社会
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社会 2017年01月12日 10時00分
移りゆくカラオケ業界で舵を切った 大量閉店「シダックス」の反転攻勢
新年会のシーズン、酒の席の後にカラオケで盛り上がるのは定番となっているが、昨年暮れにカラオケチェーン店の草分け的存在の『シダックス』(本社=東京都渋谷区)が、「脱・カラオケ宣言」をしたことが大きな話題となった。 業界2位のメガ・カラオケチェーンに何が起きたのか。ピーク時は全国に300店舗以上を展開し、'07年度の売上高は629億円と、業界断トツのトップだっただけに、店舗数を最終的に4割にするという動きは衝撃だ。 シダックスの志太勤一・会長兼社長は11月の決算説明会で、この大量店舗閉店に触れ「カラオケを食事付きの身近なレジャーという考えで作ってきたものが、時代にそぐわないものになった」と述べている。 経営アナリストが一連の動きを、こう言う。 「『シダックス』ショックは大きなものでした。何しろ'15年度決算では、カラオケ事業の資産減損で、71億円の赤字。'16年4〜9月期も34億円の赤字となったのです」 この業績悪化は、カラオケ市場全体の落ち込みが原因なのか。 一般社団法人全国カラオケ事業者協会の片岡史朗事務局長は、こう否定する。 「ここ6年、カラオケボックス市場は、微増ですが右肩上がりが続いています」 同協会がまとめた数値では、カラオケボックス市場の売上高(カラオケ利用料、飲食料金など施設利用料すべて)で、2010年の3790億円から'15年の3994億円と、5年間で200億円近く伸びている。利用者も2010年の4650万人から'15年には4750万人と、100万人近く増えた。 業界1位で『シダックス』と肩を並べてきた『ビックエコー』(第一興商)のカラオケ事業売上高は、'16年3月期で約568億円と対前年比7.7%増。また、業界上位に位置する『まねきねこ』(コシダカHD)も、'16年8月決算で276億円と対前年比16%増と好調。コシダカHDは、昨年11月に東証一部上場も果たした。 このように、業界全体を見ても、『シダックス』以外は比較的順調。では、どこで歯車が狂ったのか。志太社長が指摘するように「食事付レジャー型」が支持されなくなったのか。 経営アナリストが言う。 「『シダックス』のカラオケは、和食レストランが不振だったことから取り入れたことが始まりです。もともと企業や病院の食堂運営、給食事業など食部門に実績を持つ企業。その食を取り入れた、大きくて綺麗で、美味しい食事が一体となった“レストランカラオケ”が受けて、飛躍的に伸びてきました。忘年会や新年会などで、宴の最初からシダックスで貸し切ってやるのが大流行し、さらに事業を伸ばしてきたのです」 このように“飲食依存度”が高いことから、『シダックス』は出店に際しても、ロードサイド店舗の場合は700坪以上、都市型店舗の場合にも最低300坪以上の大型物件を狙わざるを得なかった。これは飲食込みで一店舗当たりの売上高を大きくしたいため。しかし、出店費用も、維持費用もかさむことになったのだ。 一方の他のチェーン店は、一定規模のルームを確保できさえすれば積極的に出店を行い、格安カラオケ競争に拍車をかけた。カラオケで歌を歌いたい人たちは室料ゼロ、飲食持ち込みOKで、安いカラオケボックスへと流れる。そこへ“一人カラオケ”などの流行りなど、歌に特化する傾向がさらに強まった。 「つまり、“食べる、飲む”分野がかなり減っていき、同時に大きな箱で多くの人がパーティーをする形式の『シダックス』は、徐々に時代と齟齬が生まれ始めたのです」(同) 『シダックス』の不採算店は、持分法適用会社化で別子会社に移すなどして、後処理は円滑に進んでいる。そのため本体への店舗閉鎖の影響は限定的だという。また、ケースによってはカラオケ店舗の空いたスペースを、カルチャースクールやフィットネス、エステ施設に改装する予定もある。 「他の業態を模索しながら、“そこにカラオケもある”という複合業態を目指す方針だという。さらに今後の業務の柱は、給食事業に加え、自治体の車の運転代行や放課後の児童支援施設などでの人材派遣で膨らませる方向だといいます」(経営アナリスト) ただし、バラエティー番組を見れば“カラオケバトル”といった内容の視聴率も比較的好調で、アベノミクスも浸透しない中、安近短レジャーのカラオケは再びジワジワと人気を上げつつあるのが現状だ。 ワンカラ(一人カラオケ)にも力を入れるコシダカHDでは、ボックスを勉強室にしたり他の楽器演奏、さらには英会話も学べる空間にするなどの多様化を進める。そんな中、カラオケの草分け的存在、『シダックス』は、どう変わっていくのか。今後の攻勢に注目だ。
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社会 2017年01月11日 10時00分
