未解決事件
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社会 2020年05月09日 19時00分
歌舞伎町のラブホテルで連続した殺人事件、被害者に共通した奇妙な特徴とは【未解決事件ファイル】
1981年6月25日、東京都新宿区歌舞伎町にあるホテルで、当時30歳のホステスAさんが男に首を絞められる事件が発生した。この年、3月から歌舞伎町内のホテルで同様の事件が3件発生しており、これで4件目。同一犯の可能性が疑われたが、いずれの事件も時効が成立している。なお、4件とも事件現場となったホテルは別だ。一体犯人は何者だったのだろうか。 第一の事件は3月20日。当時33歳のホステスBさんが、ラブホテルの一室で首を絞められて殺されているのを従業員が発見した。Bさんは男と一緒にチェックインしたものの、先に男一人だけ退出したのが確認されている。 第二の事件は4月25日。被害者は当時20歳前後の女性Cさん。パンティストッキングで絞殺されているのを従業員が発見した。遺留品はイヤリング、サンダル、タバコ、ライターしかなく、身元を示すようなものは残されていなかったという。そのせいか、最後まで被害者の身元を割り出すことは出来なかった。 第三の事件は6月14日。被害者は当時17歳の女性Dさん。パンティストッキングで首を絞められ意識を失っているところを従業員に発見された。発見された時、被害者は仮死状態だったが、病院に搬送された後に死亡した。Dさんは交際して1年になる恋人がおり、事件が起きる数時間前まで一緒にいたことが確認されている。事件前日、友人に「演劇関係に詳しい人と知り合ったのよ。ひょっとして私もタレントになれるかもね」と話していたというが、犯人との関連は分かっていない。 そして、最後の事件が6月25日。Aさんは一緒にチェックインした男に突然首を絞められた。Aさんの抵抗により、幸いにも犯人は現金を奪っただけで逃走したという。その後、Aさんが警察に通報したことで事件が発覚した。 これらの事件は、歌舞伎町のホテルで起きたという以外にも複数の共通点が見つかっている。1つ目は、殺害された被害者3人から覚せい剤が検出されたことだ。被害者の体から注射痕は見つかっていないことから、口か鼻から飲用したものとみられる。2つ目は犯行の手口。第二の事件と第三の事件はパンティストッキングで絞殺されており、第三の事件と第四の事件に至っては首の絞め方が酷似していることが警察の捜査で判明している。他にも、容疑者の特徴が「身長160cm台の30代のサラリーマン風の男性」という共通点があった。状況証拠などから、被害者はいずれも街中で犯人に声を掛けられてホテルについていったものと警察は推測しているが、男の素性は分かっていない。2020年5月現在も犯人は判明しておらず、同一犯かどうかは不明だ。 1982年6月6日には、歌舞伎町でナンパされた女子中学生が男に殺害される事件が起きたが、未だ犯人は捕まっていない。監視カメラが普及されていない時代ということもあるが、連続して事件が未解決になっている理由は他にもあるのだろうか。
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社会 2020年05月02日 22時00分
1989.2.28福島女性教員宅便槽内海士事件〜Sさんを"殺した”のは誰なのか?
女性教員宅の便槽内で死亡していた25歳の男性。厳寒の季節に半裸で、入り込むのも困難な狭い中での投資など、不審な点は尽きない。 それ以上に不可解なのは、これらの点について特に操作が行われず、真相が闇に葬られたことだーー ※ ※ その不可解な事件は、1989(昭和64/平成元)年2月28日、福島県田村郡都路村古道(現・田村市都路町古道)にある古道小学校(現・都路小学校)の校庭に隣接する平屋の教員住宅で起こった。このときから、現在も犯人が捕まっていない平成初の未解決事件である「福島女性教員宅便槽内怪死事件」(通称「福島便槽事件」)が世に広まっていくのだが、まずは事件の流れをざっと記してみたい。 その日の午後6時ごろ、教員住宅に住んでいた女性教員のHさん(23歳)は、用を足そうとトイレに足を運んだ。中に入り、何気なく汲み取り式の便器の中を見たところ、人の頭がある。驚いたHさんは外に出て、汲み取り口に足を運んでみたが、なぜか蓋は開いており、汲み取り口から人の足が見えたのだった。 Hさんはすぐに、同じ教員住宅に暮らす同僚の教師を呼び出し、警察に通報。最初に駆けつけたのは、教員住宅から歩いて5分もかからない場所にある駐在所の警察官だった。その後、消防団員、管轄の三春署の警察官らが駆けつけ、便槽内にいるのが男性であることを確認する。そして、引っぱり出そうとしたのだが、便槽の筒の直径は36センチ。成人男性が入るにはほぼ不可能であるほど狭いのだが、なぜか男性はすっぽりと便槽にはまっていたため、数人の大人の力でも抜き出すことはできなかった。 人の力ではどうにもならないと考えた警察官らは、男性がすでに死亡していたため、重機を使って便槽を掘り起こし、便槽を壊してようやく男性を取り出したのだった。 