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ビルやランボルギーニから紙幣ばらまき 香港の“ねずみ小僧”の正体に怒りの声集まる

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画像はイメージです

 香港の貧困地区で「香港の秋葉原」と呼ばれる電気街・深水歩(シャムスイポー※歩は土へんに歩)に15日、ランボルギーニに乗った黒パーカー姿の男が現れた。男は車から降りると、手を広げて「持てる者から金を奪い持たざる者を救済する」などと叫び、通行人の関心を引きつけた。すると、ビルの窓から大量の100香港ドル(約1500円)紙幣が降ってきた。

 現場は騒然となり、のちに警察が出動、紙幣の一部を没収した。この段階では、庶民の味方として好意的に受け入れられていた。日本でも話題となり、「松ケンの『銭ゲバ』を思い出した」「まるで『ねずみ小僧』みたい!」「もしかしたらお金のない人にとっての救世主なのかもね」などと、男を悪く言う人はいなかった。

 しかし翌日の男の行いで人々の目は真逆に変わる。16日、男はランボルギーニに乗って再び深水歩で500香港ドル(約7500円)紙幣を通行人にばらまいた。警察は公共の場で無秩序な行為をはたらいたとして男を逮捕した。男はずっとスマホを使って、Facebookでその光景をライブ配信していたという。男の正体は香港の24歳のインフルエンサー、コウ・ショウケツ容疑者だと分かった。

 男はFacebookで「幣少爺(コイン坊や)」と名乗っていた。仮想通貨「Wong Ching kit」に30万香港ドルを投資し、数千万の香港ドルを儲け、大富豪になったと自称しているという。男はランボルギーニに大量の札束を詰め込んだ写真をFacebookに投稿していた。また、自身のSNSで「豊かな人たちから金を奪い、貧しい人たちを救う」と書き込み、紙幣ばらまきの予告もしていたという。

 今回の紙幣ばらまきは、仮想通貨「Filecoin(ファイルコイン)」の宣伝目的ではないかと推測されている。宣伝目的での紙幣ばらまきだと発覚した後、男の評価は一転。「なんだ、ただの宣伝目的か」と香港はもちろん、日本でも一気にそっぽを向かれる結果となった。

 現代版「ねずみ小僧」かと思いきや、目的が仮想通貨の宣伝だったとなると、なんともあざとい行為である。

文/浅利 水奈

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