原辰徳監督
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スポーツ 2020年02月13日 11時35分
巨人、レギュラー争いに“伏兵”が出現? 打撃・走塁で高評価、導入が検討される新制度にも影響か
良い意味で、原辰徳監督のチーム構想が崩れつつあるようだ。育成2年目の外国人選手、イスラエル・モタ外野手が紅白戦(2月8日)でも快音を響かせ、支配下登録はもとより、「レフトか、一塁のポジションで一軍戦に出場するのではないか?」なんて声も上がっていた。 「首脳陣の評価も高いようですね。打つだけではなく、走塁面でも。紅白戦・第二打席で左翼線上に運び、躊躇なく、二塁まで走りました。アウトにはなりましたが、その積極性が高評価につながりました」(取材記者) 右の大砲候補、伏兵出現といった感じで、モタの奮闘ぶりが各紙でも伝えられていた。しかし、巨人ファン、社会人、学生野球の間では、ちょっとした有名人でもあったのだ。昨季の巨人三軍戦、主に育成選手で戦う社会人・学生とのプロ・アマ交流試合で、モタはケタ違いの本塁打を見せつけてきた。筆者も偶然、モタの左翼方向への一撃を見たことがあるが、日本人選手には打てないその飛距離と打球の高さは圧倒された。 もっとも、アマチュアのピッチャーにはケタ違いのパワーを見せつけても、昨季の二軍成績は「やや苦戦」といったところだった(22試合1本塁打)。来日2年目のこのキャンプで、その成長を見せつけたようである。 「キャンプ後半、一軍は沖縄に移動しますが、現時点ではモタも連れて行くようです。オープン戦で結果を出せば、支配下登録も見えてきます」(前出・同) 雨天で室内練習となった12日、年俸150万ドル(約1億6000万円)の助っ人、ジェラルド・パーラが、打撃練習中のモタにアドバイスを送っていた。ポジションを奪われかねないライバルへの助言。パーラの人柄か、それとも、元メジャーリーガーの余裕か…。 「モタ、育成出身のメルセデスなどもそうですが、全球団の育成選手は練習熱心。日本人の育成選手も同様です」(ベテラン記者) 覇者・ソフトバンクがそうであるように、育成から這い上がってくる選手が多いチームは強い。打つ、走る、肩の強さなど一芸に秀でた選手を獲って育てていくという育成枠は、これからのプロ野球界にとっても必要なシステムだろう。 しかし、こんな見方もできる。モタのような練習熱心な選手を見ていたら、コーチたちは「試合に出してやりたい」と思うだろう。モタに刺激を受けた二軍選手も発奮するだろうから、こちらにもチャンスを与えてやりたい。試合数は限られている。その時、どうなるのか? 「選手会は『出場機会の少ない選手』のチャンスを広げるため、現役選手のドラフト会議(ブレークスルードラフト)の導入を訴えています。目下、指名対象選手の基準を巡って、経営陣との話し合いが続いており、草案作りにも苦労しています」(前出・同) せっかく育てた若手が他球団に奪われてしまうなんて事態にもなりかねない。たしかに、“飼い殺し”は良くない。とは言え、ここまで育ててきた首脳陣の気持ちを考えると…。若手選手、育成枠選手の成長を単に喜ぶだけの時代ではないようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年02月11日 17時30分
原監督が追い求める理想のリリーバーは「背番号47」
巨人・原辰徳監督の「背番号のシャッフル」が止まらない。3度目の指揮官就任となった昨年は17選手を、19-20年オフも13選手の背番号を変更させている。成長著しい若手の背番号が若くなるのは“期待の大きさ”でもあるが、原監督は「ある背番号」に強いこだわりを持っているという。「47番」だ。 「昨季、背番号21だった吉川光夫(現日本ハム)を47番に変更する時、直接話をしています。原監督は『是非、つけてください』と言って」(球界関係者) 原監督の描く理想の47番は、山口鉄也(現・三軍投手コーチ)だ。