ここまでの説明を読んだだけでも、この事件の異様さは伝わるであろうが、おかしなことはそれだけにとどまらなかった。不思議なことにその遺体は、上半身裸だったのだ。この都路村の当夜の気温は4・9度。にもかかわらず、男性は着ていた上着を胸に抱え、膝を折り、顔を左に傾けた状態で死後硬直していたのだった。 便槽から取り出された遺体にはまず、その場で水洗いが施された。さらにその後、消防団の詰所に運ばれてからも、再び洗われたという。医師による検視が行われる前に二度も洗われてしまったことを、あとあと人々は後悔することになる。 その後、ようやく医師による検視が行われた結果、死因は狭い場所で圧迫されて呼吸困難となり、真冬の時期ということもあって凍死に至ったと報告された。それを受けて警察は、遺体には肘や膝にかすり傷があるだけで、特に目立った外傷はなく、争った形跡もなかったことから、被害男性が便槽に入って死に至ったこと、そして死後硬直の状況から、遺体発見の2日前の2月26日ごろに亡くなったと発表。そして遺体の身元も、現場から車で10分ほどの、同じ村内に住んでいるSさん(25歳)と判明したのだった―。 以上が事件発生の流れだ。警察の発表をそのまま信用すれば、Sさんは自らの意思でHさんの汲み取り便所に外から侵入し、のぞき見しようとして亡くなったことになる。 故人にとっても残された親族にとっても、これは不名誉極まりない死に方と言える。仮にSさんが、過去にも便槽に忍び込むまではしないまでも、村内で不審な行動を取ったり鼻摘まみ者のような扱いを受けていたとするならば、誰もが村で起きた珍事件として折に触れて話題になる程度で、いつしか忘れ去られる「事故」に過ぎなかっただろう。ところが、今もって事故ではなく、「謎の事件」として人々の興味が尽きないものとなっているのは、つまりこれが単なる事故ではなかったことを物語っているからだ。★死亡推定時刻までの容疑者の不可解な足取り… そもそも、この事件が今もって謎とされるのは、発生当初から警察発表に対して、村内で「おかしい」と声をあげる人が後を絶たなかったことにある。 当時、Sさんは原発保守点検をする会社で営業主任として働いていた。さらに村内では青年団の一員でもあった。そこでは面倒見がいいと評判で、遺体発見現場に暮らしていたHさんとも面識があり、彼女がいたずら電話に悩まされていた時には相談に乗るなどしていたというのだ。 そんな間柄でありながら、のぞき見するとは考えにくくはないだろうか。 ちなみに彼女は、大葬の礼が執り行われていた2月24日から27日まで休暇を取っており、実家に帰省していたため現場には不在だった。そのことに関しても、Sさんが知っていた可能性があり、そんな状況でのぞき見はますます現実的ではない。 そして一方のSさんは、遺体で発見される4日前の24日から、忽然と姿を消していた。23日に開かれた知人の送別会には出席していたが、翌日午前10時ごろ、父親に「ちょっと行ってくるからな」と言って車で出かけ、そのまま行方不明となっており、家族によって捜索願が出されていた。 乗っていた車は、教員住宅から歩いて3分ほどの場所にある農協前の個人宅の庭に置かれていた。しかも、車はロックされておらず、鍵がついたまま。さらに不思議なことに、履いていた靴の片方が、近くを流れる川の土手で発見されているのだ。 24日に家を出てから亡くなるまでの2日間、Sさんはどこで何をしていたのか。なぜ、Hさんがいない日にのぞきをしようとして、身動きが取れなくなって息絶えたのだろうか。★執拗に口を割らない住民たち 果たしてこの事件の真相はいかなるものなのか。私は現地へと足を運んでみることにした。 東京から車で3時間ほど。常磐自動車道を下りて、さらに阿武隈高原の山道を40分ほど走り、都路町に入った。そこで私は、見かけた人に声をかけてみることにした。まず最初に声をかけたのは、60代の女性だった。「あー、あの事件な。おかしな事件だったよな。被害者の人は、すごく真面目で、そんなのぞきなんてする人じゃねぇって話だよ。みんなおかしいな、おかしいなって話はしてたけども、真相は闇の中だべ」 では、やはり事故ではないということだろうか。「どうなんだかな。それはわからないけど。被害者のお父さんが必死になって、テレビに声かけたりしてたから、納得はしてなかったんじゃねえか。事件後しばらくして映画ができたりして、都路の人は気になってはいたけど、見に行っちゃダメだっていう雰囲気になっていたな。みんな、おかしいとは思っているよ。話せるのはそこまで。あんまりこの話は、したくないんだ」 彼女の言葉は、奥歯にものが挟まったような印象だった。私は次に、被害者が暮らしていた地区に向かった。一軒の商店に入ると、年の頃70代と思しき女性が店番をしていた。「30年前、男性が便槽で発見された事件について聞きたいんですが?」 私がそう聞くと、女性の表情が一瞬で引きつったのがわかった。そして、返ってきた答えは思いもしないものだった。「そんなの知らんよ」 私はなおも、「この近くの男性が亡くなった事件ですよ。