新日本プロレス
▽6日 大田区総合体育館 観衆 3,864人(札止め)
▼『旗揚げ記念日』スペシャルシングルマッチ(30分1本勝負)
○オカダ・カズチカ(25分25秒 エビ固め)ウィル・オスプレイ●
※レインメーカー
「新日本プロレス、46周年を迎えることができました。明日から47周年目が始まる。棚橋?違うな。内藤?違うな。ケニー・オメガ?違うな。オカダ・カズチカに任せなさい!」
昨年に続いて、IWGPヘビー級王者として『旗揚げ記念日』のメインイベントで勝利を収めた“レインメーカー”オカダ・カズチカは、1.4東京ドーム大会に続いて「任せなさい」という言葉を声高らかに叫んだ。
アントニオ猪木、藤波辰爾、長州力、橋本真也、武藤敬司といった新日本プロレスの黄金期を支えて来た歴代IWGPヘビー級王者は、新日本の看板から、選手、スタッフ、そして、その家族とファンの思いを背負いながら、チャンピオンとしての任務を遂行してきた。近年では棚橋弘至がその役割を果たしていたが、今のオカダには「任せなさい」という言葉には王者の品格を感じる。
昨年の『旗揚げ記念日』はタイガーマスクWとのドリームマッチを実現させたオカダだが、今年は同じCHAOSのメンバーで、2年前にオカダがイギリスでスカウトをして連れて来たIWGPジュニアヘビー級王者ウィル・オスプレイとのチャンピオン対決を提唱し、実現させた。
大田区総合体育館は、2年前の3月3日にオカダがCHAOSの新メンバーとして、場内のスクリーンを指差し、映像を使ってオスプレイを紹介した2人にとって思い入れのある会場。あれから2年が経ち、オスプレイはリコシェとの名勝負をはじめ、新日本ジュニア戦線を大いに盛り上げる存在となり、IWGPジュニア王者にまで上り詰めた。オカダの見る目は間違ってなかったのだ。この日の試合では、オスプレイの成長の全てをしっかりとかみしめるように受け止めていた。
オカダはオスプレイとの闘いを通じて、「プロレスへの愛情というのも、すごく伝わりましたし、オカダに対しての愛情も感じた」という。最後はレインメーカー1発で仕留めたが、「次の挑戦者はオスプレイでもよかったんじゃないかなと思いますしね。そのぐらい、今日のオスプレイは勢いがありました」とオスプレイの実力を改めて評価。2年前ファンに紹介した会場で対戦できたことに関しては、「連れてきた甲斐があったなという感じですね。もちろん、連れてきて『ハイ、おしまい』じゃないですし、大成功してほしいという思いもありましたんで、その中でIWGPジュニアのチャンピオンになっただけでもうれしいですし、またこういう舞台で、二度とない舞台なわけじゃないですか、46周年っていうのは。そういう大会の中で、2人で闘えたっていうのは…いい思い出ですね」とかなり感慨深いものがあったようだ。
IWGPヘビー級王者としては、順当に行けば次回の防衛戦は4.1両国国技館大会で、『ニュージャパンカップ2018』の優勝者がIWGPヘビー級王座への挑戦を選択すれば、防衛戦を行うことになるが、「余裕で待っていてやろうかなと思います。もう、待ちくたびれてるんですよね、こっちは。もう誰もこのベルトを獲ることができない状態が続いてる中で、ホントに長い間やってますんで、待ってます」と棚橋が持っている最多防衛記録11回に王手をかけているオカダは、出場選手を挑発した。
「新日本プロレスは、オスプレイ×オカダでカネの雨が降りますね。お金ですよ。オスプレイ×オカダ=お金。そのぐらいの2人が揃ってる、今の新日本プロレス、47周年も、もっともっと、先を見ていきましょうよ。ホント、新日本プロレスのレスラーでいられることを誇りに、プロレスラーだということを誇りに思えるように、新日本プロレスというか、プロレス界を、盛り上げていきたいと思います」
試合後にインタビュースペースに現れたオカダは「きょうはマスコミの皆さん多いですね」と笑顔を見せていたが、それも“オカダ新日本”に対するメディアの期待の表れ。オカダが発している「任せなさい」という言葉はファンだけではなく、我々メディアに対しても向けられたもの。レインメーカーは激闘を繰り広げながら、今後も長期的なビジョンを持って新日本プロレスやプロレス界の全てを潤してくれるはずだ。
取材・文 / どら増田
カメラマン / 萩原孝弘