スポーツ
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スポーツ 2012年05月18日 15時30分
連盟が推薦枠未申請 しずちゃんの五輪は完全消滅!
ロンドン五輪出場を目指していたお笑いコンビ、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代(33=よしもとクリエイティブエージェンシー)の五輪出場が完全消滅した。 五輪出場権を懸けた「アマチュアボクシング女子世界選手権」(中国・秦皇島)に、女子ボクシング・ミドル級でエントリーしたしずちゃん。5月14日の2回戦では、シャフトーザ・ニザモワ(ウズベキスタン)に3回1分54秒、レフェリーが試合を止めるRSC(レフェリーストップコンテスト)で勝利。だが、15日の3回戦ではアンドレア・シュトローマイヤー(ドイツ)に、1回1分56秒、3度目のダウンを喫し、RSCで敗れた。同大会でアジア最上位になることができなかったしずちゃんの出場権獲得はならなかった。 残された可能性はミドル級ではアジアに1枠だけ設定されていた推薦枠。これは国際ボクシング連盟(AIBA)の第三者委員会が選考するものだが、日本アマチュアボクシング連盟は、この申請を行っていないという。同枠を希望する場合は、1月16日までにIOC(国際オリンピック連盟)に申請する必要があったのだ。 5月17日、連盟の山根明会長は「連盟としては申請文書を受け取っていないので、申し込みができなかった。出発前に何の説明も聞いていない」と釈明。同時に「女子の五輪出場はなくなりました」と明言。これで、いちるの望みが残っていたしずちゃんの五輪出場は完全消滅した。 日本アマチュアボクシング連盟では今世界大会での五輪出場権の獲得方法について、日本側の認識と実態が違っていたことが、現地に行って初めて明らかになる失態もあった。AIBA側の説明不足もあったかもしれないが、日本アマチュアボクシング連盟の不手際、確認不足は反省すべきところ。 釈然としない形で幕を閉じたしずちゃんの五輪狂想曲。当の本人は「自分の中ではまだ闘いが終わっていない気がする。まだまだ強い人とやってみたい気持ち」と現役続行を希望しており、来年5月のアマチュアボクシング全日本実業団選手権への出場を視野に入れたもようだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年05月18日 11時45分
イチローの『契約更新』に隠された(?)球界の年金事情
もう、そろそろではないだろうか。シアトルマリナーズのイチロー外野手(38)が、今季で5年契約を満了する。メジャーでは契約最終年を迎えた主力選手に対し、そのシーズン途中で再契約を交わす。本人の移籍志望が強い、あるいは、「チームが高額年俸を払ってまで引き止める必要はない」と判断した場合は別だが、マリナーズとイチローの友好な関係とこれまでの実績を考えれば、『残留=シーズン途中での契約更新』は間違いないだろう。 「年間200本安打の連続記録がストップしたイチローの評価は簡単ではありません。昨季は打率2割7分2厘と不振でしたが、今季は復調しています。昇給での契約更新になると思われます」(現地特派員の1人) そのイチローの契約には、日米間の野球格差も隠されている…。 08年から今季までのマ軍との5年契約では、イチローの年俸は1800万ドル(約21億円9000万円/更新当時のレート)と伝えられていたが、実際は違う(5年総額9000万ドル)。本当は「毎年1200万ドルずつ」が支払われ、残りの「9000万ドル-(1200万ドル×5年)=3000万ドル」は、5%の利息を付けて、2013年から2032年までの20年間に渡って、分割払いされる契約になっていた。「3000万ドル÷20年=150万ドル」。つまり、「150万ドル×年利5%」ずつが、イチローが59歳になる2032年まで支払われる計算だ。 150万ドルは今日のレートでも1億1250万円。イチローは当然、2013年の来季以降も現役を続けるはずだから、「新年俸+150万ドル」が支給される。メジャーでは年俸を満額支給せず、一部を分割払いにする契約は珍しくないそうだ。 また、メジャーリーグの年金制度だが、「1年」を172日間(登録日数)で計算し、10年で受給資格を得られるシステムになっている。経済状況によって若干の変動はあるそうだが、現時点で45歳からの支給を選択すれば、「毎年13万5000ドルずつ」(約1000万円)。62歳からの支給なら、「17万5000ドルずつ」となる(16万5000ドルで推移していた時期もある)。