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スポーツ 2017年12月19日 10時00分
相撲協会が貴乃花親方に下す「厳重処分」(1)
“実行犯”横綱日馬富士(33)が暴行事件の責任を取って引退し、大相撲界から去って半月が経過。書類送検されたにもかかわらず、事態は一向に進展を見せていない。被害者の貴ノ岩(27)はどこに潜伏しているのか、行方は杳として知れないまま。師匠の貴乃花親方(45)も沈黙は金とばかり無言を貫き、表立った動きをまるで見せていない。 対照的に、にこやかな表情を見せているのが、貴ノ岩が大怪我を負った暴行現場に同席し、貴乃花親方によってその責任を厳しく追及されている白鵬だ。目下、力士たちは九州一円をめぐる冬巡業中。そんな中、白鵬の周囲は、まるで何事もなかったかのような雰囲気に包まれている。日馬富士についても引退直後は無言を貫いたが、4日の長崎県五島市巡業ではこう話した。 「どういう言葉をかけていいか、見つからない。ただ、(マスコミの)皆さんを通じて、ああだ、こうだと言うつもりはありません。少し時間を置いて、本人に伝えられれば…」 白鵬の中では、もうすべては終わったことなのかもしれない。だが、火種は依然としてくすぶったままだ。 6日の福岡県直方市巡業では、こんな事件の核心を突くようなプラカードを持った男性が現れた。 〈主犯=白鵬、協会は解雇せよ〉 〈白鵬に一番非がある〉 これには、巡業関係者も一様に複雑な表情を浮かべるばかり。それにしても分からないのは、貴乃花親方の相撲協会に対する異常とも思える頑なな態度だ。貴ノ岩の診断書未提出問題も、その一つである。 大相撲界では、たとえ巡業でも、力士が休場する時は医師の診断書を添付しなければならない。もし、それがなければ、ズル休みと判断されかねないからだ。そのことは10月の秋巡業まで巡業を統括していた巡業部長の貴乃花親方が一番分かっているはずである。 ズル休みすればどうなるか。平成19年、朝青龍は急性腰痛症などの診断書を提出して夏巡業を休場中、モンゴルに無断帰国した上、サッカー元日本代表の中田英寿さんらとサッカーに興じていたことが判明。2場所出場停止、および4カ月にわたる減俸30%というペナルティーを受けた。 この朝青龍の二の舞になる危険性をはらんでいるにもかかわらず、貴乃花親方は冬巡業を休場している貴ノ岩の診断書提出をガンとして拒んでいるのだ。しかも、何の説明もなし。どうして貴乃花親方は診断書の提出を拒んでいるのか。 「もし提出すれば、またそれをめぐって痛くない腹を探られるからでしょう。九州場所を休場する時に出した診断書は危機管理委員会が再調査し、まるで自分たちの判断が間違っているような、あるいは嘘をついているような形で公表されましたから。そんな思いは2度としたくないと思っているんじゃないですか。相撲協会をまったく信頼していないんですよ」(担当記者)
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芸能 2017年12月18日 22時59分
弟愛で恋愛から遠ざかる土屋大鳳
女優の土屋太鳳が17日、都内で2冊目の写真集「初戀。」(東京ニュース通信社)の発売記念握手会を開催したことを、各スポーツ紙などが報じている。 各紙などによると、写真集は土屋の女優デビュー10周年を記念したもので、土屋自身がプロデュース。イベント前に土屋は会見し、今年を「変化を実感した1年でした。去年は変化を感じる時間がなかった」と振り返った。 来年は初舞台を控えるなど、また忙しくなりそう。学業に話題が及ぶと、「なかなか(大学へ)行けてないんですけど…先生と相談しながら、一つ一つ、ゆっくりでもいいから卒業にたどりつきたいです」と明かしたという。 