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アスレチックス・岩隈消滅で楽天・星野監督大危機

 楽天・岩隈久志とポスティング・システム(入札制度)で独占交渉権を得ていたアスレチックスとの交渉が、ついに期限切れになった。アスレチックスの応札額15億円も消滅、岩隈への来季年俸3億円を合わせ、総額18億円の大補強資金がなくなり、楽天・星野仙一監督は、大きなダメージを受け、絶体絶命の危機に直面する。

 岩隈は来季楽天に残留して来オフに海外FA権を行使して、再度メジャーに挑戦する。「岩隈が残ってくれれば、それは大きいよ」。星野監督はエース残留に関し、大歓迎のコメントをしている。岩村明憲、松井稼頭央という日本人メジャーリーガーの三遊間コンビを獲得。「これからは投手陣の補強だ」と宣言していた星野監督だけに、エース・岩隈の残留はこれ以上ない戦力補強と同じだ。
 が、実際には事はそう単純ではない。エース岩隈が残留したことで、今後の星野流大補強にはブレーキがかかってしまう。総額18億円という岩隈マネーが消えてしまえば、投手陣の補強は縮小せざるを得なくなる。抑えとして新外国人投手獲得くらいに限定されてくるだろう。しかも、岩隈が残ったことで、来季いきなり優勝を求めるファンの声は一気に高まる。

 3年契約の就任2年目で阪神を18年ぶりに優勝させた、星野流チーム大改造は出来なくなる。1年目は開幕ダッシュしながら失速して最終的には4位。「やはり大幅な血の入れ替えが必要だ」と宣言して、チームの3分の2の選手を入れ替え、2年目に優勝したあの手法は使えない。
 来季いきなりBクラスにでもなれば、銅メダルすら獲得できず、惨敗した北京五輪日本代表監督の悪夢再現になる。「監督として星野は完全に終わった」というらく印を、球界内部、世間からも押される。2年目に雪辱のチャンスなど与えられない。お得意の大補強でチーム大改造しようにも、岩隈マネーはないのだ。しかも、岩隈本人もいなくなる。八方ふさがりになる。
 「1年、1年が勝負だ。来季勝たなければダメだ」と明言している星野監督だが、実は、2年目の来季に勝負をかけようとしている本音が見え隠れしていた。

 来オフに中日監督時代の秘蔵っ子コンビ、カブス・福留孝介、ブレーブス・川上憲伸のダブル獲りの青写真を描いているからだ。1年目はとりあえずクライマックス・シリーズ出場権を確保するAクラス入り。星野監督就任前にエース岩隈のポスティングを決めた球団側、ファンも「エース岩隈がメジャーへ行ってしまったのだから、Aクラス入りなら御の字か」と執行猶予1年の期間をくれるだろう。
 そして、2年目に岩隈マネーの残りを使ってさらに補強を進め、2年目にリーグ優勝する。猛虎再生プランの再現だ。しかし、岩隈の残留ですべてが白紙に戻ってしまう。言い訳無用で1年目の来季に結果を求められることになる。「星野が北京五輪日本代表監督になったこと自体が間違っている。中日で2度、阪神で1回リーグ優勝しただけじゃないか。日本一に1度もなったことのない監督に日本代表監督が出来るわけがないだろう」。北京五輪惨敗の時に、大バッシングしたアンチ星野監督の球界OBたちは、楽天での雪辱失敗に手ぐすねを引いて待っている。「野村遺産で優勝した阪神の夢よ再びは甘い。もう星野の時代ではない」と。

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