「人生で初めてのオリンピックは全てが新鮮で、大変貴重な経験となりました。応援してくれた皆さんへこれまでの感謝の気持ちを込めて、また、これからの自分に気合をボールに込めて、 精一杯投げたい」と登板前に語っていた宮原はマウンドに上がると、1回転ジャンプを披露。超満員のスタンドからは拍手が送られた。ロッテの先頭バッター、荻野貴司に向かってサウスポーの宮原が投げた投球は、ベース後方にワンバウンドしたが、見事な投球だった。
■宮原知子コメント(全文)
−−マウンドの上はどうだった?
想像していたのとは全然違って緊張しました。
−−始球式を引き受けたときはどう思った?
まったく球技ができないので、どうしようと思ったんですけど、こういう機会もなかなかないし、出たいなという気持ちもあったので、練習をしてやりたいなと思いました。
−−ほぼノーバウンドだったが、けっこう練習した?
そうですね。試合と試合の合間を縫って息抜きにやったりしてました。
−−きょう投げた感触や手ごたえは?
なんか一瞬に終わってしまって…よくわからないままここにいます(笑)。
−−グローブが可愛らしいが?
オリンピックのときにミズノハウスというのがあって、そこに行って始球式に出ることになったのでと言って作ってもらいました。
−−デザインは自分でした?
名前を入れることができますよと言っていただいて、スケート靴(の刺繍)入れてもらえますか?と言ったんですけど、それで入れてもらいました。
−−オリンピックが終わって注目されているが、改めてどうやって頑張っていきたい?
やっぱり、まだまだやることはたくさんあるので、こういうなかなか経験できない機会も増えてくると思うんですけど、またもっといい結果を出せるように、これからも頑張っていきます。
−−背番号が18だが、どんな思いでつけた?
1と8が好きな数字なので、先生から2ケタがいいよって言われて(笑)。じゃあ18でと。
−−1と8が好きな理由は?
なんとなく1は優勝の1で、8は縁起がいいイメージがあるので好きなんです。
−−背番号18は野球だとエースナンバーだが知っていた?
それを…あの…この数字に決めてから知りました(笑)。
−−女子フィギュアのエースと引っかけたわけではない?
番号を決めたときは、そういうのを知らないで考えたので、何か縁があったのかなと思うので、そういう風な選手になりたいです。
−−マウンドで回転のパフォーマンスをしていたが?
フィギュアをせっかくしているので、わかる何かをやりたいなと思って。あまり綺麗に足は上げられないので、回転にしました。
始球式後の会見で、宮原は大役を果たした安堵感からか、終始笑顔が絶えなかった。宮原のような活躍を今年のオリックスも見せたいところだ。
取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