ご存知のはずです」と食い下がったが、彼女はなぜか店内には誰もいないのに「しーっ」と口に人さし指を立てて、黙るようにと目で語る。それから、カウンターを出て手招きをしながら言ったのだ。「私は詳しいことは知らないの。ちょっと来て、そのことについて知っている人のところを教えるから」 女性は店を出ると、直線距離で500メートルほど離れた場所にある一軒の家を指さした。「あそこの人なら何か知ってから。新しい家だぞ」 私は、礼を言って車に乗り込んだ。バックミラーを見ると、彼女は店の入り口に立ったまま、私がどこに向かうのか凝視していた。 それにしても、30年前の事件にこれほど過剰に反応するというのは、どういうことなのだろうか。 女性に聞いた「新しい家」はすぐにわかった。そこでは、網戸越しに一人の男性が、書類を手にしながらパソコンに何かを打ち込んでいるのが見えた。この事件について知っているというのは、その男性だろうか。玄関に回ってしまうと体良く追い返される気がしたので、私は網戸越しにいきなり声を掛けようとした。するとその男性は、機先を制して玄関に回るように指さした。 仕方なく玄関に回ると、男性の妻だろうか、いぶかしげな顔をした女性が立っている。私は手短に「30年前の事件のことで、ご主人に話を聞きたい」と要件を伝えた。すると、彼女の顔はさらに険しいものとなった。「何のことですか? 事件なんて知りませんよ」「この近くのSさんが亡くなった事件です」「はぁ、そんなことはありましたかね。私たちはもう80歳で、そんなことは覚えてないんです。若い人に聞いてもらったほうがいいですよ」「若い人だとわからないんです。ちょうどお母さんが50歳ぐらいのときのことですよ」「いやぁー。もうボケちゃっているから、何にもわかんないんですよ、覚えてないんです。他に行ってもらったほうがいいですよ。何にもわかりません」 パソコンを使っている主人がボケているようには見えなかったが、このような押し問答を続け、私は諦めた。この頑なまでに何かを隠そうとする態度に接して、今回の案件は間違いなく事故ではなく、事件であることを確信したからだ。★証拠の遺体は即座に洗われ便槽も破壊された… さらに取材を続けていく中で、私はようやく証言してくれる女性に出会った。「亡くなったSさんは立派な人だったよ。小学校の運動会でも一生懸命に協力してくれて、子供たちと組体操をしていたのが印象に残ってるよ。警察は何もかもずさんでしょう。遺体を洗ってしまったり、現場も立入禁止にしないで便槽を壊したりと、全然捜査しなかった。捜査を願う署名が4000人分も集まって、Sさんの親戚には警察の関係者もいたんだけど、その人たちも上から何か言われたみたいで、結局黙ってしまったんだ。子供の名誉のためだから、もう少し頑張ってもよかったんじゃねえのと思ったけどな。何かを必死に隠そうとしている人がいるってことだな」 私は別の人から、原発推進派の村長の応援を途中でやめたことで根に持たれていたという説などを聞いていたので、その話をぶつけてみた。「みんな原発に食わせてもらったところだからな。それまでは、仕事といえば農業だけで、現金を手にする手段なんてほとんどなかった。原発のおかげで子供たちを大学に行かせて、就職できたって人が多いよ。だから、何が起きてもおかしくないんじゃないの」 1971(昭和46)年に営業運転を開始した福島第一原発は、事件の起きた都路村から直線距離にして20キロほどのところにある。都路村は阿武隈山地の高原地帯にあり、緩やかな山容をした山々が連なり人々の心を和ませてきた。そんな都路村の様子を一変させたのが、2011年に発生した人類史上未曾有の原発事故である。この事故により、住民にも精神的、肉体的な苦痛をもたらしたのだが、それでもいまだに原発への感謝の言葉が出てくるほど、原発以前は山間地という地理的な条件ゆえに苦しい生活を強いられてきた歴史がある。 江戸時代には村人がほぼ全滅するほどの飢饉が発生しており、そのためこの地に古くから暮らす人々の多くは、新潟などからの移住者たちだ。 そう考えると、原発とは、この都路村にとってまさに命綱といってもいい。それをめぐるいさかいにより、血を招くこともあるのかもしれない―。★30年前の事件が今も終わっていない その後、私は原発関連企業を経営する男性に話を聞いた。福島で生まれ育った彼は、20代の頃から原発と関わり続けている。「田舎は金ですからね。原発の利権がらみで、仕事をもらうためにみんな必死です。下請けともなれば、いくら元請けに詰めるかっていうのが大事になってくるんです。仕事から外されたら、それで終わりですからね。車を買ってあげたり、家を建ててあげたり、裏金はつきものですよ。選挙となればなおさらです。村だと投票率が100%近くで、人口も少ないから、都会とは一票の重みが違うんです。少なくとも一票1万は払っていますよ。被害者も営業マンだったとなると、顔も広かったでしょう。その人が裏切ったら、10票や20票は動きます。これは大きいです、恨みを買うには十分でしょう。