思えばモーニング娘。に入った時からずいぶん特別扱いされてた気がする後藤真希。たしかにカワイイし、当時中学生だったわりには大人っぽく。頭がよくて優等生風ながら適度な茶髪っぷりが、女子高生によるエンコー流行りだった当時、ものすごくもてはやされた。実は矢口真里や安倍なつみにくらべて、ゴマキは最初からちょっと不良っぽいキャラだった。今となっては、急死した父に代わって居酒屋を切り盛りする母を助けて弟の世話をし、アイドルになって家族のためにお金を稼ぎたいと考える少女は、そんじょそこらの同世代と比べてずっと大人だったのかもしれない。芸能人はそういう人が多いようだ。
アイドルとして順風満帆の時、弟の後藤祐樹がユウキとしてソニン、ケンとともに「EE JUMP」を結成し、後にソニンと二人組としてデビュー。非常にタレント性に優れた少年だったので、たちまち人気者に。楽しげな夏休みソング「おっととっと夏だぜ!」などは結構ヒットした。それからしばらくして、ローティーンだったユウキの2度のキャバクラ遊びが発覚して、「EE JUMP」は解散。ユウキは芸能界を引退した。普通だったらこの時点で、ゴマキの芸能活動も危ういところだが、固定ファンのいるゴマキは、そのままハロープロジェクトの一員として活動を続け、モーニング娘。の人気の衰退とともに、その規模は小さくなっていった。
そこに飛び込んで来たのが、あのお騒がせの弟が工事現場から銅線を盗んで逮捕されたというニュース。世間が何に一番驚いたかというと、かつての面影を残してはいるが、成人して2児の父になり、首に鯉の入れ墨がある現在のユウキの姿。弟がヤクザって芸能人はけっこういるが、ユウキのインパクトは大きかった。この事件後、後藤はエイベックスに移籍し、レコードレーベルを変えシングルを出したが、大して売れた記憶も無い。さらにそこに飛び込んで来たのが、母の死。不謹慎にも若すぎる後藤の喪服姿が色っぽいと話題になったが、彼女についての話題はそれぐらい。同じように不幸に母を亡くした安室奈美恵はダンスや歌、ファッションセンスを磨いて再ブレイクしたが、芸も魅力も薄いゴマキのウリはもはや「身内の不幸」と「ヌード」ぐらいしかない。そして今回の「セミヌード公開」に至るのである。
「身内の不幸」と「ヌード」の相性はあまり良くなく、見ていて可哀相と思うだけ。バストトップを隠したゴマキに、離婚して全裸をさらした細川ふみえのような潔さは感じられない。横チチなんてユウキのせいでグループ解散のあおりを受けたソニンが随分前にやっているし、現在ミュージカルを中心に活躍中のソニンの方がゴマキよりよっぽど体当たりで頑張っている。この先、出来の悪い弟の面倒を一生見なければいけないゴマキはその辺の考えも甘いのだ。ドンとお金を稼ぎたいなら、ぬるいセミヌードや「非処女宣言」がヒットに繋がるなどという、甘い考えは捨てるべきではないか。(コアラみどり)