韓国・朴槿恵大統領とダブる小池百合子都知事の末路
「小池さんも近い将来、朴大統領の二の舞にならなければいいが…」 昨年暮れから、そんな懸念の声が小池百合子東京都知事の周辺から聞こえ始めている。友人の雀順実被告に国家機密を漏らし便宜供与を図った疑いで崖っぷちに立たされている、韓国の朴槿恵大統領と「同じ1952年生まれの64歳、注目を集めるまでに至った経緯も似ている」というのがその理由だ。今の小池氏に、朴氏のような危機は訪れるのか。 まず、2人の共通点について全国紙政治部記者がこう語る。 「朴氏は第5代〜9代韓国大統領・朴正煕の長女として、銀のスプーンを咥えて生まれた超セレブ。対し小池氏は芦屋の石油貿易商の娘ですが、父親が大の政治好きで衆院選にまで出馬している。幼いころから政治が身近にあった環境は似ています」 朴氏はキリスト教系の中高一貫校から工業系の大学に進学、後にフランスの大学に留学し、世界の風を肌で感じている。 一方の小池氏も、関西私立の名門、甲南女子中学、同高校に進学。関西学院大に進むが中退し、カイロ大学を卒業。やはり世界に目を向けていた。 朴氏は1974年に母親の暗殺後にフランスから帰国し、父親のファーストレディ役を務め、政治センスに磨きをかけた。さらに父親の暗殺後は政界デビューのチャンスをうかがい、'98年には国会議員補欠選挙に当選、以後はハンナラ党の要職を歴任し、2004年に党代表となった。 「“ハンナラ党のジャンヌ・ダルク”と呼ばれ、朴人気は一気に高まった。盧武鉉政権を徹底的に批判したことから、盧武鉉支持者からカッターナイフで切りつけられるという事件にも巻き込まれている。しかし、この危機がさらに人気を沸騰させ、同党の大躍進につながったのです」(韓国政界事情通) '12年、ハンナラ党はセヌリ党に改称し、朴氏は同党の大統領候補に選出。韓国初の女性大統領の座を勝ち取った。 一方の小池氏は、カイロ大で身につけたアラビア語を武器に、当時、米レーガン大統領から「狂犬」と呼ばれた反米主義のリビアのカダフィ大佐、PLOアラファト議長をスクープインタビュー。テレビ東京のキャスターから'92年には政界に転身した。以後は小泉政権下の環境相でクールビズを普及させ、安倍政権下で防衛相、さらに自民党総務会長を務め、都知事出馬と政界を駆け上ってきた。 「朴氏は両親が暗殺され、自分も危うい目にさらされる崖っぷちでも、突き進む姿勢を貫いてきた。小池氏も都知事選出馬、豊洲新市場問題や東京五輪の予算削減など、自ら崖っぷちに身を投じて戦う。その作戦で周囲を巻き込み、“劇場”を作り上げてきたわけです」(自民党ベテラン議員) 朴氏は大統領の就任演説で、「北朝鮮が核放棄するのであれば幸福な統一時代の基盤を作る」とし、さらに米、中、露のトップらと積極外交を展開。支持率は63%にまで達した。小池氏も知事就任後から高い支持率をキープしているが、そんな中、「昨年の朴氏のように今年は小池氏にとっての厄年になるのではないか」との声が聞こえてくるのだ。 「朴氏の凋落の発端は、'16年10月末、韓国のテレビ局が崔順実被告が処分したパソコンを入手し、そこから崔被告が大統領の演説の草稿などの文書44件を発表前に受けとっていたことが判明。弾劾裁判まで追い込まれた。しかし、この疑惑は以前から噂になっていたことで、朴人気のもと、ただ曖昧にされていただけなのです」(前出・韓国政界事情通) 小池氏にも、まだ徹底して調べられていない“疑惑”が複数ある。 「'05年の衆院選直前、小池氏が代表を務める自民党東京都第10支部が、環境省のコンベンション事業を5460万円で随意契約した企業から100万円の寄付を受け取っていたという話がある。さらに闇金業者からの献金未記載問題が『週刊新潮』(12月29・1月5日号)により報じられた。それによれば、闇金関係者が'12年に1枚2万円のパーティー券を計100枚200万円で購入、小池氏サイドに支払ったと明かしている。しかし、その記載はどこにもなく、1回のパーティー券売買の上限(150万円)を超えているという。小池氏はブラックマネーの存在を否定しているが、疑惑がくすぶり始めているのです」(前出・全国紙政治部記者) これらを踏まえ、小池氏のシンパはこう語る。 「それらがもし事実であれば、朴氏同様、人気の反動から一気に追い詰められることになるでしょう。この酉年は、小池氏にとっては“ポスト安倍”候補に飛躍するための大事な年。乗り切るためにも疑惑は一掃しておかなければならない」 '16年末に行われた産経新聞とFNNの世論調査で小池氏は、“ポスト安倍”に相当する人物として第4位にまで浮上している。 都議会自民党都議3人が会派を離脱、新会派を作り小池氏との連携を図るなど、いよいよ新党立ち上げへ向け足場が固まり始めた小池劇場。しかし、勢いの陰に隠れた闇の部分を放置すれば、朴大統領と同じ末路をたどりかねない。
