「現場は都内の違法カジノ店だったね。その店のオーナーはもちろん、その筋の人だったよ。そこでホールのスタッフは(大麻を)さばいてこいと言われるわけ。キッチンの下に枯れ葉ドッサリだったね」とA氏は当時を振り返る。「オーナーさんが組織の中で在庫を抱えてたりすると、売って来いとなるわけよ」。やはり薬物とその筋は切っても切れない関係のようだ。
A氏の話は続く。「一番上のランクが100グラムで5000円。これはオランダの一番いいのを仕入れてたらしい。キセルを持ってると捕まっちゃうから、雑誌の紙を丸めてやるんだよ。当時はゴミ袋いっぱいにまとめ買いする客もいたよ。もちろんそんな客にはディスカウントしたね」
しかし、そんなヤバイ場所。揉め事などは起きたりしなかったのだろうか? 「もちろん違法な店で違法なモノを売買しているわけだから、最後は警察24時だよ。だけど店内で誰かが暴れたりなんてのはなかったね。客層はすっごくよかったから。芸能人もちらほら見たかな」とA氏は答え、「今もどこかで同じようなことが行われていることは間違いないと思うよ」と語る。
日本の麻薬問題の根は、想像するよりもずっと根が深そうだ。(E)