だって、選挙に負けたら仕事がなくなって生きていけなくなるんですからね」 やはり、この事件の裏では原発をめぐる利権が渦巻いていたのだろうか。「はっきりと、この事件がそうだよとは言えない。だけど、おそらくそうじゃねぇかというのはありますよ。警察も、事件の構造が見えているから動かなかった。事故として処理すると思います。断定はできないけども、都路村の事件は原発がらみじゃねぇかと思います」 ※ ※ 私は都路町を出て、福島第一原発の方向へと車を走らせた。すぐに車は帰還困難区域へと入り、かつて水田だった土地は見る影もなく、セイタカワダチ草などの雑草に覆われていた。民家には当然ながら誰もおらず、まさしくゴーストタウンと化している。 原発事故による荒野を眺めながら、改めて今回の事件のことを振り返った。 事件が発生したのは昭和天皇が亡くなり、平成が始まった年のこと。そして私が事件の起きた都路町を訪ねたのは、ちょうど令和を迎え、皇位継承式典が執り行われている最中のことだった。つまり、30年以上の年月が経過しているわけであるが、地域の人々は今も事件に関して頑なに口を閉ざし続けている。言ってみれば、事件は終わっていない。この土地が事件に対して、果てしなく重苦しい空気に包まれていることが意味するのは、警察の発表が間違っているということではないか。 警察は、なぜあっさりと事故扱いにしたのか。ほかにも疑問は尽きない。失踪中の被害者の足取りをつかむ上で重要な証拠となるはずの胃の内容物についても、何の発表もされていない。警察は何かを隠蔽している。私には、原発に絡んだ村の中での暗闘が、事件の背後には潜んでいるように思えてならない。 この事件の背後に潜む闇は、果てしなく深い―。
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社会 2020年05月02日 19時00分
早朝マンションで射殺された銀行支店長 なぜか凶器所持の凶悪犯と暴力団幹部の繋がりとは【未解決事件ファイル】
1994年9月14日、愛知県名古屋市のマンションで当時の住友銀行(現・三井住友銀行)名古屋支店長Aさんが何者かに射殺される事件が発生した。当時、住友銀行はバブルの不良債権問題に悩まされていた時期でもあり、その債権の多くが闇社会と関係の深い融資案件だった事から、ヤクザ絡みの事件ではないかと噂されていたが、現在も犯人は捕まっていない。一体何が起きたのか。 遺体が発見されたのは午前7時20分頃。自室があるマンション10階のエレベーターホールで血を流して倒れているAさんを同マンション住民が発見した。発見した住民はすぐに警察に通報したが、警察官が駆け付けた時には既にAさんは亡くなっていたという。 警察の調べによると、Aさんは右目の上から左後頭部に弾を撃ち抜かれたような痕が残っており、正面から至近距離で射殺された可能性が高いそうだ。ほかには外傷はなく、Aさんの部屋も物色された様子や荒らされた形跡は見当たらなかった。 警察は現場検証を進めると共に、マンション住民への聞き込みなどを開始。しかし、目撃証言はおろか、犯人に繋がる手がかりすらもほとんど見つからない状況が続いた。事件が起きたマンションは中央玄関が完全なオートロック式となっており、出入りした人物が記録される仕組みになっていたのだが、新聞配達員以外の人物が出入りした形跡が見つからなかった。 事件が動いたのは、Aさんが殺害されてから約3か月後の11月11日。男から大阪市の住友銀行本店に「融資してくれなければ、青酸カプセルを飲む」という一本の電話が届く。ほどなくして、当時73歳のBが本店に現れたのだが、Bは短銃を手にしており、銀行員が警察に通報。駆けつけた警察官によってBは逮捕されることになる。問題はここからだ。取り調べの最中に突然Bは「このピストルで名古屋支店長Aをやった」と自供した。Bが所持していた銃を警察が鑑定にかけたところ、Aさんの殺害に使われていた凶器であることが判明。Aさん殺害の容疑に関しても取り調べが行われることになった。 しかし、Bの供述には多くの矛盾点があり、実行犯であると裏付けできるだけの証言内容は得ることが出来なかった。後に、Bは実行犯であることを否定し、「事件について知っているが言えない」と口を閉ざすようになっていく。結局、Aさん殺害事件にBが関係している証拠は見つからず、立件は見送られた。 警察は銃の入手経路について捜査を進め、Bに銃を貸した暴力団幹部を特定。銃刀法違反で暴力団幹部を逮捕・起訴までこぎつけたが、Aさんの射殺事件に関する供述は得られなかった。住友銀行を巡っては、銀行支店や頭取自宅に火炎瓶が投げられるなどの事件が相次いでいたが、そうした事件との関連も分かっていない。Bはなぜ凶器の拳銃を所持していたのか。銃をBに渡した暴力団幹部の意図は何だったのか。
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社会 2020年04月25日 19時00分
日本人女子大生が旅行先で突如失踪、家族への悲痛な電話の意味とは【未解決事件ファイル】
