北京五輪初戦の米国戦(8月7日)まで10日をきった反町ジャパンはこの日、強豪アルゼンチンに、終盤反撃に打って出たところで、雷雨中止という何とも消化不良の結果に終わった。
五輪前の最終戦。選手からは試合後「負けはしたが、得たものは大きかったと思っている。あと7分あったので悔しい」(本田圭)と複雑な声が漏れたが、反町監督だけは「結果はこういう形(黒星)なので、あと1週間強をうまくコントロールしてアメリカ戦で、この2倍くらいの力強さを見せたい」と、いつも以上に強気だった。
指揮官が「サッカーは最後まで何が起こるか分からない。きょうはゲームが終わった時点で0対1という結果になったことを、しっかりと受け止めなければいけない」といつになく緊張感を崩さなかったのも無理はない。日本サッカー協会関係者が解説する。
「ここのところ西川選手(GK)が自分のブログに警告を故意に受けたって書き込んで問題になるなど、監督としては選手のスキャンダルも気が気じゃなかった。それだけにアルゼンチン戦は、良い結果が欲しかったのは間違いない。ただ、ソリさんがああやって試合後に結果、結果って繰り返すのは別の問題でしょうけどね」
いったい結果にこだわる理由とは何なのか。
「北京のグループリーグ突破のために、ソリさん(反町監督)は必死でしょう。だって、もしあのチームで決勝トーナメントに進出したら、五輪の後はその手腕を高く評価されることになります。当然、次期A代表監督の筆頭候補になってくるでしょう」(前出関係者)
思い返せば、五輪出場決定後には「われわれの目標は、まずグループリーグを突破すること」と念仏を唱えるかのごとく言い続けていた反町監督。いよいよ指揮官の“出世街道”を左右する北京五輪に待ったなしとなったが、果たして反町ジャパンにどんな結末が待ち受けているのか、要注目だ。