土屋は前日16日、佐藤健とのW主演映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の都内で行われた初日舞台あいさつに出席していた。「土屋は日本女子体育大学体育学部運動科学科で舞踊学を選考。かなり実技も重視されているため、マメに出席しないと卒業はかなり困難。土屋がもっとアバウトな性格ならば、仕事か学校かどちらかを選んで専念するはずだが、生真面目な性格で両立しか頭の中にない」(映画業界関係者) そんな土屋だが、最近、話題になったのが同映画のPRのため出演した「櫻井・有吉THE夜会」(TBS系)。 弟のイケメン声優・土屋神葉もVTRで出演したが、土屋は「キャ〜!」と黄色い歓声。弟につい抱きついてしまうことや、心配でイベントにこっそり行ってしまうなど、ただならぬ弟愛を告白してしまったのだ。「土屋がこれまでうわさになった男性は、NHKの朝ドラ『まれ』などで共演した俳優の山崎賢人ぐらい。山崎は土屋の弟によく似ているからだと思われるが、一部で報じられてすぐに破局。結局、理想の男性は弟か」(芸能記者) 土屋の所属事務所としては、当分、男性スキャンダルを心配する必要がなさそうだ。
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芸能 2017年12月18日 22時54分
坂上忍「楽屋は牢屋」バイキングでの苦労を告白
12月15日に放送された『堂本兄弟2017 聖なる夜がやってくるSP』(フジテレビ系)に坂上忍が出演。『バイキング』(フジテレビ系)で司会を務め続けることの苦労を語った。 番組では、「今会ってインタビューしたい人は?」と質問され、「タモリさん」と答えた坂上。「(バイキングの司会を始めて)初めのうちは、なんて言うんですかね…、司会とかやったこともないですし…。ノリというか、勢いというか、そういうのでやってたんですけど」とバイキングの司会に抜擢された当初の不安を話し始める。「かれこれ3年半以上が過ぎ、毎日同じ時間に通って、毎日生放送にさらされるって、『あっ、こういうことなんだ!』って思って、今更感じるようになりましたね」と司会を始めて3年半が経過した現在、心境の変化が顕著に現れたようだ。 そして、「どうやって心のバランスを取っているのか…。自分の楽屋はもう牢屋だと思ってますからね」と30年以上、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)で司会を務めたタモリに司会を続ける極意を教えてほしいのだという。 また、『バイキング』で進行アナウンサーを務める榎並大二郎に、坂上について聞いたインタビューが流れる。「生放送をやっている関係もあって、時間に厳しい方なんですよね。番組が終わってから、坂上さんの楽屋で反省会をするんですよ。それが終わって、坂上さんが出られる時に、靴持ってそのまま外に出ていくんですよ。(靴を)履かないで。靴を履いてる時間を待たせるということも嫌みたいで、本当に時間に厳しい方なんだなというのをいつも思うんですよね」と語る榎並。坂上は「苦しくなる時がありますよね…」と時間がキッチリしていないと我慢ならない性分であることを口にした。 『バイキング』での坂上の言動は良くも悪くも大きな反響を呼んでいる。無茶な言動をしなければ、注目されなくなっている昨今のテレビ業界。司会業の苦労もあると思うが、それを乗り越え、今後もテレビ業界を盛り上げていってほしい。
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芸能 2017年12月18日 22時43分
紅蘭が自宅バレ、父・草刈は“近所の監視”で安心?
