この試合を21時44分〜22時48分の枠で放送したTBSの視聴率が、関東地区で平均16.6%(関西地区19.2%)と分かった。瞬間最高視聴率は、全12ラウンドを終え、判定結果を待つ瞬間の22時42分に記録した19.4%だった。平均視聴率は同時間帯で堂々の1位。王座を奪取した2・11のオーレドン・シッサマーチャイ戦の10.9%から一気に数字を上げた。
TBSでは長年、亀田3兄弟の放送を続けているが、長男・興毅の試合の視聴率は、昨年12・26の世界バンタム級王座を奪取したアレクサンデル・ムニョス戦が13.8%、5・7のダニエル・ディアス戦が13.9%と、過去と比べると大きく数字を落としている。今回、井岡がマークした16.6%は、ここ最近の興毅の視聴率を上回り、数字上では興毅を超えた。
この好結果に番組プロデューサーのTBS・北村公一郎氏は、「世界タイトルを獲るよりもむずかしいといわれる初防衛戦で見事な勝利を飾り、我々スタッフ一同うれしい限りです。今後も井岡選手が偉大なチャンピオンになる過程を追い続けたい」と今後の全面バックアップを約束した。
亀田兄弟がランキング下位やロートル選手など、勝ちが見込める相手を連れてきて世界戦を組むのに対し、TBS側は不満を抱えているとも伝えられる。その点、井岡は負けを恐れず初防衛戦からランキング1位の最強挑戦者を選択し、実力で打ち破った。その意味でも、今後TBSが井岡に肩入れする状況は整った。亀田兄弟にとっては、強力なライバル出現といえる。
なお、井岡は2度目の防衛戦を年末に予定。本来の階級ではないミニマム級では減量が厳しく、次期防衛戦を最後に階級を上げる可能性が出てきた。
(落合一郎)