この期間に「前日の夜にしっかりと次の日の計画を立てる」ことを念頭に置き、「なんとなく1日を過ごす」ことを防ぎ、時間の有効利用を図る。
昨年の開幕時点では、厳しい外野手争いに敗れるような形となり2軍スタート。4月下旬からは最後まで1軍で躍動したが、「年間を通じて高い水準でパフォーマンスを発揮するために」と、オフにはアメリカに渡りトレーニングを敢行。オープン戦でも3割を超える打率を残し、練習試合でもスタメン起用されるなど、首脳陣の評価も上がっていた。
照準を絞っていた3月下旬の開幕は延期されたが、「モチベーションが下がることはありません。自分のスキルアップが出来る時間が増えたことをプラスに捉えています」と、ポジティブに捉える。「昨年できなかったこと」の改善をオフに掲げていたが、具体的には「スイングの精度と変化球への対応力」だったようで、「3月のオープン戦で経験した実戦感覚を元に、今は基本練習を大切にして、短期間でも集中する」ことを大切にしているようだ。
自宅にいる時間も増えている状況にも、「部屋で素振りするために畳を購入」し、「素足で振ることで感覚を確かめている」と工夫。「ロビンソン・カノ、クリスチャン・イエリッチ、コディ・ベリンジャーなどのMLB選手」の動画をYouTubeで研究し、コービー・ブライアント(元NBA、故人)の本を読むなど、STAY HOMEならではの時間を過ごしている。
横浜高校直属の先輩で、兄のように慕っていた筒香嘉智が今年からメジャーに旅立ったが、野球に取り組む姿勢だけではなく、「自分だけではなく周りを思いやり、感謝を忘れない気持ち」も引き継ぐ。クールな外見とは裏腹に、動物好きでボランティア活動にも取り組む優しい好青年の乙坂は、横浜高校時代から度々足を運んでいた横浜スタジアムで輝く姿をファンに届けるため、ポジティブに己を磨き続ける。
取材・文 ・ 写真/萩原孝弘