メットライフドーム二連戦の初日のトリを飾るのは、IWGP USヘビー級王者の棚橋が飯伏を迎え撃つ初防衛戦となった。誤嚥性肺炎による体調不良で欠場中だった飯伏は、約2か月ぶりの復帰戦でいきなりタイトル挑戦となったが、再び飯伏の前に“神”である棚橋がチャンピオンとして対峙するのは面白い。
棚橋は8.14ロサンゼルス大会でランス・アーチャーを撃破し、日本人初のUSヘビー級王者となると、飯伏に向け動画メッセージで、「オマエがIWGP(世界ヘビー)をめざすのは、もちろんわかってる。けど、“寄り道”してっても悪くはないと思う。復帰戦、俺とやれ」と次期挑戦者に指名。これを受けて、飯伏も「“寄り道”なんかないですよ。僕の今一番の近道、それは棚橋さん、あなたと戦うこと。挑戦よろしくお願いします」と応えたため、日本人同士によるUSヘビー級王座戦が急遽決定した。
これまで両者は幾多の激闘を繰り広げ、さらにはタッグコンビ“ゴールデン☆エース”としてIWGPタッグ王座を共に戴冠。IWGPタッグから陥落した後は棚橋がスランプに陥り、飯伏が叱咤する場面もあったが、飯伏は棚橋に神として大きなリスペクトを抱いている。また、飯伏が7.25東京ドーム大会を欠場した際には、代役として棚橋が鷹木信悟のIWGP世界ヘビー級王座に緊急挑戦。王座奪取はならなかったが、試合終盤には飯伏にメッセージを送るようにカミゴェを放ち会場がドッと沸いたのは言うまでもない。
棚橋が“寄り道”と話していたように、飯伏が戴冠した場合、USのベルトはIWGP世界ヘビー級王座への足かせになる可能性もあるが、今の飯伏にとって欠場していた期間を取り戻すために、US王座獲りは“近道”なのかもしれない。一方の棚橋は長期的なアメリカ遠征を視野に入れているだけに、ベルトは必要なアイテムだ。
好勝負になるのは間違いないだけに、勝敗が気になるところである。
(どら増田)