クローザーに繋ぐセットアッパーとして通算273ホールドを挙げた左腕だが、原監督の第二期政権とも重なる08年から16年まで60試合以上に登板し続けた鉄腕でもある。 47番を託された吉川にも期するものがあった。しかし、その期待に応えられず、昨季途中トレードで放出されてしまった。現在、その47番を継承しているのが、吉川との交換トレード(複数トレード)で巨人にやってきた藤岡貴裕だ。同じ左腕投手だが、藤岡は二軍スタートとなっている。 原監督の「47番=強い中継ぎ左腕」という思い入れは変わっていないそうだ。 「藤岡は千葉ロッテでプロ野球人生をスタートさせ、巨人が3球団目。彼が日本ハムにトレードされた時もそうでしたが、どの球団の二軍首脳陣が言うんですよ、『もったいない。凄い素質があるのに』って。巨人も藤岡の素質を惜しんで、交換要員として指名しました」(前出・同) しかし、藤岡は昨季、2試合しか一軍のマウンドを踏んでいない。原監督による背番号のシャッフルで別番号になるとの予想もされていたが、そうはならなかった。 「藤岡にも期待しているのでしょう。原監督の理想は、左の安定したセットアッパーを作って、最後のクローザーに繋ぐ継投策です。藤岡の復活はファームのコーチ陣に託し、このキャンプでは左右に関係なく、強い中継ぎ投手を見出そうとしているようです」(スポーツ紙記者) キャンプ序盤のブルペンを見る限り、「調整が順調そうなリリーバー」は、中川皓太、田口麗斗、高木京介、そして、ベテランの大竹寛といったところ。新加入のビエイラの投げるボールは本当に速いが、外国人選手の試合出場登録枠の関係で二軍スタートとなる可能性も高い。また、関係者によれば、原監督は昨季途中に獲得したデラロサをクローザーに置く布陣で臨むという。だが、シーズンを通してクローサーを務め上げた経験はなく、不安要素も多い。 「昨季同様、巨人の救援陣は総動員になるのでは?」(前出・スポーツ紙記者) 投手陣が整備された広島、阪神、絶対的なクローザーを持つDeNA。原巨人に「真の47番の継承者」が出現しない限り、厳しい戦いが続きそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月23日 11時30分
巨人・原監督に“入れ知恵”をした人物がいた? 監督会議でのDH制提案、ソフトバンク王会長の発言にも影響か
巨人・原辰徳監督が本気だ。本気でルール変更を実現しようとしている。 プロ野球12球団の監督会議が開催された(1月22日)。関係者によれば、出席した12球団の監督が話し合う全ての議案が終了した後、「最後に一つ付け加えて…」と、原監督が“アノ問題”を切り出したという。 「セ・リーグの指名打者制導入(以下=DH制)ですよ。ピッチャーが打席に立つ現行ルールを止め、パ・リーグ同様、DH制にすべきだと改めて持論を展開しました」(関係者) 原監督がDH制導入を改めて訴えた理由は、いくつかある。まず、DH制と通常に投手が打席に立つセ・リーグのスタイルでは、得点能力が異なる。それを日本シリーズで痛感したからだが、どうやら、ここに至るまでの間、原監督は有力者にアドバイスを受けたようだ。 「原監督は2つのルール改定を提唱しています。一つはDH制の導入で、2つ目はフリーエージェント制にともなう人的補償の見直しです。ただ、発言した場所が悪かったというか…」(前出・同) DH制導入の持論を明らかにしたのは、日本シリーズで4連敗を喫した翌日(10月23日)だった。オーナーにシーズン終了の報告を行い、その帰り際で記者団に囲まれた際に出たもの。また、FAの人的補償の見直し論も秋季キャンプ中に発言している。 「原監督の提案は、議論するべき点がたくさんあります。しかし、セ5球団の他の監督、球団のお偉方が追随できないのは、議事録が残るようなきちんとした場所で発言していないからです」(前出・同) プロ野球の監督が公式の場では発言できる機会は少ない。しかし、原監督も信頼を寄せるアマチュア球界の要人が、「きちんとした場所で発言すべき」とアドバイスをし、今回はそれに従ったという。 