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書評「悪党」薬丸岳著、角川書店

 裁判員制度がスタートして以来、雨後の竹の子のごとく犯罪被害や冤罪を描いた作品が書店に並ぶ。本書もその一つかと思っていたら、江戸川乱歩賞ブッチギリ受賞の筆力を再認識させられた。

 レイプ犯の口に銃口を突っ込み警官の職を追われた佐伯。今は探偵事務所で犯罪被害者遺族から舞い込む依頼を調査する日々だ。いくつもの調査を進めながら佐伯は次第に被害者遺族の心はどうしたら晴れ、犯罪者の罪は何を持って許されるのかを自問していく。

 そんな佐伯の前にある日許せざる敵が現れた。実は佐伯自身も過去に姉をレイプ殺害された被害者遺族だったのだ…。
 はたして被害者遺族らは、刑期を終え社会復帰した受刑者の生活を目にした際なにを思うのか?
 きわめてデリケートな問題に正面から取り組んだ本格的社会派ミステリーだ。(税別1500円)

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