NHK鹿児島放送局の受信契約業務委託会社の男性社員が、鹿児島県霧島市の男性(70)の衛星放送受信契約書を偽造し、受信料半年分5440円が男性の口座から引き落とされていたことが、5月13日、明らかになった。
同放送局によると、委託会社社員は男性宅を2〜3月に数回訪問。契約書に男性の氏名と住所を記入、衛星放送の受信契約をしたように押印したという。契約書は2月29日付だった。
偽造契約書には男性名の署名、押印があったが、男性の筆跡ではなく、印鑑も男性が使っているものではなかった。男性はすでに地上放送の受信料を口座引き落としで支払っており、NHKは署名、押印が本人のものか確認しないまま、2〜7月分の衛星放送受信料を引き落とした。
引き落とされたのは4月26日付。5月1日に男性の家族が「両親は契約していないと言っている。NHK名義で身に覚えがない引き落としがある」と、NHKのコールセンターに問い合わせて発覚した。
社員は不正を認めているという。NHKは委託会社を通して動機を調べている。同放送局と委託会社側は、12日に男性側に謝罪し、5440円を返金した。
同放送局は、委託会社に男性従業員の処分に加え、他に同じような事案がないかの調査を要請した。
NHK鹿児島放送局の森田泰孝副局長は、「委託管理会社の管理不徹底により、このような事態を招き、お客さまにご迷惑、ご心配をおかけしたことを申し訳なく思います。管理指導の徹底を行っていきます」とコメントした。
(蔵元英二)