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巨人・岡本が活動自粛を機に大化け? 原監督と違うタイプの4番に成長も、自分を貫く異例の練習メニューとは

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岡本和真

 「原点回帰」ではないだろうか。

 活動自粛、限られた時間での練習が続くなか、巨人・岡本和真内野手のスローボールを打つマシン打撃が注目されている。後ろ足にしっかりと体重を乗せ、ボールを引き付けてから鋭くバットを振り切らなければ、打球に飛距離は生まれない。三冠王・落合博満氏がこの打撃練習を好んでやっていたことから、「落合流」とも報じられているが、筆者は別の感想を持った。

 岡本は智弁学園の出身だ。バッティングマシンを遅球設定する練習は、同校の名物練習なのだ。年長のプロ野球解説者が開幕戦の日程も決まらない現状について、こう言う。

 「日程が決まらないということは、選手にすれば、目標や練習スケジュールを立てられません」

 智弁学園では遅球打撃のほか、1メートルほどの長尺バットを使っての素振りも行われていた。長いバットを振り込むのは、けっこう難しい。バランスを失ってふらついてしまうこともある。但し、これらの“原点回帰”は主に冬場のトレーニング・メニューだ。

 甲子園常連校の指導者たちがよく口にするのは、「野球技術、体力アップができるのは冬場だけ」。また、遅球打撃や長尺バットの素振りも時間を掛けて、取り組まなければ効果はない。岡本は日程の決まらない、調整の難しいこの期間を「レベルアップのチャンス」と捉えたのかもしれない。

 そう言えば、岡本は遅球打撃を始める前、守備練習でショートに入っていた(4月11日)。後藤コーチとの一対一のノックだったので、内野のどの守備位置に就いても構わなかったわけだが、定位置のサードではなく、ショートに入った。高校時代、岡本は背番号「6」をつけたことがある。守備の巧いイメージはないが、軽快なフットワークを見せていた。岡本はショートでの守備練習を終えた後、「(坂本)勇人さん、何年、ショートやってるんでしたっけ?」

 とチームメイトに聞き、守備範囲の広いポジションを守り続ける先輩の偉大さに驚いていた。

 「ショートでノックを受ければ、他のポジションよりも守備範囲が広い分、短時間で汗をかくことができます。そういう意図があって、ショートに入ったのでしょう」(関係者)

 原辰徳監督は岡本の新呼称・若大将の定着を願う発言をしていた。現役時代、原監督自身もそう呼ばれていた。しかし、岡本は朴訥で、喜怒哀楽も表に出さない。明るく、仲間を牽引していく感じでもないが、寡黙なタイプとも違う。だが、23歳という若さでどんな練習をやればいいのか、しっかり見えている。自分を持っているのだろう。歴代とは異なるタイプの4番に大化けするかもしれない。(スポーツライター・飯山満)

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