タレントの紅蘭が15日、「必殺!バカリズム地獄」(AbemaTV)に出演し、ファンに自宅が知られていると憤慨した。 この番組は“鬼ギレ”した瞬間をテーマとする番組。紅蘭も自らが激怒したことを問われ、「玄関を出る度に『写真撮ってください』とよく言われる」と、ファンに自宅を知られてしまっていることだと告白。「ゴミを捨てるのも気を遣う。今まで裸みたいな格好で行っていたから、それができない」と切実そうに語っていた。 しかも、紅蘭の自宅バレの原因は、ご近所さんであったことが発覚。ある日、紅蘭が愛犬を連れて散歩していると、「あそこを曲がったところ、草刈正雄さんの娘の紅蘭さんの家なのよ。あなたと一緒の犬を飼ってるわよ、紅蘭ちゃんも」と話しかけられたそうだ。 これには紅蘭も堪忍袋の緒が切れ、「お前かよって。ペラペラとこの人がしゃべってるんだと」とご立腹の様子だった。 しかし、そもそも現在、紅蘭が住んでいる一人暮らしの家は実家近く。要するに、父である草刈正雄宅の近くなのだ。草刈ら家族が住む家は世田谷区成城にあり、庭付きというセレブリティな豪邸。紅蘭が学生の頃は、学校までタクシーを使い、家族旅行も必ずファーストクラスを使っていたというから、近所でもお金持ちとして一目置かれていたことだろう。 「確かに、ただでさえ有名な草刈さん一家の近くに住まれていたら、嫌でも目立ってしまいますよね(笑)でも、実は草刈さんは、そのことを知らなくて、紅蘭さんはずっと忙しく家に帰ってきていないだけかと思っていたそうです」(関係者) 紅蘭といえば、最近、交際中の彼が覚せい剤で逮捕歴があることが発覚。しかも、逮捕のきっかけは、暴力を振るわれた紅蘭が警察に行ったことだというから穏やかではない。 その時は「めちゃくちゃショックでしたけど、それ以上に私が支えてあげなきゃと思った」と破局をしない決意を語っていたが、父としても近くに住んで、近所の人たちからの“監視”が行き届いていたほうが安心かもしれない…。
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芸能 2017年12月18日 22時20分
終了発表後初の企画もマンネリ「みなおか」のオワコンぶり
12月14日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)は番組終了発表後初の放送であったが、内容はいつもの「マンネリ」全開であった。「この日の放送企画は、お笑いコンビ、カミナリのボケであるまなぶの実家を訪問し、両親の手料理をごちそうになる企画と、長嶋一茂、石原良純、大鶴義丹の3名が出演し『うるさいおじさんナンバー1』を決める企画が放送されました。前者はとんねるずの2人がそろうも、後者は木梨憲武のみです。放送終了発表後初の放送で、この企画では視聴者は落胆してしまうでしょう」(芸能ライター) 同じく来年3月末での終了を発表した『めちゃ×2イケてるっ!』(同)の場合、「シュウ活」を宣言し各メンバーがやりたいことをやる企画をスタートさせ、「やべっち寿司」「単位上等!爆走数取団」など名物企画を復活させている。30年の蓄積がある「みなおか」でもそうした企画は見られないものだろうか。「『みなおか』では、9月に保毛尾田保毛男を約30年ぶりに復活させ、男性同性愛者を揶揄するような姿が時代にそぐわないとして大批判を浴びました。保毛尾田保毛男に限らず、とんねるずのコントに出てきたキャラクターや表現は、今なら問題となりかねないものも多い。そのため、『めちゃイケ』のように懐かしのあの企画を復活というわけにはいかないのでしょう」(前出・同) 『みなおか』は終了発表時の視聴率は5.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区平均)と大爆死したが、この様子では、14日放送分においても大した変化は見られないだろう。来年3月の放送終了へ向け伝説の出現は期待できそうにない。
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芸能 2017年12月18日 22時17分
松本人志や和田アキ子が失笑 松居一代に芸能界から疑問の声