1990年4月、ネパールを旅行中の当時29歳の女子大学生Aさんが突然姿を消す事件が発生した。最後に確認されたホテルには、Aさんのザックが残されたままになっていたといい、2020年4月現在もAさんの足取りは掴めていない。現地警察は事件か事故かの判断も付いていないというが、一体Aさんの身に何が起きたのか。 Aさんは行方不明となる一年ほど前、1989年4月5日に一人で日本を出国。アルバイトで貯めたお金を利用して、以前からの夢である世界一周旅行に出掛けた。出国後は家族に週1回のペースで手紙や写真を送っていたそうだが、1990年4月3日を最後に連絡が途絶えてしまう。最後の手紙には「ヒマラヤ方面へ、4週間くらいの予定で山歩きに出掛ける」と書かれていた。 心配した家族はすぐに現地の日本大使館に連絡を入れ、自分達もネパールに行きAさんの行方を探すことにした。現地警察の協力も得て、Aさんが宿泊していたホテルを突き止めることに成功したが、既にAさんの姿は無かったという。衣類や日用品が入ったザックが残されたままになっており、登山に出掛ける前に失踪したのではないかと見られている。 その後、地元の警察本部による捜査も開始されたが、結局Aさんの行方を掴むことは出来なかった。ネパールの日本大使館は「なんらかの事件に巻き込まれたのか、事故なのか、断定できる材料はない」とコメントを残した。 事件が動いたのは、Aさんが失踪してから4か月後のこと。8月中旬、Aさんと思われる人物から自宅に電話が掛かってきたのだ。「ああ、苦しい。悔しい……」などと泣きながら訴え続ける電話口の相手に、Aさんの母親は「どうしたの」「どこにいるの」などと問いかけたが、相手は泣きじゃくるだけで返答はなかったという。しばらくすると電話が切れてしまい、それ以降Aさんらしき人物からの電話が掛かってくることは無かった。 日本と同じアジア圏ということもあり、比較的治安が良いと思われがちな東南アジアやインド、ネパール。しかし、観光客をターゲットにした凶悪亜犯罪が近年増加しており、年間10人近くの日本人旅行者が失踪している事実もある。Aさんが事件に巻き込まれたのかは分かっていないが、ネパールの一部地域には「不要不急の渡航は止めて」と外務省が勧告する危険地帯もある。 自宅に掛かってきた電話はAさんからのものだったのだろうか。だとすれば、彼女は一体何を伝えようとしていたのか。結局、2020年4月現在も犯人像はおろか、事件か事故かの判別もついておらず、続報も出ていない状況だ。
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社会 2020年04月18日 19時00分
ニューヨークの川で見つかった日本人男性の遺体、帰国を急いでいた被害者が恐れたものとは【未解決事件ファイル】
2014年8月21日、アメリカ・ニューヨークのハドソン川で、日本人男性の遺体が発見された。遺体で発見されたのは、現地でシェフをしていた53歳のAさん。Aさんは真面目な性格で、特にトラブルはなかったと彼の知人は話したが、遺体となって発見される3日前から行方が分からなくなっていた。一体、彼に何が起きたのだろうか。 遺体が発見されたのは午後7時過ぎ。ハドソン川付近を散歩していた現地住民が川に浮かぶAさんを発見した。すぐに警察が駆け付けたものの、既にAさんは亡くなっていたという。発見時、Aさんは上半身が裸で靴も身に付けていなかった。警察の調べによると、遺体には銃で撃たれたような跡が複数あったそうだ。事件を担当するニューヨーク市警は殺人事件と見て、捜査を開始。さらに2000ドルの懸賞金をかけて情報提供を呼び掛けた。 しかし、その後のニューヨーク市警は「銃で撃たれたとの認識だったが、不明な点も浮上したことから、殺人事件かどうかを含め慎重に死因を捜査している」との見方を発表。続報はないため、結局、殺人事件であったのかどうかも分かっていない。 遺体となって発見されたAさんはどのような人物だったのか。Aさんは十数年前からニューヨークで妻と一緒に暮らしており、7年前に妻と別れてからは一人で生活していたという。仕事は日本料理店でのシェフ。同僚によると、勤務態度はいたって真面目で、トラブルを抱えていた様子もなかったそうだ。 しかし、最後の出勤となった8月18日のAさんの様子は違った。職場のオーナーによると、Aさんは不安そうな顔をしており、「友人の都合で日本に帰らなきゃいけない」と話していたという。19日には帰国する予定だった。 遺体が発見されたニューヨーク・マンハッタンは観光客で賑わう場所として有名で、アメリカの中では比較的治安が良い。行きずりの強盗犯に襲われた可能性も考えられるが、上半身裸で靴も盗られていた理由が気になる。 2018年10月には、サウジアラビア出身の姉妹がハドソン川で遺体となって見つかった事件もあった。手足と口が粘着テープで巻かれていた状態だったという(その後ニューヨーク市警が自殺と断定)。Aさんの事件との関連は確認されていないが、ニューヨーク在住の外国人が狙われる事件は他にも存在する。Aさんはアメリカで何らかのトラブルに巻き込まれ、逃げるために帰国を決めたのだろうか?
