問題となっているのは、「1-1」と両チーム同点の9回裏2死二塁で飛び出たプレー。ロッテはこの回から登板していた3番手・益田直也がピンチを招いていたが、ここで打席の西武・山野辺翔を平凡なフライに打ち取る。打球は二塁手と右翼手の間に上がり、二塁手・西巻は左手を挙げアピールしながら落下地点に入ろうとした。
ところが、西巻のアピールに気付かなかったのか、右翼手・マーティンも落下地点に接近し両者は交錯。打球はどちらのグラブにも収まらず地面に落ち、この間に二塁走者が本塁に生還。マーティンにエラーが記録されたこのプレーにより、ロッテは痛恨のサヨナラ負けを喫する結果となった。
内外野の間に上がったフライの捕球は前進して落下地点に入ることができる外野手が基本的には優先されるが、実際にどちらが捕るかは声や動作でのアピールによる部分が大きい。今回の場合は西巻が先にアピールしていたが、マーティンは落下地点に入るまで終始上空を見ていたため西巻に気付かなかった可能性は高い。
このサヨナラ落球を受け、ネット上には「今季一番お粗末な負け方、9回表に追いついたのが完全に無駄になった」、「記録はマーティンのエラーだが、打球を背走し過ぎた西巻にも責任はある」、「深追いした西巻もアピールに気付かなかったマーティンもどっちも猛省しろ」といった反応が多数寄せられている。
一方、「昨シーズンも同じような負け方したのがフラッシュバックした」、「去年みたいにここから失速しそうで心配でしかない」といったコメントも複数見受けられた。
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「今回サヨナラ落球が物議を醸しているロッテですが、実は昨シーズンの9月15日に同球場で行われた対西武戦でも同様の形でサヨナラ負けを喫しています。この時は『5-5』で迎えた延長11回2死から木村文紀が放った左中間への打球を、左翼・加藤翔平、中堅・荻野貴司が交錯しどちらも捕れず(記録は加藤のエラー)。打球が転がる間に木村が一気に本塁に生還しサヨナラを許しました。当時のロッテは試合前時点で3位につけていましたが、同戦から同月24日の最終戦まで『3勝5敗』と失速。この結果、同期間に『6勝3敗』をマークした4位楽天に抜かれCS進出を逃す結果となっています」(野球ライター)
試合後、井口資仁監督も「最後は声の連係。しっかりとやっていかなければならない」とため息をついた今回のプレー。2位ロッテは同戦の敗戦により首位ソフトバンクと6.5ゲーム差、3位の西武・楽天とは5ゲーム差となったが、痛恨のミスから失速した昨年の二の舞は防げるだろうか。
文 / 柴田雅人