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社会 2017年01月10日 10時00分
2017年 巨大地震源に抱かれる日本列島 常に備えよ! 明日は我が身
もう地震を予測する時代は終わっているという。それほど地域を限定する地震予知は難しいのだ。今までの予測の確率は限りなくゼロに近い。だが、それでも必ず巨大地震はやってくる。自然災害に備えて心の準備だけはしておきたい。地震の原理、原因と誘発する関連性は証明できるからだ。 「東日本大震災の後に福島原発近くの井戸沢断層で直下型の地震がありましたが、茨城県で起きた地震はそれと同じタイプの誘発地震。今後も起きる可能性は高いでしょう」 こう語るのは、地震学者で武蔵野学院大特任教授の島村英紀氏だ。 昨年12月28日午後9時38分ごろ、茨城県北部を震源として発生した地震(M6.3)は、同県高萩市で震度6弱を記録。被害は少なかったが、11月13日に起きたニュージーランドでの地震(M7.8)から10日も経たないうちに福島県沖を震源としたM7.4が発生した後だけに、特に関東圏に住む人は肝を冷やしたことだろう。 「太平洋プレートは、年間約10センチ、西北に向かって動いています。そのスピードと、接するプレートにかかるプレッシャーは北から南まで同じ。そのため、私はニュージーランドやパプアニューギニアで大地震が発生すると警告を発していました。今は、日本列島を含めた太平洋の西側全体に同じようなプレッシャーがかかり続けている状態なのです」 とは、琉球大名誉教授の木村政昭氏。 国の研究機関などは、しきりに南海トラフでの巨大地震について警鐘を鳴らしているが、木村氏は次のような見解を示す。 「南海トラフ巨大地震は、100年から150年周期で繰り返されています。前回、第2次大戦終戦前(1944年=昭和東南海地震)と終戦後(46年=昭和南海地震)に発生したものは小ぶりだったため、次回起きた場合は超巨大になると思われますが、私はその時期を30年先と見ています」 では、今回の茨城県の地震は、どこで発生する地震の前兆現象と言えるのか。 「各研究機関は茨城県も含め、昨年起きた熊本地震や鳥取中部地震、福島沖地震を南海トラフ地震と関係づけて分析しているが、私は伊豆、小笠原諸島近辺の、地震の発生が少ない空白域からのプレッシャーと見ています。これらは空白域で起きる巨大地震の前兆現象に過ぎず、その本命が発生した場合、大津波が首都圏を襲うのです」 島村氏もこう続ける。 「超巨大地震の誘発地震は、数十年経過しても発生し続ける。ここ最近を見れば、福島県沖そして茨城県と、震源が南下している。今後、これがさらに南下することも考えられます」 だが、関東ばかりと油断してはいけない。いつどこでも昼夜関係なくその恐怖は牙をむく。巨大地震はいつでも日本列島を抱き込んでいるのだ。
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社会 2017年01月07日 17時00分
寒い日に食べたくなる! 熱々の「おでん」がもたらす健康効果とは
いよいよ寒さも厳しくなってきました。身体が芯から温まるようなものを食べて、寒さをしのぎたいものです。そんなときによく食べられるのが、おでんです。 コンビニなどでもよく目につくところに置いてあるので、つい買ってしまいます。しかし、いったいおでんは身体にいいものなのか。関東風や関西風といった種類があることは聞いたことがあるけれど、具体的に何が違うのかなど、詳しくは知りませんよね。 今回は、おでんについてその由来や栄養面などについてご紹介します。■おでんの由来 おでんは古くは室町時代、豆腐に味噌を付けて食べたことが始まりとされています。それが時とともに食べ方も変化し、江戸時代の頃には煮込むスタイルになりました。最初の頃は“味噌田楽”と呼ばれていたものが、“お田楽”になり、“おでん”となったわけです。 おでんは地域によって味付けも変わり、大きく分けると関東風と関西風。関東風は醤油と砂糖で濃い目に仕上げるのに対し、関西風は薄口醤油であっさりとした味になります。入れる具材にも違いがあり、かつては“ちくわぶ”は関東、“牛すじ”は関西、などありましたが今はさほど差はなくなっています。■おでんの健康効果 おでんの栄養面やカロリーについて、医師の小田切先生にお聞きしました。 「おでんといえば、具材で多くの割合を占めるのが、はんぺんやちくわ、さつま揚げといった練り物でしょう。練り物は、魚の肉をすりつぶして加工して作ったもの。主原料は魚であり、良質なたんぱく質を豊富に含んでいます。たんぱく質は、皮膚や内臓や筋肉を構成し、カラダには欠かせない栄養素です。がんもどきなどは“畑の肉”とも言われる大豆が主原料です。たんぱく質に加え、炭水化物や脂質などをバランス良く含んでいます。