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「10年はやりたい!」松井が移籍交渉に求める絶対条件とは…

 松井秀喜外野手(36)の代理人であるアーン・テレム氏が米ウインターミーティングの会場から姿を消した。米国人メディアによれば、「7日(現地時間)、早めに立ち去り、翌8日も会場入りが確認されていない」とのこと。この動きから察するに、松井の来シーズンの契約に見通しが立ったのではないだろうか。

 「この時期、実績の有無に関わらず、代理人は担当選手の売り込みと交渉でウインターミーティングの会場を忙しく動き回っています。球団GMも同様です。テレム氏が売り込みをしないということは、交渉の具体的な約束を取り付けたのかもしれません」(前出・米メディアの1人)
 別の見方もされている。松井に興味を示していた球団は多かったが、そのほとんどが交渉を求めていない。状況が芳しくないため、「代理人のテレム氏は作戦を練り直すため、一時的に引き上げたのではないのか?」というのだ。

 松井は『左の指名打者タイプ』として、「比較的安値で獲得できるお手頃な選手」と位置づけられている。「左の大砲を必要としている球団」も少なくなく、松井の移籍先が決まるまで「さほど時間は掛からない」とも思われていた。しかし、
 「アメリカで流れている情報では、松井が来季の契約先(球団)に望む条件がいくつかあり、それをクリアできないチームは交渉そのものを断られたようです」(前出・同)
“安売りはしない”というわけか…。現地日本人メディアの1人もこう続ける。
 「エンゼルスに残れるのなら残りたいというのが、第一希望だったようですね。我々の取材に対し、『優勝争いのできるチーム』、『自分を必要としてくれるチーム』と答えています。あまり関係ありませんが、松井夫人がロサンゼルス(エンゼルスの本拠地)での生活を気に入っているとも聞いています」
 アスレチックス、ホワイトソックス、タイガース、ロイヤルズ、レイズ、オリオールズ、レンジャーズ。そして、可能性は低いがエンゼルス残留…。ここまで、さまざまな“移籍候補”が挙げられた。テレム氏が会場入りしなかったとされる8日、マリナーズとホワイトソックスは『別の指名打者選手』と契約してしまった。従って、この時点で指名打者タイプの選手をまだ探しているのは、オリオールズ、レンジャーズ、レイズだけ。「左打者に有利な本拠地球場なのは、レンジャーズの方」(前出・日本人メディア)だが、レンジャーズ側はまだアクションを起こしていない(10日時点)。レイズはかなり前向きだが、具体的な条件提示はまだされていない(同時点)。
 「松井は複数年契約を求めているとの情報も聞かれました。30代半ばの指名打者タイプが複数年契約を取りにくいってことは本人も熟知しているはずですが」(前出・同)

 松井は、代理人のアーン・テレム氏を始め、巨人時代の知人に「10年はアメリカでプレーしたい」と語ってきた。「来季から、あと2年」である。しかし、昨年の今ごろは「1年契約でも、自身のガンバリ次第で契約を延長できる」とも考えていたそうだ。それがエンゼルスとの1年契約を受け入れた要因にもなったが、実際は厳しかった。
 「エンゼルスのマイク・ソーシア監督は指揮官として、2018年までの長期契約を保証されています。優勝争いから脱落した今季、ソーシア監督は早々に『来季以降を見据えた選手起用』にシフトチェンジし、そのため、松井もスタメンを外されました。松井はヒザの故障が完治したこと、打撃が上向きになってきたことをアピールしたかったのですが、ペナント後半での働き場所を奪われ、契約延長を勝ち取れませんでした」(前出・同)
 「1年契約の危なさ」も痛感したようである。
 複数年契約には悲観的にならざるを得ない。しかし、「優勝争いのできるチーム」との交渉が成功すれば、それは、実質2年契約を勝ち取ったのも同じことになる。
 「優勝争いをするチームなら、ペナント後半戦で若手をテスト起用することはまず考えられません。つまり、松井側から出た『優勝争いの−』発言は、ペナントレース後半の出場機会を求めてのものです。そこで結果を残せば、『契約延長』も自ずと見えてくる」(前出・米メディアの1人)
 「10年」の目標達成のため、今回の移籍交渉はより慎重に進めていく必要がありそうだ。「クリスマス前後に決まる」との見方もあるが、松井の交渉は年明けまで決まらない可能性も捨てきれない。

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