日本人プレーヤーで『10年の年金支給資格者』は野茂英雄、イチローの2人。松井秀喜は2011年シーズン終了時に「あと1年」となったが、3A以下は日数にカウントされない。ステータスとして、松井にも年金支給資格を得てもいたいが…。 詳細は省くが、たとえ1日でもメジャーでプレーすれば、僅かではあるが年金支給対象者となる。10年に到達しないで引退したメジャーリーガーたちは、その在籍年数に応じての金額が支払われるという。しかも、その掛け金は全額球団負担というから、興味深い。 これに対し、日本のプロ野球界は一、二軍を問わず、「10年以上在籍すれば受給資格者になれる」とされ、15年以上在籍で『満額』。国民年金と適格退職年金の併用だったころ、満額で「一律・毎年142万円」だった。確定給付企業年金法の改正により、適格退職年金は事実上なくなっており、選手会は新しい枠組作りを目指している。10年以下の年数で引退する選手は、その年数に応じた「一時金」が支払われる。日本円で2000万円近くが支給されるメジャーとの格差は、あまりにも大きすぎる…。イチローとマ軍が契約を更新したとき、NPBとプロ野球選手会・労組はどんな未来像を考えるのだろうか。※メジャーリーグの年金支給額は経済状況によって変動しており、2012年以降に定められる数値とも異なる可能性があります。
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スポーツ 2012年05月17日 15時30分
旧K-1運営会社FEGが破産! 新生K-1では魔裟斗がプロデューサー就任
民間調査会社の帝国データバンクは5月16日、格闘技イベント・K-1を運営していた株式会社FEG(東京・渋谷区)が、7日付で東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたと発表した。負債総額は調査中。 発表によると、ここ数年はスポンサー収入の減少やファン離れが進み、同社の資金繰りが悪化。選手へのファイトマネーの支払いも滞っていたという。 これを受けて、同社社長で旧K-1元イベントプロデューサーの谷川貞治氏が、同日、4月5日以来、約1カ月ぶりに旧K-1のホームページを更新。「ファン並びに、関係者の皆さまへ」と題して、コメントを発表した。 谷川氏によると、4月10日頃に東京地裁より、破産手続き申し立ての通達があったという。訴えたのは、K-1にセーム・シュルトらの有力選手を派遣していたオランダの格闘技ジム・ゴールデングローリーを運営するノックアウト・インベストメント社(バス・ブーン代表)。ブーン代表は10年の「K-1 GP 決勝戦」、同年大みそか「Dynamite!!」の2大会のファイトマネー未払いが解消されていないため提訴した。 裁判はゴールデンウイーク(GW)前に2回に分けて行われ、裁判所から破産の命令が下った。GW明けには管財人が決定し、現在は破産手続きに入っている。今後、FEGは管財人の管轄となり、公正に資産と負債が整理され、債権者に通達されることになる。 谷川氏は「K-1のために、これまで頑張ってくれたファイターや競技役員の皆さん、業者の皆さん、そして何よりも共に最後まで汗を流した社員の皆さんには、取締役の代表として申し訳ない気持ちでいっぱいです。今の私には謝罪しかできませんが、今後の人生で、その数々のご恩に少しでも報いたいと思っています」と語っている。ホームページ上では、これが最後のメッセージとなるもよう。 すでに、「K-1」の商標権は香港のK-1グローバル・ホールディング・リミテッド社(金健一社長)に移行し、同社運営のもと、新生K-1はスタートを切っている。世界大会は5月27日、スペイン・マドリード大会を皮切りに、年内は米国、台北で全5大会を開催予定。 皮肉にも、新生K-1は旧体制の破産が明らかになった同日に会見を開き、元K-1 WORLD MAX覇者の魔裟斗が、エグゼクティブプロデューサーに就任したことを発表。魔裟斗はマッチメーク、選手の発掘、競技全般の統括を担う。魔裟斗は「K-1を建て直して、格闘技界がナメられている状況を変える。選手たちに舞台を提供して、夢をつなげていきたい」と所信表明した。 隆盛から没落へ。世界的にイメージダウンしたK-1ブランドを再建するのは、生半可な努力ではできないだろう。新生K-1の再建は魔裟斗の手に委ねられることになる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年05月16日 15時30分
南海キャンディーズしずちゃん終戦! 猫ひろしに続き芸人の五輪挑戦は実らず
