この日、メーンで藤波&初代タイガーと組み、ドラディション初参戦となる藤原&グラン浜田&ヒロ斉藤と対戦した長州は抜群のチームワークを見せた。
序盤、長州が相手チームに捕まり、袋叩きにあっているところを藤波が救出。さらに斉藤がセントーンを自爆すると、長州がブレーンバスターからのサソリ固めで締め上げる。藤波は藤原をドラゴンスクリューで足止めし、介入を許さず。最後は長州が右腕を振りぬき、リキラリアートで斉藤をごう沈させた。
これでトリオ結成後3連勝。今後もトリオを継続して地方進出に臨むと思われたが、試合後に長州の口から出たのは意外な言葉だった。
「個人的には、オレの場合は時間がないというか。やっぱり藤波辰爾っていう選手との試合をやりたいですよね。(決定は)藤波さんに任せて。あくまでも自分の希望ですけど」といきなりの対戦要求だ。
一方、挑戦状を叩きつけられた藤波は「このことは真剣にとりかからんと。ヘタは打てない。タッグを組んで日本全国を回ると言えど、2度3度同じカードは無理でしょうから。次あたりそういう向かい合える状況に。楽な方に逃げていくわけにはいかんでしょう」と対戦に前向きな姿勢を示した。
長州と藤波といえば、1980年代前半に長州率いる維新軍と藤波ら本隊が数々の抗争を繰り広げ、名勝負数え歌と評されてきた。それが平成の時代に甦るとなれば、全国のプロレスファンが酔いしれること間違いなしだ。
「北海道から九州、四国ともう一回ファンに見てもらって。今言った重い自分への試練を、最後の試練を課したいと思います」(藤波)
長州と藤波による最終決戦の幕が今上がろうとしている。
◎藤原組長敗れる
ドラディション初参戦となった藤原組長は、メーンでレジェンド・トリオに黒星を喫し、悔しさをにじませた。
一本足頭突き、スリーパーなど一昨年に胃がんの摘出手術を受けたとは思えないほどの動きを披露したものの、試合には敗れてしまった。
試合後「勝ったときが本当のカムバックです。1勝した時が。オレの方がコンディションが悪かった。また対戦したい? そうですね。やりたいです」と語っていた。