「原監督は今年の監督会議で議長に指名されました。全ての議事進行を終え、発言しています。議事進行中、議長が自らの意見を言うことはなかなかできませんが、全ての話し合いを終えた後だったので、全出席者が耳を傾けていました」(在京球団スタッフ) 原監督のDH制導入論に対し、「ピッチャーが打撃練習をしなくて済むので、調整が楽になる」と、他監督からの返答もあったそうだ。 「公式の場で発言せよ」の助言は功を奏したようのである。発言が議事録に残った以上、今後、セ・リーグの他球団もDH制導入の是非を検討しなければならない。 また、こんな情報も聞かれた。 「ソフトバンクの王貞治会長が地元福岡のテレビに出演し、16球団への拡大という持論を展開しました。プロ野球ファンの間では『実現すべき』という意見が多く、いずれは公式の場で検討されることになるでしょう。王会長はルール改定に向け、まずはファンに是非を問いたかったので、公式の場ではなく、メディアを介しての発言となったようです」(前出・ベテラン記者) 原監督が囲み会見などでいったん発言したことで、ルール改定に向け、機運を高める契機になったと評価する声もあるそうだ。 セ・リーグのDH制導入論も、本を正せばソフトバンクの圧倒的な強さにある。原監督のルール改定、王会長の16球団拡大論。巨人、ソフトバンクが日本シリーズで再び対峙するようなことになれば、一気に改革が進められそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月21日 11時52分
巨人・原監督、開幕直前の助っ人獲得を示唆か レギュラー争いを踏まえた補強策、計画は昨年末頃から練られていた?
フリーエージェント補強の失敗は、メジャーリーグのロースター漏れを狙って――。 このまま引き下がるはずがなかった。原巨人が外国人選手の補強準備を進めていたことが判明した。巨人のスタッフミーティングが行われた(1月20日)。春季キャンプに向け、選手の一、二軍振り分けや、「強化指定選手」を確認するための会合で、今年の巨人は他球団に比べ、やや遅めの招集となった。 「選手の一、二軍振り分けを決めるのは、さほど時間も掛かりませんでした。意見が割れたのは、一塁手のことです」(球界関係者) 正一塁手不在とも言える。主砲・岡本和真がいるが、阿部慎之助や他の内野手との兼ね合いや対戦投手との相性などで、岡本が三塁、左翼を守る場面も多かった。そのため、岡本は昨季本塁打31、打点94の好成績だったが、ベストナインでの投票が「一塁手部門」と「三塁手部門」に分散してしまい、落選となってしまった。岡本の守備位置を固定することは、昨秋キャンプ時点でも伝えられていたが、ここに阿部の引退も重なり、正一塁手が不在となってしまったのだ。 「ベテランの中島、打撃に定評のある捕手の大城の併用が予想されていました。でも、スタッフ会議後、原辰徳監督はプロ3年目の北村拓己の名前を挙げていました」(スポーツ紙記者) 北村はまだ一軍でヒットを打っていないが、昨秋キャンプから合流した石井琢郎・野手総合コーチの目に留まった若手だ。しかし、原監督はスタッフ会議後、記者団にこうも話している。「外国人選手のお願いはしている」――。 「北村が石井コーチの期待に応え、レギュラーを獲れば御の字。中島が復活すれば、それはそれで面白いし、『捕手・小林、一塁・大城』ということになるかもしれません。打撃力でレギュラーが決められるはず。北村、中島、大城にチャンスを与え、3人とも結果を出せなければ、外国人選手を獲るという流れです」(前出・球界関係者) チャンスを与えた後の外国人選手の獲得であれば、外部補強に関する批判は出ない。北村らのレギュラー争いが終了するのはオープン戦終盤だろう。その時期、メジャーリーグで試合に出場できる26人枠が決定する。その枠に入れなかった選手、いわゆる「ロースター漏れ」を狙う段取りのようだ。「ロースター漏れと言っても、メジャーリーグの試合出場枠を争っていたわけですから、比較的レベルの高い選手ばかりです」(前出・同) 新外国人選手は、一塁手とは限らない。