ほかにも、大根や昆布は食物繊維が豊富であり、整腸作用が見込めます」■ダイエット向きの具材は 「おでんはヘルシーでダイエット向きと思われるかもしれませんが、具材によってカロリーがかなり違います。練り物系などは比較的高カロリー。玉子や餅巾着なども高いです。カロリーの低いおでんというと、大根や昆布、こんにゃくといったところでしょう。それぞれ食物繊維が含まれていて、整腸作用により腸の働きが活発になると、代謝もアップ。食べ続ければ痩せやすい体づくりにつながります」 おでんは意外と歴史も古く、奥が深いです。具材の種類も様々あり、変わり種などもあるので、ひとつひとつじっくり味わってみてはいかがでしょうか。あまり頬張って火傷などしませんように。【取材協力】小田切ヨシカズ湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。
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社会 2017年01月07日 12時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第50回
田中角栄が重要ポストに就くと、運命的と言うべきか必ず目前に難問が立ちはだかったとは、以前、記している。郵政大臣時は、大量申請の中から至難のテレビ予備免許裁きであったり、大蔵大臣時は金融恐慌危機、すなわち「山一證券」の救済などである。「天下取り」決戦目前での通産大臣就任が、また同じであった。 田中通産相の前に立ちはだかっていたのは、当時、最大の懸案といわれた日米繊維交渉であった。米国は、時に貿易収支が悪化しており、その大きな要因の一つに日本の繊維製品輸出の増加を挙げ、自主規制を強く求めていた。しかし、田中の前の通産相の大平正芳、宮澤喜一(共に後に首相)は事態打開に立ち向かってはみたものの何ら糸口を見い出せず、3年間にわたり交渉は暗礁に乗り上げたままだったのである。特に、時のニクソン大統領は自らの大票田の南部諸州の繊維業者の突き上げもあり、姿勢は強固そのものであった。 ところが、日本側が米国の貿易収支の悪化を分析すると、必ずしも日本の繊維製品の輸出で米国の業者が大きな被害を受けている事実はなく、ために日本国内の繊維業界は輸出規制に断固反対、これが繊維交渉が暗礁に乗り上げていた原因だったのだ。こうした中で、田中に交渉打開のお鉢が回ってきたということだった。 佐藤栄作首相は、この難局をなぜ田中に託したのか。大きく二つの思惑があったとされる。 一つは、昭和44年11月の佐藤・ニクソン会談で3年後の沖縄返還がすでに決まっており、それを実現させるには、何としてもその前にこの交渉の決着を図らねば、という思いがあった。その決着には、田中のラツ腕に頼るしかないということだった。もう一つは、自分が退陣した後の後継「意中」は福田赳夫(後の首相)というのが佐藤周辺の大方の見方であり、対米配慮派の外務省のトップにあえて福田を持って来、外務大臣として傷を付けずに“温存”したいという思いもまたあったとみられる。 そうであれば、田中の通産相就任は“貧乏くじ”を引かされたと見ることもできたのである。 なるほど、「ポスト佐藤」を田中と定めた面々からは、「何でこんな時期に泥をかぶるんだ。交渉打開できずとなれば、首相への目がなくなりかねない」と不満の声も出た。しかし、田中はこうした声に、こう答えたものであった。「いいんだ。佐藤政権の最後の責任はオレがすべて取る。あえて、“火中の栗”を拾う」と。 田中は死に物狂いで、交渉に立ち向かった。通産相就任後わずか10日後には、ニクソン大統領の特命を受けたデヴィッド・ケネディ特使と会談。これまで暗礁に乗り上げていた問題点を整理、独自の戦略を練った。その後も、一方で米国通商政策のキーパーソンらと秘密交渉をやっては情報を取ったりしていた。当時のこの日米繊維交渉を取材した政治部記者の、こんな証言が残っている。 「米国の関係者や通産官僚たちも、一様に田中の弁論能力に舌を巻いていた。『弁舌の鮮やかさ、弁論の切り口、理解力、頭の回転の早さなど、どれを取っても当代一流』という声に集約されていた。例えば、言うべきことも、ハッキリ言う。『貿易とは、複数の国を相手にしている。貿易黒字の相手もあれば、赤字の相手もある。日本は米国に対しては黒字でも、産油国に対しては赤字だ。米国だって、同じではないか。2国間で、常にバランスを保たなければならないという考え方には無理がある』と、突き放したりもしていた。戦法は相手の論理に合わせ、相手の土俵に上がって理路整然と切り返すのが常だった。まさに、『決断と実行』を標榜していた田中流の交渉術だった」 米国に対して、そうした姿勢で臨む一方、強固に安易な交渉妥結に反対する日本国内の繊維業者をどう説得するかもカギであった。 そうした業者の幹部を前に、田中はこう言い切った。 「君らの言う通り、主張はしてきた。しかし、このまま主張だけを続けていていいのか。