首位・ソフトバンク、2位・日本ハムの『2強』は崩れそうにないが、3位のロッテ以下4チーム全てにクライマックスシリーズ進出の可能性が見えてきた。
「最下位の西武もブミキですよ。ソフトバンク、日本ハム、ロッテには負け越していますが、オリックスとは8勝5敗。ホームゲームの勝率は5割強。チーム本塁打『62』はリーグトップです。チーム打率は低いですが、チーム総得点はリーグ2位です。このまま終わるとは思えません」(プロ野球解説者の1人)
西武浮上を予想する声も聞かれたが、3位争いはやはり熾烈だ。
3位・ロッテと4位・楽天のゲーム差は「0.5」。4位・楽天と5位・オリックスは「1」。つまり、1つの対戦カード(3試合)で大きく順位が入れ代わる“大接戦”となっているのだ。
前出のプロ野球解説者がこう続ける。
「楽天はエースの岩隈(久志=30)が帰って来ます。岩隈が帰ってくれば、先発ローテーションもかなり楽になります。前半戦終盤、先発のラズナーをクローザーにコンバートし、巧くいったのも大きい。救援投手陣も機能しつつある」
しかし、楽天ベンチを見ていると、とても『浮上のきっかけ』を掴んだようには思えない。勝っても、星野監督は目を釣り上げ、コワ〜イ顔をしているのだ。
「星野監督が選手を油断させないよう、目を光らせている? いや、違います。星野監督はチームで浮いています」(球界関係者)
チームが連敗していたころ、星野監督はミスをした選手を罵倒し、チーム全体の覇気のなさも嘆いていた。「チキショー!」と怒鳴り捨てたこともあり、腹心・田淵幸一ヘッドコーチとも今までのように「ベッタリ」ということはなくなった。
「星野監督は成績の悪い選手たちを前に、『オフにどうなるか…』といった叱り方をしています。阪神時代のように選手を大量解雇・獲得するつもりなのか、ミーティングでもそういった発言を繰り返していました」(前出・同)
田中、永井らの先発が踏ん張り、ラズナーに繋ぐ『勝ちパターン』ができても、目を釣り上げている理由は何処にあるのか? 三木谷浩史会長の“現場関与”を指摘する声も聞かれた。
「三木谷会長の耳にも、星野監督の行き過ぎた発言は届いています。松井稼、岩村などそれなりの補強をして臨んだシーズンですし、黙って見ていられないんですよ。起業家として、大金を投じてもチームが勢いに乗れない原因を突き止めたいのでしょう。結論はまだ出ていませんが、星野監督の求心力、采配も疑われています」(同)
もっとも、楽天球団は「星野監督とは複数年契約を内々と交わしている」という。その任期は2年とも4年とも囁かれており、たとえ星野監督の采配に原因があると結論づけられたとしても、「途中解任はない」と見る向きも強い。
そうなると、考えられるのは、やはり『大型補強』だ−−。
「楽天は勝ちパターンこそできつつありますが、ミスも多く、薄氷の勝利ばかりです。星野監督が怒る気持ちも分かりますが、勝っても目を釣り上げ、ピリピリしている監督のそばになんか誰も行きたくありませんよ…」(前出・プロ野球解説者)
三木谷会長も星野監督の大型補強を「支持している」といった情報はない。むしろ、懐疑的とも見られているが、今の戦力では優勝を狙えないのは痛いほど分かったはずだ。
「打撃不振の岩村を含め、それなりの人数が解雇、放出の憂き目に遭うのでは…。ただ、戦力を補強する場合、星野監督に全てを任せることはしないはず。星野監督にすれば、これ以上の屈辱はありません」(前出・関係者)
案外、星野監督の仏頂面の真意は、同会長との関係にあるのかもしれない。(データは全て7月31日時点)