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社会 2020年04月11日 19時00分
女性会社員が襲われ死亡 遺体付着のDNAと一致も釈放、中国人の“不敵な笑み”の理由は【未解決事件ファイル】
2013年6月23日、千葉県習志野市で当時47歳の女性会社員Aさんが何者かに殺害される事件が発生した。事件から3年後に中国籍の男Bが逮捕されるも、その後証拠不十分により不起訴処分となる。遺体に付着していたDNA型とBのDNAは一致していたのだが、一体なぜ起訴には至らなかったのか。 Aさんの遺体が発見されたのは、6月24日の午前10時40分頃。通りかかった男性が道路わきで倒れているAさんを見つけ、すぐに110番通報をしたという。しかし、警察官が駆け付けた時にはAさんは既に死亡していた。 警察の調べでは、Aさんの首には圧迫された痕があったほか、激しく争った形跡も残されていたことが判明している。現場にはAさんの所持品が散乱しており、財布からは現金全てが抜き取られていた。遺体発見の前日、Aさんは仕事を無断欠勤していたというが、その間に事件に巻き込まれたのだろうか。 警察は被害者と面識のない人物による金銭目的の強盗犯との見方で、捜査を進めたが目撃証言が見つからず、捜査は難航した。現場は人通りが少ない遊歩道であり、街灯もなく夜になると見通しはかなり悪くなるという。事件から半年たっても有力な手掛かりは見つからなかったため、警察は300万円の懸賞金を設けたが、結局事件解決に繋がる情報を見つからなかった。 事件が動いたのは、遺体発見から3年近くが経過した2016年3月3日のことだった。別の事件で服役していた中国籍の男B(50)が逮捕された。BのDNAとAさんの遺体に付着していたDNA型が一致していたのだ。警察によると、周辺の防犯カメラや遺留物の分析などを続けた結果、3年の月日を経てようやくBの存在が浮上したという。 直接AさんとBの間に面識はなかったものの、Bは事件当時現場近隣に住んでいたことが判明。そして事件後に転居していた。しかし、逮捕から21日後の3月24日にBは釈放されてしまう。千葉地検は 「起訴するに足る証拠が集まっていない」としているが、DNAの一致についてはコメントしていない。 警察の勇み足だったのか、それとも何か別の理由があるのか。実はBが逮捕される1年前、殺人容疑で逮捕された別の中国人男性も証拠不十分で釈放されている。こちらの場合は容疑を認めていたが起訴には至らなかった。Bが警察署に移送される際、不敵な笑みを報道陣に浮かべていたが、もしかすると起訴されないことを予め知っていたのかもしれない。
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社会 2020年04月04日 19時00分
全国の教員宛に届いた奇妙な脅迫文、現金の送付先から見えてくる意外な犯人像とは【未解決事件ファイル】
2015年3月、全国の小中学校の教員自宅や学校などに大量の脅迫文が一斉に郵送される事件が発生した。総数は2000通を超え、内容は体罰への報復をほのめかす内容だったという。幸い被害者は出ていないが、手間がかかり足のつきやすい郵送を選んだ犯人の狙いは、何だったのだろうか。 脅迫文には「お前の教え子の親からの依頼で行動を開始する」「教え子を侮辱したから復讐する」「個人情報をあばき、最低の教師だと名指しして掲示板に投稿する」「自宅や家族に危害を加える」といった内容が、A4版1枚にびっしりと書かれていたそうだ。最後に、中止してほしければ現金300万円を郵送するように指示があった。送付先はタイ・バンコクの住所だ。 送り主の名前はなく、あて名はボールペンの手書き。すでに退職した人や死亡した人も含まれており、少なくとも44都道府県に郵送された。 現金の送付先であるアパートの一室には、一人のタイ人女性が住んでいた。彼女は知人女性に頼まれて郵便物の受け取りを引き受けたといい、その知人女性は日本国籍の夫Aから頼まれたと話した。なお、彼女は受け取る荷物の中身を知らされてはいなかったそうだ。 Aは一体何者なのか?彼はタイで代行業を営んでおり、荷物の引き受けを行っていた。日本で言えば「コンビニ受け取りサービス」のような形で、自宅で荷物を受け取れない人のための仕事だ。今回の事件に関しては「2か月ほど前にメールで依頼があった、中身は履歴書」「依頼人の名前はマツオ・キヨミ」と話した。届いた荷物は香港の住所に送るようにという指示があったが、荷物は一つも届かなかったという。 インターネットが既に普及した2015年に、わざわざ手間がかかる郵送を用いて2000通以上も脅迫文を出した犯人。一体何者で、どうやって情報を手に入れたのか。 当時の報道で、脅迫文の一部が公開されたのだが、あまりに珍妙な文面に「犯人は外国人ではないか」という声がネット上で上がった。「お前の家に投石 夜中に怖い電話」「私たちは追い込みを続ける私たちは」という違和感ある文章が並んでいたのだ。さらに、句読点は一切なく、文節の頭に一字空けがなかったという。 近年、日本では個人情報の流出事件が相次いでいるが、その情報が中国の闇市場で出品されたという噂もあった。2000通以上の脅迫文を「マツオ・キヨミ」なる人物が一人で準備したのか、それとも組織的に日本人をターゲットにしたのだろうか。結局、犯人の手掛かりは2020年4月現在も見つかっていない。
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社会 2020年03月28日 19時00分
水曜日に連続した女性殺害事件、被害者の体から唾液が検出された不可解な男の正体とは【未解決事件ファイル】