女子ボクシング・ミドル級でのロンドン五輪出場を目指したお笑いコンビ、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代(33=よしもとクリエイティブエージェンシー)の夢が砕け散った。 五輪出場権を懸けた「アマチュアボクシング女子世界選手権」(中国・秦皇島)に出場したしずちゃんは、5月14日の2回戦で、シャフトーザ・ニザモワ(ウズベキスタン)に3回1分54秒、レフェリーが試合を止めるRSC(レフェリーストップコンテスト)で勝利。国際試合で初勝利を挙げた。 翌15日の3回戦で、アンドレア・シュトローマイヤー(ドイツ)と対戦したしずちゃんは、1回1分56秒、3度目のダウンを喫し、RSCで敗れた。 五輪出場権を得るには、今大会でアジア最上位になる必要があったが、中国選手とカザフスタン選手がベスト8入りしたため、アジア最上位はならず。事実上、五輪への道はついえた。 悲願がかなわなかったしずちゃんは、「まだ全然やれる前に終わってしまった。悔しいとしかいいようがない。今日まで精いっぱいやってきて悔いはないが、最後まで闘いたかった」と涙。 まだ、今大会後に選考されるアジア枠1が残っているが、世界選手権での成績やこれまでの戦績、世界ランク(32位)からして、しずちゃんが最後の枠に選ばれる可能性は限りなくゼロに近い。 現行ルールでは女子ボクシングの定年は35歳と規定されている。国際アマチュアボクシング連盟(AIBA)では、この定年を引き上げる協議を進めている。その結果次第では、4年後に37歳になるしずちゃんにも再挑戦の資格が生まれるが、しずちゃんは「(今後は)今はまだ分かりません」と語った。 カンボジアに国籍を変えて、男子マラソンで五輪を目指した猫ひろし(34=本名・滝崎邦明=WAHAHA本舗)は、カンボジア代表に選ばれながらも、国際陸連の横やりにより、五輪出場が消滅。猫とともに、お笑い界からの五輪挑戦が注目された2人だが、共倒れに終わった。 猫は4年後に再びカンボジアから、チャレンジすることを表明したが、しずちゃんが今後どのような決断を下すか、注目が集まる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年05月16日 11時45分
ストイックな三浦知良、U23五輪代表の話題に表情がなごむ…経験を伝えてほしい!
キング・カズことサッカーJリーグ横浜FCの三浦知良選手が東京・文京区の日本サッカーミュージアムで15日、元川崎ヴェルディの北沢豪氏と、元横浜マリノス(現横浜F・マリノス)の水沼貴史氏と共に、日本マクドナルドと日本コカ・コーラのJリーグ20周年応援企画「マイ・Jクラブ・プログラム」発表会に登場し、トークショーを行った。 「マイ・Jクラブ・プログラム」は、応援するJクラブを登録し、そのクラブが試合に勝つと、お得なクーポンがもらえる新サービス。同日から開始。 トークショーではまず、Jリーグ開幕戦(1993年5月15日)に出場した北沢氏と水谷氏が登場。当時のユニフォームを持参した北沢氏は、「ユニフォームを持つと試合がしたくなる」と早くも興奮気味。水沼氏は、10チームで始まったJリーグの20周年を「早いな」と感慨深そうに振り返った。現在のJリーグは40チームで、J1とJ2というシステムが確立されているが、サッカーを取り巻く環境も変わってきており、サッカーを観る目も肥え、「選手もレベルを上げていかなければならない」と後輩に期待。 現在も現役選手として活躍するカズ。この日はジャケット姿だったが、赤いスーツでの登場も考えたという。しかし、赤いスーツは、「30周年のときのためにとっておこうかな」とおどけてみせた。「選手は、サッカーがうまくなるために毎日を過ごすべき」とストイックに語り、自分自身についても、「今日が終われば、明日の練習、試合の準備をして寝るだけ。そして、サッカーをするだけ」「明日、また新たな自分に挑戦していきたい」と語った。 また、Jリーグ20周年については、サッカーに集中する選手たちが活躍する一方で、そういった選手たちを支えている人たちには「いろいろな苦労があったのかなと思います」と語った。現役選手らしく、終始、ストイックな面を見せていたカズだが、話題がロンドンオリンピックに出場するU-23の若い日本代表に移ると表情がなごんだ。これからの日本を支えていく若いメンバーには、「これをいい経験にして、みんなに伝えていってほしい」とエールを送った。(竹内みちまろ)
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スポーツ 2012年05月16日 11時45分
NHK徴収員が契約書偽造し受信料が引き落とされる!