巨人は一塁手が守備のサインを出すチームなので、キャンプでの守備練習に加わっていない途中加入の選手に任せると、他の内野手にも悪い影響を与えてしまう。北村、中島らの打撃力不足を補う外野手か、三塁手だろう。後者の場合、「一塁・岡本、三塁・新外国人選手」となる。 「ロースター漏れの外国人選手をこれから獲るとなると、対戦チームはデータがありません。通常、新加入選手の苦手コースなどのデータはオープン戦で収集するので、その時間がない。データがない分、爆発的な活躍をする可能性もあります」(前出・同) 開幕直前、“緊急獲得”で他球団を混乱させる…。巨人は国内FA市場での獲得に失敗した直後からこの作戦を練っていたのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年01月15日 11時57分
巨人、オフ補強失敗が意外なベテランに影響? 元木ヘッドコーチも期待、若手を差し置いての優先起用もあるか
「復活」ということも十分にあり得る。 二軍本拠地でもあるジャイアンツ球場で、汗を流しているベテランがいる。陽岱鋼外野手だ。この時期、実績のある主力選手は若手を従えて、海外などで自主トレを行うもの。しかし、陽はあえて自分を追い込む環境を選んだという。 「ゲレーロが退団しても、チームはワールドシリーズ覇者・ナショナルズでも活躍したヘラルド・パーラを獲得しました。パーラはレフトでの起用が予定されており、センターには丸がいて、ライトにはベテランの亀井がいます。今季、結果を残さなければ、陽は本当にアブナイ」(スポーツ紙記者) 昨季の陽は110試合に出場したが、うち68試合は途中出場だ。2020年は5年契約の4年目だが、成績次第では球団が契約破棄を突き付けてくるかもしれない。そんな危機意識が陽を必死にさせたと見るメディアもあったが、そうではないらしいのだ。 「パーラは日本のピッチャーに対応できないかもしれませんよ」(米国人ライター) そんな懸念も聞かれた。パーラが巨人と契約した当初から指摘されていたことだが、メジャーリーグでは「30歳を過ぎた野手」に対しては、ドライな評価を下している。移籍先を決めるオフの米フリーエージェント市場において、これまで積み上げて来たキャリアまで否定されるような低年俸提示しかされず、「だったら、レギュラー扱いしてくれる日本へ」という流れがあるそうだ。今季、日本球界にやってきた他球団の元メジャーリーガーも、そんな事情を抱えている。 もっとも、日本球界で活躍してくれれば、米FA市場での低評価なんて関係ないのだが、パーラに関してはこんな声も聞かれた。 「守備は本当に巧いですよ。でも、低めの変化球が苦手で…。日本のピッチャーはコントロールが良いので、失投も少ないし、厳しい結果になると思われます」(前出・同) 「パーラに弱点アリ」の情報は、すでに他のセ5球団にも広まっている。そうなると、陽にもスタメン復帰のチャンスは十分にある。 「亀井は今季38歳ですよ。休みながらの起用になるでしょうし、陽だけではなく、石川、重信、山下といった他の外野手も出場機会が増えそう」(ベテラン記者) 原辰徳監督を始めとする首脳陣は、山下航汰に期待しているという。昨年は高卒1年目ながら支配下登録を勝ち取り、イースタンリーグ(二軍)で首位打者のタイトルも獲得した。巨人ファンの間でもイチオシの若手だが、山下は左打ち、陽は右打ち。対戦ピッチャーによっては、陽が優先的に起用されるケースも出てくるかもしれない。 一部報道によれば、元木ヘッドコーチが陽に「もう、後がない」とハッパを掛けたとあったが、これも「パーラに弱点アリ」の状況によるものなのかもしれない。外野のレギュラー争いが熾烈化すれば、連覇も見えてくる。しかし、巨人移籍以降、パッとしなかった陽が期待されるところからして、「オフの補強失敗が響いているんだな…」と言わざるを得ない。(スポーツライター・飯山満)
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