1989年1月27日、佐賀県内で行方が分からなくなっていた女性3人の死体が同県北方町の山林の中から発見された。さらに、犯行手口から1975年から1982年にかけて県内で連続した4つの殺人事件との関連が浮上する。被害者のうち6人は水曜日に失踪していることから、「水曜日の絞殺魔事件」とも呼ばれたが、犯人の狙いは分かっていない。 最初の事件は1975年8月27日の水曜日。北方町に住む当時12歳女子のBさんが、1人で留守番をしていた自宅から突如失踪した。それから5年後の1980年6月27日に、同県白石町の小学校プール横トイレの便槽から遺体で発見される。 2つ目の事件は1980年4月12日土曜日。関連付けられている事件の中で、唯一水曜日以外に犯行が行われた事件になる。白石町に住む当時20歳女性のCさんが、1人で留守番をしていた自宅から失踪。約2か月後の6月24日、小学校の便槽から遺体で発見された。Bさんの遺体が発見された小学校だった。 3つ目の事件は1981年10月7日水曜日。白石町に住む当時27歳女性のDさんが失踪。同月21日に、同県中原町の空き地で遺体が発見された。 4つ目の事件は1982年2月17日水曜日。同県北茂安町に住む当時11歳の女子Eさんが失踪した。翌日に絞殺遺体が近隣住民によって発見される。 5つ目の事件は1987年7月8日水曜日。同県武雄市に住む当時48歳女性のFさんが失踪し、約2年後の1989年1月27日に北方町にある崖下から遺体で発見された。同時に1988年12月7日水曜日に失踪した北方町の主婦Gさん(当時50歳)、1989年1月25日水曜日に失踪した北方町の女性会社員Hさん(当時37歳)の遺体も発見されている。 これらの事件は半径3km以内で起こっており、犯行手口はどれも絞殺で、金品には一切手を付けないという共通点があった。さらに、被害者7人中6人が水曜日に失踪している点も同じだったことから、同一犯による犯行が疑われる。一方で、最初の4件は子供や若い女性が狙われたのに対し、1987年以降の事件は中年女性が被害者となっていることから、関連がないのではないかという声もあった。 そして、1989年に3人の遺体が発見されて早々に事件は動く。覚せい剤取締法違反で逮捕されていた男Aが、「水曜日の絞殺魔事件」の一部犯行を自供したのだ。Aは被害者の一人Dさんと交際していたが、口論がきっかけで殺害したというものだった。しかし、Aはすぐに自供を撤回し、否認に転じる。結局、警察も証拠が足りず、殺害容疑での逮捕には至らなかった。 2002年には、Aを「水曜日の絞殺魔事件」のうち3件の殺害容疑で逮捕するが、物証の乏しさや上申書の証拠価値の無さにより無罪判決が下されている。 警察が挙げた証拠には、被害者Hさんの体にAの唾液が付着していた点、Hさんの遺体に失禁の跡があり、Aの車から人間の尿が検出された点などがあった。しかし、無罪判決を下した福岡高裁・正木勝彦裁判長は「決定的な客観的証拠は皆無。この程度の証拠で、重大事件について有罪とすることは、刑事裁判の鉄則に照らしてできない」と述べている。 結局、犯人は2020年3月現在も見つかっていない。同県内、同じ曜日に犯行を行った犯人の狙いは何だったのだろうか。※行政単位は一部、当時のものを記載。
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社会 2020年03月21日 19時00分
若い学生カップルを襲った小太りの不審者、生還した彼女の証言が二転三転する理由とは【未解決事件ファイル】
2010年10月4日、兵庫県神戸市北区で当時16歳の男子高校生Aさんが突然、男に刃物で襲われて死亡する事件が発生した。現場にはAさんと交際していた当時15歳の女子中学生Bさんもいたが、逃げて無事だったという。Bさんが犯人の顔を目撃していたという事もあり、事件は早期解決することが予想されたが、10年近くたった現在も未解決のままである。 この日、AさんとBさんは午後6時頃から、共通の友人らと一緒に神戸市北区にある公園で遊んでいた。しばらく公園で過ごした後に解散となったが、AさんとBさんは「午後10時頃に会おう」と約束したという。そして午後10時過ぎ、AさんとBさんは事件現場となる路上で再び合流し、近くの自販機でジュースを購入して飲みながら会話していたそうだ。 しばらくは普通に会話していた二人だったが、ふとBさんが前方に顔を向けたところ、不審な人物がいることに気づく。道路の向かい側にある車止めのポールに座っている小太りの男性が、自分たちをじっと睨んでいたのだ。Bさんが小声で「あの人気持ち悪いね」というと、Aさんは「ほんまやな」と答えたそうだ。 すると、声が聞こえたのか、不審者は立ち上がり二人のもとへ歩き出し、二人の目の前に来た瞬間、小型ナイフを振りかざしてAさんの肩周辺を突き刺した。Aさんは「逃げろ!」と叫び、Bさんは一目散に逃げ出したという。この時の時刻は10時40分頃だったとBさんは証言している。 その後、Bさんは携帯で友人らに連絡し、再び現場に戻ると既に二人の姿は見当たらず、血痕だけが残されていた。点々と続く血痕の後をBさんが辿ると、現場から約70m先にある交差点でAさんが倒れていたという。すぐにBさんは警察に通報し、警察官と救急車が駆け付けたが、Aさんはまもなく死亡した。 警察は特別捜査本部を設置して本格的な捜査を開始。事件翌日にはBさん立ち合いのもとで現場検証が行われた。しかし、捜査は早々に行き詰まる。現場は人目の多い住宅街だったが、目撃者はBさん以外一人も現れなかったのだ。さらに、唯一の目撃者であるBさんの証言が二転三転したという。「犯人は正面から襲ってきた」「気づいたらAさんの横にいた」「犯人の服はジャージだった」「ウィンドブレーカーを着ていた」「逃げろと言われて走り出したので犯行は目撃していない」「馬乗りになって刃物で刺した」など。尚、この事でBさんに疑いが掛けられることはなかったが、知人などから「Aさんの友人に不良が多かった」「現場は不良の溜まり場として騒音問題が起きていた」「Aさんは座った状態で刺された、防御創はない」などの声は上がっていたという。 事件から1週間後、犯行に使われた凶器が事件現場付近から発見されたが、その場所は既に警察が一度捜索を済ませた場所だった。犯人はわざわざ現場付近に証拠を遺棄したことになる。 Bさんの証言の中には、「犯人は最初からAさんを狙っていたように思う」というものもあったそうだ。もしそれが本当なら、なぜ犯人はAさんが一人きりの瞬間を狙わなかったのだろうか。Bさんの証言が次々と変わっていった点も気になる。あの日、彼女は一体何を見たのか。