主張だけでは、問題の解決はない。日米間の長期的国益を考えれば、多少、理不尽であっても、ある程度、米国の要求はのまなくてはならない。その代わり、日本の業者は責任をもって救済する」 こうした国内業者との会談、説得は実に数十回にわたって行われたものだ。田中の解決への意気込みが伝わってくる。 そして、通産相就任から3カ月、最後の日米間の政府間交渉が行われた。相手は変わらず、ケネディ大統領特使であった。田中は得意の数字を連発、説得に出、気迫で勝負する政治家らしく、ピシリとこう言った。 「いいですか。あなたがこれを拒否すれば、日米間は大変なことになると思ってもらいたい。その場合の責任は、あなたにあることになるッ」 ケネディ特使はこの“脅し文句”にほうほうの体で帰国、ついに交渉落着への決断を示すことになるのである。(以下、次号)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2017年01月06日 12時00分
有力候補各地でバトル加熱 カジノ解禁に食指動かす日本企業の思惑
統合型リゾート(IR)推進法案、いわゆるカジノ法案の成立で、最終候補地やカジノ関連企業、ゼネコンが、早くもしのぎを削り始めている。 それにしても、これまでギャンブル依存症の増加を懸念する慎重論などで廃案の憂き目にあってきたカジノ法案が、ここへきて一気に可決されたのはなぜなのか。官邸事情通が言う。 「トランプ次期米大統領の誕生と、11月にトランプタワーで行われたトランプ・安倍対談の影響が大きいと言われている。トランプ氏は、日米安保やTPPの問題よりも、安倍首相にカジノ法案の早期可決を強くうながしたと言われているのです。理由は、トランプ一族の系列企業がカジノ事業を手掛けることもあるが、それ以上に、大統領選でトランプ氏サイドに30億円近い選挙資金を拠出し、最側近として動いていたのが、カジノ王のラスベガス・サンズのアデルソンCEOだからです」 アデルソン氏といえば、これまで何度も来日し、日本でのカジノ法案の早期通過を熱望し、可決した暁には1兆円の出資を豪語していた。トランプ氏が、まずは日米信頼関係の再構築の第一歩として、安倍首相にカジノ法案の可決成立を強く望んだ可能性が高いというのは、実にガテンのいく話だ。 そのような背景で可決に至り、候補地はカジノ特需への期待で沸騰中。'15年2月、政府は有力候補地として横浜と大阪を挙げており、その流れは今も変わらない。 横浜の場合は、なんと言っても菅義偉官房長官のおひざ元という点が大きい。 「山下埠頭を中心とした約50ヘクタールを中心に展開し、建設費用は約6000億円と言われる。この横浜カジノを強力にプッシュするのは“ハマのドン”とも呼ばれ横浜港荷役をまとめ上げてきた藤木企業の藤木幸夫会長。菅氏も林文子横浜市長も、藤木氏には頭が上がらないほどですからね」(横浜財界関係者) では、この横浜カジノに名を連ねる有力企業はどこか。まずは三菱重工横浜造船所跡地に『みなとみらい21』を展開する三菱地所が、引き続き開発のキーを担うという。さらに、安倍首相と親交のある里見治氏が会長兼社長を務めるセガサミーHDも動く。 「セガはゲーム・パチンコメーカーのため、カジノ運営のノウハウは欠けていた。そのため国内カジノの運営の準備も兼ね、'14年には韓国カジノ運営最大手パラダイスグループと合弁会社を立ち上げた。'17年にはソウル近郊に1400億円を投じ、カジノリゾートをオープンさせる予定で計画を進めています。ただし、横浜カジノの運営企業の大本命は、なんといってもラスベガス・サンズ。セガは、そのサンズと合弁会社を立ち上げる可能性もあります」 また、羽田から三浦半島までの鉄道網を持つ京浜急行電鉄も、横浜カジノで大飛躍を期待する。 「京急は、みなとみらい地区に横浜市から土地を購入し、本社を品川から横浜市に移転させる。さらに、ホテルや飲食関連で企業連合を立ち上げて6000億から1兆円を集め、IR施設を計画中との話もあります」(横浜財界関係) 一方の大阪は、'25年に予定される万博とカジノ特区をセットで、大阪市此花区夢洲に約390ヘクタールを用意する計画だ。 「運営会社としては、東がサンズなら大阪は米MGMリゾーツ・インターナショナルが最有力。こちらもラスベガス級の米最大IR企業で、最低5000億円〜1兆円規模の出資が可能だという。大阪には他に、マカオのカジノ王、スタンレー・ホーのグループも訪れている」(IR関係者) ゼネコン関連では大林組、海洋建設に強い五洋建設、奥村組が有力視されている。さらに夢洲に広大な土地を所有する物流企業の山九、ホテル不動産も強い阪急グループも虎視眈々という。 「横浜、大阪が有力と言われる中、東京も、カジノ推進派と言われる小池百合子都知事の就任で、再びチャレンジすると言われている。お台場が有力視されていた際、三井グループや鹿島建設、フジ・メディアHDが動いていたが一度は消えた。再度となれば、シンガポールのマリーナベイ・サンズのホテルを手掛けた鹿島を中心に復活となる。サンズの本音は東京で、横浜は厳しくなります」(同) 大阪の対抗としては、二階俊博自民党幹事長の出身地、和歌山県も可能性が出ている。 「西の企業では澤田秀雄社長率いるハウステンボス(長崎県)も誘致を熱望している。ほか、紙幣の識別機械製造を手掛ける日本金銭機械や、メダル計数機を製造するオーイズミの株は値上がり傾向。カジノとなればセキュリティー関連も重要視されるため、アルソックやセコムも注目されます」(企業ライター) 儲けるのはどこか。
