話のテーマは、大きく分けると3つで、ひとつめは〔ネットの匿名性〕について。
「IPアドレスの開示でネット上の追跡が可能だから、管理者がルールを決める必要はない。ネットは居酒屋の会話と一緒」、という意見のひろゆき氏に対し、勝間氏は、「サービスの提供者側が、どうあれ姓名は書く、というルールを規定すべき」と応じる。
そもそも匿名性でいいの? という勝間は、その問いかけ中、「インターネットが“シャゾウ”である」(現実をそっくり写したに等しいもの、というような意味? の「写像」なのだろうか。)と発言、すぐに反応できなかったひろゆき氏に対し、すかさず苦笑交じりに頭を垂れながら「だめだこりゃ」
これにはさすがに怒りの表情を見せたひろゆき氏。その後も、「姓名を書かせるだけで、トレースのコストが違ってくる」と反論する勝間氏だったが、これが尾をひいたのか空回り。失言は、ネット上で勝間氏が批判を浴びる結果となっている。
2つめのテーマは、〔若者の起業〕。
若い人が起業が出来ないのが今の日本の社会、という前提に、ひろゆき氏、応じず。
あくまで掘江問題や不況で若者が起業が出来ない情勢を素直にたたき台にしようとする勝間氏と、「人生経験のある人が起業したらいい」「必要なものを低コストでつくれる大企業が優秀なだけで特に問題はない」など、あえてはぐらかそうとするようにも見えたひろゆき氏とは、終始話がかみ合わなかった。結局、業を煮やした勝間から、「社会の仕組みや因果関係に、ひろゆきさん、あまり興味ない」
皮肉にも聞こえた用言止め。ネット上には、勝間氏が先に話をはぐらかす、という苦情も多く、同氏の意外? な左派ぶりにも、驚く声があった。
3つめの論題は、〔若者の幸福の尺度〕。
日本の若者の幸福度が低い、という話を種々のデータを元にする勝間氏に、「水と安全が確保されていれば幸せ」と、ここでは主観論を貫いたひろゆき氏。もはや水と油の関係か。と、勝間氏が、「夫婦喧嘩と一緒。自分が正しいことを前提に質問しあっているので、議論が先鋭的になり、またそれが先鋭に相手を誘導する。事実を踏まえて議論しないと」と白旗降参。
ここは、データの勝間氏を推す声も多かった。
結局、勝間氏の完敗、という声だけでなく、「ひろゆき氏の2勝1敗か」などと総括する声がネット上に多数あったのも、印象に残った。
同番組エンディングでは、
「社会と関わらないことが可能なら(お金があれば。)、働きたくない。友達と遊んでいたほうが幸福を感じる」と、あくまでひろゆき氏は、らしいスタンスを貫いた。対して、勝間氏は、富の再配分、という目標を標榜しつつ、「人の役に立つのも幸福の要素」とひろゆき氏を一瞥。
また「夫婦喧嘩」になるなら、もうこれで話し合わない選択も、賢明だろう。(了)