17日放送の情報バラエティ番組で、15日に夫で俳優である船越英一郎との離婚記者会見を開いた女優の松居一代について、大物芸能人が次々と疑問の声をあげた。 松本人志がメインコメンテーターを務める『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、松居が電話を掛け「お母ちゃん、お母ちゃん」と話すシーンを見た松本が、「電話しだしたところで、よー見んかったわ」とコメント。 そして電話の際、聴衆から「頑張れ」と声がかかったシーンでは、「大衆演劇やがな…」とツッコミ。「電話、ホンマにしてる?」と疑問を呈す。さらに、松本は「レスポンスがおかしくないですか?お母ちゃんの間が短すぎないですか?」と指摘した。 また、同時間帯の『サンデー・ジャポン』(TBS系)でも、MCの太田光が「吉本新喜劇でボコボコにやられて『今日はこのくらいにしておいてやるわ』という感じ」とし、出演したテリー伊藤は「途中でお母さん電話するのは面白い。ちょっと流行るかもしれない」と発言。こちらも、松居の行動が「理解できない」ものであるとの論調だった。 そして、『アッコにおまかせ』(TBS系)では、MCの和田アキ子が「離婚したかったのは、船越君では」などと疑問の声。芸能界の大物たちから見ても、一連の松居の行動は理解しがたいものだと感じたようだ。「松居はもう芸能界に未練はないようですし、財産も十分なので、誰にどう思われても関係ないのでは。ただ、存在をアピールするために、また動画で何か発信するということはあるかもしれません。彼女が次にどのような動きを見せるのか、注目している人は多いようです」(芸能関係者) 松居は今後、どのような活動を見せるのだろうか?
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芸能 2017年12月18日 22時08分
地下アイドルの闇が明らかに、ギャラは中古家電?
12月16日に放送された「おしゃべりオジサンと怒れる女」(テレビ東京系)にフリーランスでグラビアアイドルをしている茜さやが出演し、地下アイドルの壮絶な闇を語った。 まず、茜はフリーになった経緯を話し始める。「そこ(事務所)は登録だったんですけど、あるグランプリのファイナリストに選ばれた瞬間、『登録じゃなくて所属だ』と(事務所の社長が)言い出して、銀座の真ん中で大ゲンカしたんですよ」と普段は一切マネージメントなんてしてくれないのに、都合の良い時だけすり寄ってくる事務所に嫌気がさしたのだという。 次に、地下アイドルのギャラ事情を赤裸々に語る茜。「DVDのギャラがうちくらいのレベルだと、20万円くらいもらえるんですよ。でも、友だちのグラビアアイドルは、ギャラが全然支払われなくて『遅いです』って言ったら、『この前、中古の洗濯機買ってやっただろ? それが君のDVDのギャラだから』みたいな…」とギャラをキチンと支払わない事務所は少なくないようだ。 司会の千原ジュニアは「今は何でご飯を食べてるの?」と質問し、茜は「撮影会」と回答。「怖い時もあるんですけど、50分くらいで1万5千円で1日5人とか」と、当然リスクはあるようだが、結構な収入が望めるらしい。そして、「撮影会ではやりたい放題な人もいっぱいいます。例えば、食べた後に出たお腹を撮りたいとか…」と語り、特殊な性癖を持つ人たちが撮影会に多く参加しているようだ。 さらに、茜は撮影会で一番嫌なことを話す。「半目とかメチャクチャ下から撮って(わざと)ブサイクに撮るんですよ。そのファンの人は、私のファンじゃなくて、他の人のファンで、それをネットに載せて…」とネガティブキャンペーンをする人たちへの怒りをあらわにした。 “地下”アイドルというだけあって、その実情はなかなか我々の耳に入ってこない。私たちの知らないところで、夢見る若者が食い物にされているのかと思うと、とても悲しい気持ちになってしまう。
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ミステリー 2017年12月18日 22時02分
都市伝説『ラーメンの材料』