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社会 2020年03月20日 23時00分
未解決事件と対警察当局 相次ぐ“重要人物”の逮捕
分裂抗争は六代目山口組、神戸山口組だけの問題ではなく、警察当局との闘いも激しさを増している。 昨年4月に五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)の與則和若頭が刺傷され、8月には六代目山口組・髙山若頭の別宅が隣接する弘道会の“神戸拠点”で組員が撃たれて重傷を負った。その報復とみられたのが、髙山若頭出所直前の10月、山健組本部の至近距離で組員2名が射殺された事件だった。さらに、11月には神戸山口組・古川幹部が命を奪われたのである。 一連の事件は、すべて兵庫県内で発生し、弘道会“神戸拠点”での銃撃実行犯として逮捕された山健組・中田組長を含め、いずれの事件の逮捕者も起訴された。 しかし、兵庫県内で起きた射殺事件の中には、現在も捜査が続けられる“未解決事件”がある。「平成29年9月に、任侠山口組(現・絆會)の織田絆誠会長を狙って起きた山健組系組員による射殺事件や。織田会長は無傷やったが、実行犯の黒木(本名・菱川)龍己組員が、ガード組員の頭部に弾丸を発射して命を奪い、現在も逃亡しとる」(地元記者) 黒木組員は殺人と銃刀法違反の容疑で指名手配され、兵庫県淡路市や中田組長の出身地である和歌山県などでの潜伏説も囁かれた。しかし、依然として行方が分かっておらず、事件の全容解明には近づいていない。 ある他団体関係者は、分裂抗争が混迷の度合いを深める今、黒木組員の存在についてこう話す。「あの射殺事件では防犯カメラ映像に、もう一人、自動小銃のような物を持った怪しい人物が映っていた。チームプレーだったとすれば、黒木組員は織田会長たちの注意を引きつける役割を担っており、キッチリ果たしたことになる。それだけの使命感を持った組員なら、再び組織のために体を懸けることも、いとわないかもしれない」 今年2月には、三重県桑名市にある髙山若頭の邸宅に銃弾が撃ち込まれ、五代目山口組時代(渡辺芳則組長)の直系組織だった中野会(解散)の元組員が逮捕、起訴された。動機は個人的な恨みだと供述したが、警察当局は神戸山口組との繋がりも視野に入れていたという。しかも、特定抗争指定によって定められた警戒区域内での発砲事件は、想定外だったはずだ。「弘道会から出たヒットマンは、当時、全員が現役組員だったが、特定抗争指定は山口組にとって初めてであり、双方とも戦術を変えていく可能性はある。重要なのは目的を遂げることであり、それには時間が掛かるだろう」(同) 警察当局は警戒を強め、両山口組の“重要人物”を相次いで逮捕。特に大阪府警の攻勢は熾烈を極めた。 1月27日に神戸山口組・井上組長と密接な関係にある九代目酒梅組・吉村光男総裁(大阪)を傷害と恐喝未遂の容疑で逮捕、起訴し、2月28日、恐喝容疑で再逮捕。井上組長の側近である山健組・藤岡宏文若頭補佐も、同容疑で逮捕した。3月9日には、神戸山口組直参の小嶋恵介舎弟(二代目中野組組長=大阪堺)を別の恐喝容疑で逮捕。その間の3月3日、兵庫県警も直参の福原辰広幹部(邦楽會会長=兵庫姫路)を電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕しており、年明けから神戸山口組への攻勢が目立っていたのだ。 一方の六代目山口組にも取り締まりの手は伸び、3月4日には植野雄仁・二代目兼一会会長(大阪中央)が、またしても大阪府警によって傷害の疑いで逮捕された。同7日には愛知県警も動き、弘道会の統括委員長である松山猛・十代目稲葉地一家総長を風営法違反容疑で逮捕。 松山総長に関しては、無許可でガールズバーを営業していたとする事件で、暴力団犯罪を扱う四課による立件ではなかった。しかし、県警は店の売り上げが組織の資金源になっていたとみており、今後、四課による捜査の可能性も否定できないという。「特定抗争指定が掛かって以降、六代目山口組も神戸山口組も秘密裏に会合を開くようになり、動向自体が不透明になっています。その焦りもあるのか、警戒を強化し、抗争抑止のために逮捕に乗り出している印象です」(全国紙社会部記者) 東京オリンピックを控えた都内では、良知二代目政竜会(竹嶋利王会長)の足立区にある元本部に対して、区が使用差し止めの仮処分を申請し、3月11日に東京地裁が決定を下した。 六代目山口組とは親戚関係にある松葉会(伊藤芳将会長=東京)の傘下組員が、ダンプカーを突入させる事件が1月に起き、区が敏感に反応を示した結果だった。「山口組の分裂抗争とは無関係にもかかわらず、足立区が事務所への使用差し止めを即座に申請した背景には、女性区長が警視庁出身というのも影響していたと思います。今後、両山口組の事件が起きたとなれば、警戒区域を拡大して、規制を掛けていくでしょう」(同) しかし、六代目山口組はブロック会議によって連携を保ち、中田若頭代行の不在によって苦境に立たされたかに見えた神戸山口組もまた、団結を強化しているのが実情だ。
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