なんとも、恐ろしいNHK徴収員がいたものだ。 NHK鹿児島放送局の受信契約業務委託会社の男性社員が、鹿児島県霧島市の男性(70)の衛星放送受信契約書を偽造し、受信料半年分5440円が男性の口座から引き落とされていたことが、5月13日、明らかになった。 同放送局によると、委託会社社員は男性宅を2〜3月に数回訪問。契約書に男性の氏名と住所を記入、衛星放送の受信契約をしたように押印したという。契約書は2月29日付だった。 偽造契約書には男性名の署名、押印があったが、男性の筆跡ではなく、印鑑も男性が使っているものではなかった。男性はすでに地上放送の受信料を口座引き落としで支払っており、NHKは署名、押印が本人のものか確認しないまま、2〜7月分の衛星放送受信料を引き落とした。 引き落とされたのは4月26日付。5月1日に男性の家族が「両親は契約していないと言っている。NHK名義で身に覚えがない引き落としがある」と、NHKのコールセンターに問い合わせて発覚した。 社員は不正を認めているという。NHKは委託会社を通して動機を調べている。同放送局と委託会社側は、12日に男性側に謝罪し、5440円を返金した。 同放送局は、委託会社に男性従業員の処分に加え、他に同じような事案がないかの調査を要請した。 NHK鹿児島放送局の森田泰孝副局長は、「委託管理会社の管理不徹底により、このような事態を招き、お客さまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを申し訳なく思います。管理指導の徹底を行っていきます」とコメントした。(蔵元英二)
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スポーツ 2012年05月15日 15時30分
ケガだけではない!? 横綱・白鵬 不振の原因は師匠との不仲による心労?
大相撲夏場所(東京・両国国技館=5月6〜20日)で、V23を目指していた横綱・白鵬(27=宮城野)が明らかにおかしい。 初日(6日)、13連勝中だった得意の小結・安美錦(33=伊勢ケ浜)に押し出されて、08年九州場所(11月・福岡)以来、20場所ぶりに初日に黒星を喫した。2日目からは持ち直し、5連勝したものの、7日目(12日)から異変。前頭3枚目・豊響(27=境川)、関脇・豪栄道(26=境川)、関脇・豊ノ島(28=時津風)に3連敗を喫し、屈辱の4敗目を記録した。 3連敗は07年名古屋場所(7月)以来で、関脇以下からとなると横綱昇進後初。白鵬は初日の安美錦戦で、左手人差し指第2関節のじん帯を損傷していたが、9日目の取組終了後、師匠・宮城野親方(元前頭・竹葉山)が左手人差し指をはく離骨折していることを明かした。この日、白鵬と宮城野親方が話し合いの場をもったが、白鵬は休場しない意向で、10日目も強行出場することを決めた。 白鵬は07年名古屋場所で横綱に昇進以来、皆勤しており、「毎場所千秋楽までやり抜く。こんなことで気持ちが参ることはない」と、あくまで千秋楽まで取り切る覚悟。綱昇進後、白鵬の最悪の成績は07年名古屋場所、08年夏場所(5月・両国)の11勝4敗。強行出場して、1敗でもすれば、昇進後、ワーストの成績となる。最後まで出場することが横綱の責務と考えるか、横綱らしい相撲が取れないなら休場するかの判断はむずかしいところ。 ところで、この白鵬の突然の不振には、ケガだけが原因ではないというウワサも、まことしやかにささやかれている。場所前には師匠とのコミュニケーション不足で、立浪一門の連合稽古を無断欠席する事件があった。 白鵬と宮城野親方の間には、大島親方(元大関・旭國)の定年に伴う所属力士の移籍問題で、衝突があったとされる。白鵬は大島部屋所属力士の宮城野部屋への合流に動いたが、それを宮城野親方が断り、両者には深い溝ができ、その後、2人はろくに口も聞いていないという。 師匠との確執が原因で、相撲に集中できない環境が、不振につながっているのなら事態は深刻。白鵬はまだ27歳。これからも十分やれる年齢だが、このまま師匠との不仲が続くようなら、早期引退の目も出てくる可能性もありそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年05月14日 15時30分