寒くなると、暖かいものが欲しくなる季節になる。中でも屋台のラーメンは別格で、帰り道に寄って一杯味わって帰った経験のある人もいるのではないだろうか。だが、所謂グルメ系ライターの間で密かに囁かれていた、こんな都市伝説が存在するという。Wさんはかつて大のラーメン好きであった。ラーメン好きが高じてグルメライターのような仕事をやり始め、とうとうラーメンのグルメ本を出すに至った男である。そんなWさんが体験した話である。(あの店はとんでもない材料をスープに使っているらしい)(その材料は秘伝中の秘伝で他人には教えないが、その店のラーメンがクセになる原因となっているらしい)こんな噂を聞いたWさんは、某都市で開業する屋台ラーメンを訪れた。頑固そうな親父が経営する小さな屋台店であった。「いらっしゃい」武骨な親父はどこか職人気質を感じさせ、Wさんは確かな期待を予感した。「この親父できるな、問題スープの材料だな」Wさんは、親父が手際よく仕上げたラーメンをすすった。(旨い、確かに旨い、麺やチャーシューはなかなかの及第点だが、スープは抜群にいい、でもこの旨さ、いったいなんだ)Wさんは視覚、臭覚、味覚を駆使し、その原材料を探った。だが、どうしてもわからなかった。(こまった、この俺にわからない事があるなんて)Wさんは、ラーメンライターとして、敗北感に打ちのめされた。そして、覚悟を決め、店主の親父に土下座して原材料を聞いた。「頼む、教えてくれ」店の親父は一言こう言った。「このスープの原料は胎盤だ。みんな、胎盤の味は胎児の頃を思い出して安心するらしい。癖になるのはその為さ」ちなみにその後、あの味や親父の話が忘れられなかったWさんは何度かその町に足を運んでみた。しかし、あの人気の屋台ラーメンはその町から姿を消していた。もしかすると、誰も知らない場所でまた屋台を出しているのかもしれない。(監修:山口敏太郎)
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芸能 2017年12月18日 18時01分
大河終了で休業説が浮上した柴咲コウ
女優の柴咲コウ(36)が主演を務めたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の最終回が17日に放送された。 最終回の平均視聴率は12.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。全話平均視聴率は12.0%で歴代ワースト2位という結果になってしまった。 「話題になったのは旬の男・高橋一生が演じた小野政次ぐらい。政次が第33話(8月20日放送)で磔(はりつけ)の刑になり壮絶な最期を遂げると、インターネット上には“政次ロス”が広がり、異例の追悼CDが緊急発売された。政次の死後、ゆるやかに視聴率が下降。菅田将暉を出演させたものの視聴率アップとはならなかった」(放送担当記者) 大河放送中、柴咲は株式上場を目指すIT企業の社長に就任していることが報じられた。 一部報道によると、その会社は昨年11月に設立。今年3月に柴咲の所属事務所から、柴咲のファンクラブ事業を引き継ぎ、ファンクラブサイトで茶葉などを販売していたというが、このところ、事業に関しては停滞していたという。 「大河終了後、スケジュールは白紙。おそらく、今後は上場を目指して“副業”に本腰を入れることになるだろう。柴咲は独立を画策して事務所と揉めたこともあり、今後、積極的に仕事を入れることはなさそうで女優業は開店休業状態になりそうだ」(芸能記者) 柴咲の社長としての手腕が注目されそうだ。
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社会 2017年12月18日 14時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 鈴木善幸・さち夫人(下)