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社会 2017年01月05日 12時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 アベノミクスの終焉
財務省が、今年度の税収見積もりを下方修正する方針を決めた。その結果、今年度の税収が7年ぶりに前年度実績(56兆2854億円)を下回ることが確実となった。税収減の最大の原因は、企業業績の低迷から、法人税が振るわないと見込まれるためだ。 安倍政権が発足した'12年度に43兆円だった税収は、その後、44兆、47兆、54兆、56兆円と、順調に拡大してきた。税収は、毎年のように当初見積もりを上回り、それを原資に補正予算を組んで景気を刺激したことも、経済の好循環を生む原因になった。 税収が増えた大きな原因は、消費税率の引き上げだが、法人税も税率を大幅に下げたにもかかわらず、'12年度の10兆円から昨年度の12兆円まで、毎年順調に増えてきた。企業収益が大幅に増加していたからだ。 ところが、その企業収益が減少に転じた。その理由は、二つある。 一つは、円高の進行だ。'16年年初の為替は、1ドル=120円だった。それが一時期100円割れ寸前まで行った。その結果、輸出関連企業の業績が大幅に悪化してしまったのだ。 円高の進行の原因は、日銀が追加の量的金融緩和を一度も打てなかったことにある。日銀が400兆円を超える国債を保有するにいたったことにより、買える国債のタマがなくなってしまったのだ。 国債をどんどん買って、資金供給を増やすというアベノミクスの根幹が限界を迎えたということだ。現時点では、米国の利上げを織り込んでかなり円安に振れているが、トランプ大統領が正式に就任すれば、日本の金融緩和を強くけん制してくるので、再び円高トレンドに戻るだろう。当然、製造業の収益は伸びないことになる。 企業収益が減少に転じた二つ目の理由は、消費不振だ。10月の「家計調査」によると、物価変動を調整した実質家計消費が、8カ月連続で前年同月を下回った。うるう年調整をすると、事実上14カ月連続のマイナスとなる。 アベノミクスで経済のパイは大きくなったが、それは企業収益の拡大に回され、労働者には、ほとんど回らなかった。しかも、そこに消費税の引き上げを重ねたのだから、消費が失速するという当然の事が起きたのだ。 消費税の引き上げ前、多くのエコノミストは、消費不振は3カ月で終わると言っていた。駆け込み需要で買い込んだ日用品や食料品は3カ月で食いつぶすからだ。ところが、'14年4月の消費税率引き上げ後、実質消費は13カ月連続のマイナスとなってしまった。そして、数カ月のプラスを挟んで、また、さらに14カ月連続のマイナスとなっているのだ。 振り返れば、'97年に消費税率を3%から5%に引き上げた後、日本経済は'15年デフレに突入した。やはり、消費税率の引き上げは、日本経済に壊滅的な悪影響を与えることが、今回、改めて分かったのだ。 すでに景気後退のリスクが高まっている以上、再びデフレに戻ることを警戒しなければならない。しかし、アベノミクスの根幹である金融緩和が封じられてしまうのだから、やるべきことは、たった一つしかない。それは、消費税率の引き下げだろう。
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社会 2017年01月04日 12時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第203回 安倍政権の緊縮財政