セ・リーグは早くも大勢決まった!? パ・リーグは波乱含み
プロ野球は5月13日で同一リーグの闘いにひと区切りを付け、16日からセパ交流戦がスタートする。 セ・リーグは4ゲーム差のなかに、中日、ヤクルト、阪神、巨人の上位4チームが入り、首位から7ゲーム差で広島が5位、9ゲーム差でDeNAが最下位。広島、DeNAは戦力的にも劣っており、4強2弱の大勢が早くも決まった感がある。 2連覇を果たしながら、監督が落合博満から高木守道に代わり、3連覇に不安を覗かせていた中日は、2位ヤクルトに1差を付け単独首位。自慢の投手陣は健在で、チーム防御率は2.04でリーグトップ。昨年はチーム打率がリーグ最下位だったが、課題の打撃が向上。チーム打率は.248で、こちらもリーグトップで、首位への原動力となった。 高木監督は「貯金8というのはようできたんじゃないですか。それもこれもピッチャーがよう頑張ったから。バッターはまだまだですけど、しぶとくやれとるということ」と評価した。 スポーツジャーナリストのA氏は「上位4チームはこの先どうなるか分からないですね。首位中日も抑えの岩瀬(仁紀)、中継ぎエースの浅尾(拓也)が不安定で、勝てる試合を落としたり、引き分けたりしていますので、盤石ではありません。ヤクルトは抑えの林昌勇(イム・チャンヨン)不在で、首位まで1差はよくやっていると思います。イムが戻れば、さらに上が臨めるのではないでしょうか。序盤でつまずいた巨人ですが、戦力的にはナンバー1。現在は4位ですが、これからが怖いですね。2弱については、よほど新戦力が爆発的な活躍を見せない限り厳しいですね。このまま、定位置で終える可能性も十分です」と分析する。 一方のパ・リーグは昨年最下位のロッテが首位を走り、日本ハム、ソフトバンク、楽天が追う展開。5位西武は首位から7.5ゲーム差、最下位オリックスは8差を付けられている。パも4強2弱で、様相はセと同様だが、こちらは波乱含み。 前述のA氏は「ロッテの首位は意外でしたが、自力のあるソフトバンク、西武、オリックスが、このまま低迷しているとは思えません。パの順位は今後どうなるか、現時点では全く読めません」と語る。 好対照なセとパ。これから先は、同一リーグが対戦しない交流戦。これをどう乗り切るかが、優勝争いに向けてのカギになるのはいうまでもない。(落合一郎)
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スポーツ 2012年05月14日 11時45分
捕手不在! 西武ベンチに交錯したドラフト裏事情
不思議な巡り合わせである。埼玉西武ライオンズがベンチ登録して捕手を使い切り、外野手に臨時マスクを被らせた(5月10日/対東北楽天ゴールデンイーグルス)。ドタバタ劇が起きたのは8回裏一死の場面、三塁走者がタッチアップで本塁に突入。セーフのコールに西武・星孝典捕手(30)が怒って主審に詰め寄り、退場処分に下された。この時点で、西武ベンチには『登録捕手』が1人もいなくなった。スタメンマスクの炭谷銀次郎(24)、同日は指名打者で出場していた上本達之(31)はすでに交代しており、昨季まで捕手登録だった外野手・米野智人(30)もベンチに下がった後だった。緊急マスクを被ったのは、“外野手”の星秀和(25)だった。 