは連投も可能なタイプだ。

 「野手がカギを握ると見る監督もいました。投手はどの球団も登板過多になるので、打ち合いを制したチームが勝つ、と」(前出・同)

 藤浪の直球は重量感もある。先発したら、打者2巡目あたりから四球を連発して崩れていく。試合数の少ない今季は中継ぎをやってくれたら、活躍してくれるのではないだろうか。そういう意見もチーム内にあるそうだ。ガルシアのように「試合に出られるのならどこでもいい」という、柔軟な発想も必要だ。(スポーツライター・飯山満)

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