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日本人はいつから『メイド・イン・チャイナ』を気にしなくなったのか

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提供:週刊実話

 世界的企業『アップル』の商品はカリフォルニアで企画され、中国で組み立てているというのは今や常識だ。

 アップルは一部を除き、製品や部品を自社では製造していない。世界中の多様なサプライヤーの強みを組み合わせ『iPhone』や『iPad』のような商品を顧客に提供していることからすれば、iPhoneは「アメリカ製品」だとか「中国製品」というタグは、製品の性能や機能上問題にはならない。

 すでに世の中には「中国製」の製品であふれ返っている。しかし、その「中国製」が意味するところは、最終組み立て地が中国であったというだけで、その中の部材を誰がどこで作っているのか、その製品を誰がどこで企画設計しているのかとは直接的には関係がない。

 少し前は、日本にやって来た中国人観光客がユニクロの店に来店し、タグに「メイド・イン・チャイナ」とあるのを見て怒り出したという話もあったが、もはや過去形だ。

 いわゆる「中国産食材が危ない」という警告読み物にも変化が現れてきた。中国産批判を繰り広げる『週刊文春』と、国産が危ないとする『週刊新潮』が対決の様相を呈しているのもその1つだ。

 ところが今や、中国産を扱う会社でも、日本産が危ないと指摘された会社においても、お客様相談室には抗議や問い合わせの電話がほとんどかってこないという。消費者が記事に鈍感というか、無反応になっているからだ。

 1999年に発行された書籍『買ってはいけない』が大ベストセラーになって以降、周期的に中国産や食品添加物等が「危ない」という情報がちまたにあふれるようになった。

「買ってはいけない」が出版された当時、一般人はこうした情報に“免疫”がなかった。「危ない」という情報に人はお金を出す。「その情報を覚えておけば安全、安心だ」と信じられるからだ。

 だが、時代は変わった。食費を切り詰める人が増えているのが現実だ。市販の食品は概ね安全、品質もまあまあと信じないと暮らしていけない。何せ食品添加物をたらふく食べた人が100歳まで生きるという時代になり、食の安全より、老後資金の方に関心が高いご時世だ。

 なぜ日本に外国人観光客がわんさかやって来るのか考えてみよう。欧米の大都市だと、サンドイッチとコーヒーで1000円は珍しくない。香港やバンコクでもランチ1000円が当たり前になりつつある。

 だが東京では、その3分の1で牛丼が食べられる。それでも味はおいしく、店はきれいでサービスはよい。1990年代の日本は観光客にとって物価の高い国だったが、今では「安くておいしい国」なのだ。

 こうした社会の変化が、食材のルーツに対してルーズになったということだろう。

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