国会会期末の12月14日、日本政府は公的年金の支給額を賃金に合わせて切り下げる新ルールを盛り込んだ年金制度改革法案を成立させた。この新ルールでは、現役世代の平均賃金が下がった際に、たとえ物価が上がっていたとしても賃金の下げ幅に連動して年金支給額が減らされることになる。 当たり前だが、年金を引き下げられた年金受給者は、普通は消費という「需要」を減らすだろう。総需要の不足というデフレーションに苦しめられている国が、さらに消費が縮小する可能性が高い年金制度にシフトするわけだ。 それ以前に現役世代の平均賃金が下がり、将来的な年金支給額が減らされるという「可能性」があるだけで、年金受給者は消費を控え預金を増やす可能性が高い。デフレからの脱却が果たせない段階での今回の年金制度改革は、明確な「デフレ化」政策なのだ。 また、財務省が2017年度の国債発行額について「4年連続で減らす」との報道が流れている。 左ページの図(※本誌参照)は日本政府の資金過不足の状況だ。 資金過不足とは、政府、家計、企業といった経済主体別に「資金が余剰で他の経済主体に資金を供給している状態にある」か、もしくは「資金が不足して他の経済主体から資金を供給されている状態にある」か否かを示す指標である。 経済主体が獲得した所得以上の支出をしている、すなわち負債が増えている(もしくは資産が減っている)場合は、資金不足。逆に、所得以下の支出しかせず、資産が増えている(もしくは負債が減っている)場合は資金過剰になる。 本来、資本主義国で資金不足、負債拡大により、投資をすることで経済成長をけん引するべき主役は「企業」である。ところが、日本は長引くデフレにより企業の投資マインドが冷え込み、資金過剰状態が継続してしまっている。企業までもが資金過剰の状況で、政府が資金不足を縮小してしまうと、「金を使う人が減る=需要が減る」というわけで、景気は低迷せざるを得ない。 図の通り、第2次安倍政権発足('12年12月)以降、日本政府は資金不足を減らしていっている。資金過不足のマイナスが次第に縮小しているとは、要するに借金残高が増えるペースを減らした=支出を削減した&増税したという話になる。 実は、安倍政権は民主党政権期よりも緊縮財政なのだ。野田政権期の資金不足が40.6兆円。それに対し、2015年は17.3兆円。安倍政権が、もし野田政権期並みの資金不足を続けていてくれたならば、わが国の需要は最低でも23兆円以上も大きかった計算になる。対GDP比で、年間に4.6%の需要拡大だ。日本は余裕でデフレから脱却していたことだろう。 とはいえ、現実の安倍政権は、資金不足を恐るべきペースで縮小していった。'14年度、'15年度、'16年度と、3年度連続で国債発行額を減らした以上、当たり前なのだが、これを'17年度以降も継続しようとしているわけである。 安倍政権は通常予算ではデフレ脱却を果たせないどころか、デフレ化してしまうという現実を受け、毎年、補正予算を組み、何とか景気の底割れを防いでいる。 補正予算についても、財務省は補正予算に「抜け穴」とレッテルを貼り、吉川洋東大名誉教授ら“御用学者”を使い、反補正予算のプロパガンダを開始している。 ちなみに、 「財務省は緊縮財政派だが、安倍総理はそれに抵抗している!」 といった図式は成立しない。財務省と安倍総理の違いは、緊縮のペースが極端に早いか、普通に速いかの違いにすぎない。 政府は11月29日に'17年度予算編成の基本方針を閣議決定したが、安倍総理は、 「歳出全般にわたり、聖域なき徹底した見直しを推進する」 との方針を強調した。 さらに、財務省と厚生労働省は医療分野において約1000億円、介護分野で約400億円の支出削減を図る方向で調整中である。相変わらずの緊縮路線なのだ。 しかも、日本は高齢化で医療や介護の分野における潜在需要は増えているのである。そこに、政府が適切な支出を行えば、有効需要(GDP)と化し、デフレ脱却に近づくことになる。それにもかかわらず、歳出削減が優先されている。 安倍総理は、本当に日本のデフレ脱却を望んでいるのか。あるいは、社会保障サービスの維持について、いかに考えているのだろうか――。医療や介護分野における支出削減のしわ寄せは、もちろん現場に行く。特に、介護分野の支出削減は、ただでさえ深刻な人手不足を加速させることになる。すると、介護分野の人手不足を受け、 「日本は外国人労働者を受け入れなければならない」 という主張が説得力を帯び、日本の国の形を壊す外国移民政策が推進されていくことになる。 そもそも、'14年4月の消費税増税は、「社会保障の財源を確保する」というお題目だったのではないのか? だからこその「税と社会保障の一体改革」であったはずである。 ところが、現実の安倍政権は消費税を増税すると「同時に」、社会保障支出の削減を続けている。介護報酬は'15年度から、診療報酬は'16年度から削減が始まった。 要するに、安倍政権は緊縮財政路線なのである。資金過不足で政府の資金不足が着実に減っている以上、ごまかしは効かない。 安倍政権は緊縮財政路線であるという前提の上で、国民はデフレ脱却のための財政支出の拡大を求める必要がある。消費税増税の延期は、単に「緊縮財政のペースを若干緩めた」にすぎないという現実を、国民一人一人が認識しなければならない。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2016年12月28日 12時00分
任天堂が賭ける 追加課金なし『スーパーマリオラン』は天国か地獄か?