炭谷、星秀和、星孝典が同じ日にマスクを被るとは−−。 星秀和が『元捕手』なのは有名だが、野手にコンバートされたのは炭谷のためだった。前橋工時代の星秀和は強肩捕手として名を馳せ、俊足、かつ「1番タイプ」のシュアなバッティングで高校野球フリークを唸らせていた。04年ドラフトで西武に指名されたが、プロ1年目のオフに野手転向を告げられた。それは俊足と打撃センスを生かしてのコンバートではなかった。「10年に1人の逸材」と称された平安高校の炭谷をドラフト1位したからである(05年高校生ドラフト)。「炭谷と競争させるべきではない」というのが、当時の西武首脳陣の判断だった。 星孝典は東北学院大学を経て、読売ジャイアンツに6位指名された(04年)。昨季途中、ライオンズに移籍してきた。星孝典も『大学屈指の強肩捕手』と称されていたが、巨人スカウト陣の評価は真っ二つに別れた。ともに譲らず、別の地区担当スカウトとメディア出身の球界要人に判断を仰ぐことにした。そのとき、野球界の要人は「それよりも、前橋工の星の方が良いと思う」と進言している。巨人は迷った。巨人が星孝典を選択した理由の1つに、「2学年下の岸孝之投手のスカウティングを優位に進めたかった」という政治的策略もあったらしい。 彼らは今、同じ西武のユニフォームを着ている。炭谷はもちろんだが、星秀和も星孝典もライオンズに欠かせない戦力となりつつある。その3人が同じ日にマスクを被る試合が実現するとは…。当時を知る関係者たちには感慨深いものがあったそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2012年05月13日 11時00分
親方衆は夏場所どころじゃない 大モメ必至の「親方株」の行方
まだひと悶着も、ふた悶着もありそうだ。 相撲協会が目指している公益財団法人への移行もいよいよヤマ場。4月17日、この問題を取り扱う「公益法人制度改革対策委員会」(委員長・九重事業部長、元横綱千代の富士)が両国国技館内で開かれ、すでに相撲協会が一括管理することで決定している名跡(年寄株)を引き取る際、親方たちに支払う特別功労金の額などを検討した。 要するに、名跡のお値段だ。名跡を取得した経緯は親方たちによって実にさまざま。実父や義父ら、親族から無障で取得した親方もいれば、それこそ全財産を注ぎ込み、銀行の長期ローンまで組んでようやく手に入れた親方もいる。また、取得した金額もバラバラ。 「中には、ものの値段がすべて高騰したバブル期に2億、3億という、いまでは考えられないような高値で購入した親方もたくさんいます。また、名跡を売ったお金を老後の資金に、と考えている親方も多い。それを相撲協会が一括して安く買い取ろうというんだから、揉めるのは当たり前。評議員会でも、激しい意見をいうヤツが相次ぎ、まとめるのは大変です」(担当記者) そんな親方たちのかけがえのない財産の引き取り額が間もなく決まる。委員の一人、深沢武久委員(元最高裁判事)によると、この日の委員会では、「そもそも名跡は協会のものだから、特別功労金を支払うのはおかしい」とゼロを主張する硬派の委員もいれば、「協会の支払い能力からいって、2000万円から3000万円がせいぜいでしょう」と話すワケ知り顔の委員もいたという。 相撲協会の台所は火の車。平成23年度は48億8000万円という過去最大級の赤字で、現金の預金残高も17億円にまで減少していることを公表したばかり。一代年寄の北の湖理事長らを含めて107人もいる親方たちに、高額の特別功労金を支払う余裕はない。 今後、協会事務局が額や支払い時期などの、いわゆるたたき台を作り、5月2日に再度話し合うことにしているが、果たしてどんな額で決着するか。夏場所初日(両国国技館)は5月6日に迫っているが、親方たちはそれどころではない。