鈴木善幸は、初出馬では野党の社会党公認で当選を飾ったものの、2回目の衆院選ではナント与党の吉田茂率いる民自党にクラ替え出馬、当選を果たした。 しかし、この「革新」から「保守」へという“コペルニクス的転回”には、当然のように有権者からの批判がついて回った。「あまりに節操がなさすぎる」「“見通し”がよすぎるのではないか」というものだった。そうした背景には、当時、次のような見方があった。 「鈴木は社会党入りしたものの、理論至上主義と党内の内紛ぶりの凄さに、ホトホト嫌気が差したからという話が残っている。加えて、当時、2年連続の『キャサリン』『アイオン』の台風があり、この災害復旧には乏しい岩手県の財政援助だけでは無理があり、国の援助が待たれていたということもあったようだ。結果、現実的な懸案解決には、地元後援会の要請の一方で、もはや社会党ではダメという判断を自ら下したということのようだった。もっとも鈴木には、元々、思想的な裏付けは乏しかったという声がもっぱらだった」(岩手県の地元記者) ために、妻・さちは夫への「節操なし」の有権者の批判に耐えられず、以後、3回ほどの選挙では前面に出ることはなかった。のちに、鈴木が総理になって半年ほど経ったあと、筆者はさちにインタビューし、このあたりを質したことがある。夫が総理になったことで、すでにそのときのショックぶりはどこ吹く風、シレッとしてこう言い切ったものであった。 「主人は民自党入りには、誰にも相談していませんよ。『与党に入って国家予算を地元へ』という地元の要請に応えたということです。総理としての初の訪米の際には、アチラさん(米国)も、『川の流れは、ときとして変わるものだ。それによって、端にあったクイも真ん中になることもある』と理解を示して下さったのです」 ここでは、さちの“気丈ぶり”も、また知れたということであった。 こうしたさちの気丈さは、鈴木が総理に就任したときにして“全開”だった。鈴木の総理就任直後に、報道陣からファーストレディとしての心構えを問われたさちは、ピシャリとこう言ったものであった。 「カラスはカラス。白鳥にはなれません」 そうしたさちを見続けた夫妻の次男で、現・五輪担当国務大臣の鈴木俊一は、その横顔を次のように語っている。 「とにかく、母は家で政治家の親父の帰りをひっそりと待つというタイプではなかったですね。そら姉の小学校のPTAの会合だなんだと、私の子供の頃でもよく外で活動していた。また、新聞で親父がこう言った、ああ言ったと書かれますよね。おふくろは、よく読んでいました。親父はたとえ発言の真意を違って取られても黙っていましたが、おふくろは論調に文句をつけていた。親父が何か言われると、まず先に反論するのがおふくろだったんです。芯が強いというのか、“我”は確かに強く決して自分を曲げない。まあ、息子の私から見て、100点満点で75点の“政治家の妻”だったかも知れません」 その鈴木政権に“かげり”が生じたのは、総理になって2年が経つ頃だった。この間、政権のバックにいる「闇将軍」田中角栄元首相への自民党内の批判が、即、鈴木政権を徐々に追い込む形になっていったということだった。一方、こうした空気の中では鈴木が目指した「行財政改革」も遅々として進まず、田中はそれを指して「いつまでも芝居の幕を上げないと客は帰ってしまうぞ」と、“警告”の弁を口にしていた。これは、鈴木政権が一刻も早く実績を上げてくれないと、自民党内の「反鈴木」勢力の批判はさらに高まり、結果的には田中自身の権力維持に影を射すとの思いが強かったからと思われる。 結局、田中は鈴木政権に踏ん切りをつけることで、自らの影響力の温存を図った。影響力を残せるとの思いから、鈴木の後釜には中曽根康弘を担ぐのである。 鈴木は昭和57年(1982年)10月12日、ついに電撃的な退陣表明をした。権力抗争のはざまに揺さぶられる我が身を、よしとしなかったということであった。 その退陣表明の5日前、筆者はさちにインタビューをしている。振り返れば、ここでさちは筆者に退陣への“ヒント”を与えていてくれたのだが、惜しむらく、筆者は5日後の退陣を読み切れなかった思い出がある。さちは、こう言っていた。 「主人は人道的な人間なんですよ。カキみたいに、岩にしがみついてもという男ではありません。そのうち、分かるわ」 鈴木は「大宰相」の名前は残さなかったが、昭和53年、それまでの農林省の農業、林業に“水産”を加えた形で、農林水産省と名を変えた。それまでないがしろにされた漁業の重要性に、一貫して汗をかき続けた鈴木の、小さくはあったが金字塔と言えたのだった。小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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