12月15日に、DeNAと共同で開発を手掛けたゲームアプリ『スーパーマリオラン』が世界151カ国で配信スタート。任天堂はメディア宣伝に尽力し、「初月の売り上げはポケモンGOの約半分、80億円を突破するのでは」との期待感を持たれている。 任天堂の看板タイトル初のスマホ版とあって注目は高く、配信開始通知を希望する人の数は世界で2000万人を超えていた。関連会社のポケモン(東京・港)が開発協力したスマホゲーム『ポケモンGO』とは異なり、『マリオラン』は任天堂の自社開発となる。 2016年は、苦境続きだった任天堂が大復活を遂げた年だった。アメリカで先行配信したスマートフォン向けゲーム『ポケモンGO』が全米で空前の大ヒットを飛ばし、国内配信直前の7月19日には株価が急騰、年初来高値の32700円の値を付けた。 「世界中の子どもから大人までスマホ片手にポケモンGOに熱中する社会現象となり“最もダウンロードされた”“最速で1億ドルの収益を上げた”など数々のギネス記録を樹立しました。家電量販店には孫と『ポケモンGO』をやるためにスマホに機種変更するシニア層や、携帯用充電器を買い求める客が押し寄せました」(経済ライター) 「11月には昔懐かしいファミコン復刻版『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』を発売。ソフトは内蔵されている30タイトルのみだが、5980円と手が届きやすい価格から40代以上の層を中心に人気を集めた」(市場関係者) 思えば、'12年暮れに発売した『WiiU』の大不振が岐路だった。かたくなに拒んできたスマホへの配信は、今や同社の要だ。 「それでも“禁断の果実”にはまだ消極的です。人気ゲームアプリの大半はアプリ内課金でもうける仕組みで、ポケモンGOもそうなっていますが、一方のスーパーマリオランは1200円を支払えば追加課金なしで遊べる“買い切り型”。ゲームアプリは今に至るまで、課金型で爆発的な急成長を遂げてきた。買い切りはユーザーにとってはありがたいですが、収益性は未知数です」(業界関係者) 先行きの懸念はそれだけではない。'17年3月に発売予定の新型ゲーム機『ニンテンドースイッチ』に対するイマイチな評判だ。10月20日に一部映像が公開されたものの、ファンからは「期待外れ」の声が多く、翌日の株価は急落した。 「ハイレベルな『プレイステーション4』や『Xbox』を超えるゲーム機となるのは容易ではありませんよ」(同) ネットでは、「なんだろ、マリオだけど楽しくない1週間したら飽きるな」「これは任天堂やっちまった感じ?」「スマホアプリだぞ? どんなに高くても800円だろ」などなど評価はいまいちだ。 そんな中、App Annieは、iOS向けアプリ「スーパーマリオラン」のダウンロード数および収益に関する速報値を発表した。合計151か国でリリースされ、そのうち60か国のDL数ランキングで首位を獲得した。今回の速報値では配信から3日間(12月15日〜12月17日)の記録が計上され、全世界におけるDL数が3700万以上、収益が1400万ドル以上であったことが明らかにされた。 果たして、王者・任天堂の酉年の“泣き笑い”はどうなることか。
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社会 2016年12月27日 15時00分
インフルだけじゃない! 人間を脅かす羽毛も危険な鳥の病
猛威を振るう高病原性鳥インフルエンザ。環境省は警戒のための調査対応レベルを最高の「3」に引き上げ、次のように注意を呼び掛けている。 「鳥インフルエンザウイルスは、感染した鳥との濃密な接触等の特殊な場合を除いて、通常では人には感染しないと考えられています。日常生活においては、鳥の排泄物等に触れた後には、手洗いとうがいをしていただければ、過度に心配する必要はありません」 1997年、香港で鳥インフル『H5N1』が流行した際、人には感染しないという予見を裏切り“突然変異”したことで18人が感染し6人が死亡した。今回、日本で見つかっている『H5N6』型ウイルスも鳥の間では広がるが、鳥から人に感染する可能性は極めて低いといわれる。 とはいえ、いつまた突然変異するかは分からない。ブタが通常のインフルと鳥インフルに同時感染し、体内でウイルス同士が反応して変異し、人に感染する可能性も指摘されている。 実は鳥インフル以外にも鳥から感染する病気に、間質性肺炎(過敏性肺炎ともいう)の一種『鳥関連過敏性肺炎』という疾病がある。外では平気なのに自宅では咳が止まらないというような場合、鳥類をペットとして飼っていれば疑う必要があるという。 「一般的な肺炎は細菌に感染して、肺の中の一番内側に炎症が起きる病気です。一方、間質性肺炎は『鳥タンパク』と呼ばれる微小な物質が肺に入ることでアレルギー反応が起き、間質が炎症を起こした結果、そこに弾力がなくなり硬くなることで酸素がうまく取り入れられなくなって肺炎を起こします。自宅にいるときのみ咳が止まらないという症状の他に、唇が青紫色になったり、指の爪がスプーンを伏せたような形になります。いずれにせよ、長引く咳は放置せず呼吸器科にすぐ行くことをお勧めします」(都内の呼吸器専門医) “保菌者”はペットのインコやオウム、公園や神社にいる野鳥や鳩など。鳥タンパクは鳥の羽にも存在するだけに、過去には羽毛布団を原因とする例があったというから驚きだ。 「とにかく原因との接触を避けること。生活環境内にいる鳥を避けるため、高機能マスクをすることが大事です。飼っている場合はやめる必要があります」(同) 酉年の2017年に当たり、鳥の“意外な怖さ”も知っておくべきだろう。
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